妻夫木聡が号泣「宝島」壇上で子を持つ親の思い吐露…祖母をコロナ禍でなくしたことも明かす

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2025年10月02日 19:23  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

妻夫木聡(25年9月撮影)

妻夫木聡(44)が2日、東京・新宿バルト9で行われた主演映画「宝島」(大友啓史監督)東京キャラバンの壇上で号泣した。戦後の米軍統治下の沖縄を描いた映画を、この日まで全国30カ所を自ら回って届けていく思いを語る中で、沖縄戦で集団自決した親が子を手にかけたことに触れ「親が子を自ら手にかけて…80年前まで起こっていた。自分も子どもがいますし…ごめんなさい。そんな。未来は絶対に作りたくないっすよね」と涙した。


さらに壇上で、コロナ禍で会えないまま、祖母が亡くなったことも明かした。「ふすまに倒れた時の、爪の跡があったと先生に聞いた。先生に『痛みを我慢していらっしゃった』とも言われた。じいちゃんに会いたかったのかな…会いにいきゃよかった何もできない自分に後悔していた」と号泣。それでも「宝島」に出演し「人々は亡くなっても、思いは生き続ける」と、自らの死生観が変わったことを明かした上で「僕はね、いっぱい『宝』が見つかった。『宝島』で宝を見つけて欲しい」と涙ながらに訴えた。


妻夫木は、5月5日に都内で行われた完成報告会見で宣伝アンバサダー就任を発表し、6月7日に沖縄で始めた全国キャラバンは、初日の19日も埼玉県所沢市まで回り、全国27都市を回ると、その後に新宿バルト9の初日舞台あいさつに登壇。翌20日も千葉、栃木を回り、この日が30カ所目。その壇上で「子どもたちに、今があるのは、絶対に当たり前じゃないから。先人達の事があって僕らは生きられる。今が当たり前じゃないと伝えるのが責務」と力を込めた。さらに、キャラバンの中で観客から「見終わった後に、子どもを今すぐ抱き締めたい」と言う声があったことを振り返り「僕もそれを聴いて抱き締めたくなったし。これが『宝島』という映画を作った意味、俳優をやっている意味」とも語り、涙した。


「宝島」は作家・真藤順丈氏の2019年の直木賞受賞作の実写映画化作品。戦後に米軍統治下に置かれた沖縄で、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちの姿を描いた。18年6月に刊行された原作が、19年1月16日に直木賞を受賞したことで映像化の構想がより具体的になり、同10月ころに脚本開発がスタート。20年に全世界に拡大したコロナ禍などによる2度の撮影延期などもあったが、24年2月25日にクランクイン。同4月17日の沖縄パートのクランクアップまでロケは41日、行い同27日から都内スタジオ、関東近郊、和歌山ほかで本土撮影パートがクランクイン。同6月9日まで撮影は106日に及び、総製作費は25億円に上った。


妻夫木は、永山瑛太(42)演じる“戦果アギヤー”の英雄・オンの親友グスク演じた。予定外の戦果を手に入れた直後に、こつぜんと消息を絶ったオンの痕跡を、警察官になって追う役どころだ。広瀬すず(27)がオンの恋人ヤマコを演じた。グスクは予定外の戦果を手に入れた直後に、こつぜんと消息を絶ったオンの痕跡を警察官になって追い、ヤマコは小学校の教師になり、オンの帰りを信じて待ち続ける。窪田正孝(37)が消えたオンの影を追い求めてヤクザになる弟レイを演じた。

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