
今週末は、北日本は高気圧に覆われて紅葉登山が満喫できそうです。一方、東日本と西日本の広い範囲で雨が降るでしょう。日本アルプスなどの高山帯では紅葉の最盛期を迎えたところも出てきていますが、気象情報を十分確認したうえで登山計画を立てるようにしてください。
衛星画像 西から近づく雲のかたまりに注意
まずは雲の状況を見てみましょう。
北日本は高気圧に覆われておおむね晴れています。このところ晴天傾向が続いているため朝晩は放射冷却が効いてよく冷えて、標高の高い山では葉の色づきが大変よくなってきているようです。今シーズンの紅葉は夏の記録的猛暑の影響が心配されていましたが、日本アルプスでもほとんど例年並みの10月第1週に見ごろを迎えつつあり、色づきも比較的よいとの評判です。夏から秋にかけて雨が少ない時期があったものの、台風の強風による影響を受けにくかったことや、高山帯では低地ほど極端な高温が長期間持続しなかったことなどがよい条件となったと思われます。
一方、黄海に低気圧があり、中国大陸から本州にかけて雲が広がっています。沖縄付近に高気圧があることで台風21号周辺の湿った空気が流れ込みやすくなっており、このあと対馬海峡付近で雨雲が発達しやすくなる見通しです。長崎県では3日(金)夜のはじめごろから4日(土)朝にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。今後発表される気象情報に十分注意してください。
予想天気図 低気圧の動きが遅いため影響が長引く
予想天気図を見ながら、天気を細かく見ていきましょう。
4日(土)は、東シナ海から日本海にかけて前線が停滞するでしょう。西日本と東日本は雨の降る山岳が多く、中国地方から東海では雨の量がやや多くなる可能性があります。また、前線の近くでは風も強まりやすいため気温の数値以上に寒さを感じやすく、低体温症に注意が必要です。北日本は高気圧に覆われて晴れる山岳が多い見込みですが、北海道付近では等圧線の間隔が狭くなっており、次第に南西からの風が強まる見通しです。風に対応できるジャケット等を用意してください。
5日(日)は、日本海を低気圧が進む予想です。西日本では引き続き雨のところが多いですが、午後は九州では天気が回復に向かう見込みです。東日本は午前中は雨が弱くなったり、日が差したりするところもありますが、午後は雨が降るところが多いでしょう。北日本では次第に雲が広がり、昼ごろから雨が降るところがある予想です。また、北海道では引き続き等圧線の間隔が狭くなっており、西寄りの強風が吹きやすいでしょう。
極端な強風や冷え込みがない限り紅葉の見ごろは来週中も続きそうなので、荒天時に無理に入山せず、晴天を狙って予定を組むように心がけましょう。
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