マイクロマガジン社が手掛ける女性向け文芸レーベル・ことのは文庫の「ことのは文庫 秋の夜長の読書フェア」が10月10日(金)より一部書店で開催される。
「ことのは文庫 秋の夜長の読書フェア」は期間中、対象書店で対象書籍を購入した読者には、秋をモチーフにした2種類の和紙風栞からランダムで1枚がプレゼントされるキャンペーンとなっている。
フェア対象書籍には、食を通じた人と人との温かなつながりを描いた短編集『ある日どこかで箸休め 3分で読める35話のアラカルト』(村田天著)、霊視の力を持つ少女と亡霊が心残りを解き明かす感動の時代小説『大奥の御幽筆〜あなたの想い届けます〜』(菊川あすか著)、お抹茶文化にまつわる逸話と謎に迫る『京都お抹茶迷宮』(石田祥著)、人形の魂を見届ける幻想的な物語『京都「無幻堂」でお別れを 大切な人形の魂を送る処』(望月くらげ著)、そしてツキノワグマと人間の温かな共同生活を描いた『下の階にはツキノワグマが住んでいる』(鞠目著)の計5作品がラインナップされている。
ことのは文庫は、2025年に創刊6周年を迎えた女性向け文芸レーベル。『わが家は幽世の貸本屋さん』や『おまわりさんと招き猫』シリーズ、テレビドラマ化もされた『さよならの向う側』など、心に響く作品を次々と送り出し、累計発行部数も7万部を突破している。今回のフェアでは、編集担当の一言コメントが記載されたPOPも書店店頭に掲出される予定で、作品選びの一助となるだろう。
|
|
■対象書籍
『ある日どこかで箸休め 3分で読める35話のアラカルト』
著:村田天/イラスト:双森文
価格:792円(税込)
大学生同士のカップル未満が初めて一緒に食べた朝ごはん。偶然会った高校の同級生と食べる深夜のラーメン。風邪の時に同僚が作ってくれた鍋焼きうどん。料理が嫌いな上司に食べさせたくて母に教わる煮物の作り方。なかなか減らない冷蔵庫の常備菜を(他人を巻き込んで)上手に使い切る秘策。おにぎりが苦手になった理由ともう一度食べられるようになった理由。クリスマスパーティーで知るとり天の味と気になる人の意外な一面。お互いが買ってきたパンと飲み物を交換して食べる昼休み。弟お手製の夏カレーで思い出す、懐かしくておかしな過去。鰻が救ってくれた誰かの世界。かつて味わったことがあったかもしれない、もしかしたらこれから味わうかもしれない、そんな素敵な「食」にまつわる35の風景。
『大奥の御幽筆 〜あなたの想い届けます〜』
著:菊川あすか/イラスト:春野薫久
価格:792円(税込)
亡霊が見えるせいで呪われた子だと家族から罵られてきた里沙。自分の力を忌避し、生きる意味を見失いかけていた彼女を繋ぎ止めたのは、奥勤めをしている叔母・お豊からの一通の手紙だった。『そなた、大奥へ来ぬか』そこは男子禁制で全てのお役目を女が勤め、皆いきいきと働いているという。こんな私でも誰かの役に立てるのならばと、お豊の力添えで奥女中となる決意をする里沙だったが、そこでは、とある亡霊騒ぎが起きていて――。霊視の力持つ奥女中・里沙と記憶を失った侍の亡霊・佐之介が、大奥に現れる亡霊たちの心残りを解き明かす、感動のお江戸小説。
『京都お抹茶迷宮』
著:石田祥/イラスト:花守
価格:781円(税込)
京都にある零細出版社・太秦出版に事務員として勤め始めて三年目の大庭小依(おおば・こより)。ある日、食中毒で倒れた先輩編集者の代理で、作家・皆月豊(みなづき・ゆたか)との打合せ場所に資料を渡しにいったところ、はんなり京男子な皆月のマイペースぶりに巻き込まれ、いつの間にかこの企画の担当編集を引き継ぐことに。初担当となる本は、京都のお抹茶に関する面白い逸話を探しながら人気の名所やお店を巡り、お抹茶スイーツやお点前を楽しむという紀行エッセイ本『京都お抹茶迷宮(仮題)』だ。編集者としての初仕事にはりきる小依だが、皆月と共に取材を続けるうちに「千利休の孫・宗旦」と「白狐の恋」にまつわる不思議な抹茶の逸話を耳にする。そして、その逸話に沿うかのように、「狐の子孫」と言われる一族が営む茶舗で事件が発生して……!?
『京都「無幻堂」でお別れを 大切な人形の魂を送る処』
著:望月くらげ/イラスト:チェリ子
価格:792円(税込)
人々の感情が色で見える特異な体質のせいで人生に嫌気が差していた明日菜(あすな)は、ある日理不尽なリストラに遭ってしまう。途方に暮れ、行きついた先で目にしたのは、「従業員急募」という張り紙。そこは、店主の柘植(つげ)と言葉を話す猫・詩(うた)が営む、魂が宿った人形の最期を見届ける「無幻堂(むげんどう)」というお店。ひょんなことから「無幻堂」で働くことになった明日菜は、人形たちの感情を読み取り、怒りや悲しみを汲み取っていく。行き場を失った人形たちの最期に寄り添う、儚くもあたたかいハートフル・ドール・ストーリー。
|
|
『下の階にはツキノワグマが住んでいる』
著:鞠目/イラスト:水川雅也
価格:792円(税込)
住んでいた賃貸マンションで火事があり、急遽引っ越すことになった頑張り屋の社会人・ゆり子が紹介されたのは、「築35年・動物入居可能」の物件だった。階下に住むのは、胸の三日月模様が印象的な、人(?)の好いツキノワグマ。誰かとコーヒーを飲むのが大好きで、はちみつケーキが大好きで、ヒグマさんのビールが大好きで、お鍋が大好きで、冬眠の前にはクリスマス・お正月・バレンタインの贈り物などを一通り済ませてから眠りにつく。そんなのんびりとしたクマと日々を過ごすうち、ゆり子の少し疲れた心は優しくほぐされていく。そして彼女はいつしか、ずっと背を向けていた母と向き合ってみようと自然と思えるようになり――。
(文=リアルサウンド ブック編集部)
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 realsound.jp 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
64歳、貯蓄4235万円。これから年金生活が始まります。安心して生活できるでしょうか……(写真:All About)3
自民党総裁選で討論から逃げる小泉進次郎は「戦う一族」小泉家で異質な存在/倉山満(写真:日刊SPA!)6