<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
黒柳徹子(92)のライフワークとも言える朗読劇「ハロルドとモード」が開幕した。
20年から始まり今年で6回目。79歳の女性・モードと19歳の少年・ハロルドによる60歳差男女のラブストーリーで、ハロルド役は過去に俳優の生田斗真(40)らが演じ継いできた役。今回はTravis Japan七五三掛龍也(30)が6代目ハロルドに就任した。
御年92歳。黒柳は100歳までテレビ出演を宣言している。このほど行われた取材会で「(100歳まで)舞台も続けるのか」と問われると、言葉に詰まることなく「そうですね。そう思っています」と返答した。テレビで見るのと同じように、受け答えは滑舌良く常にハキハキ。印象的だったのは、そうした外側の印象よりも黒柳の内側から感じられるバイタリティー。 観客と直で顔を合わせることができる舞台が好きだという。上演時はキャストが横一列に並び、客席と向かい合って朗読する形になる。「空間がすごくすてき」と愛おしみ「毎日少しずつでも努力していると、少しずつでも進歩するかなと思ったりして」とステージに向かう心の内を明かした。「良いお相手(七五三掛)の方がいらっしゃると、頑張ろうと思う気にもなるので毎日を楽しみに劇場に来ています」。そう語る表情はなんだか無邪気。まるでお気に入りの洋服を大切にきれいに着ている少女のよう。自分より60歳近く年下の共演者に刺激をもらい、自身を高める力に変えていた。
一昨年の12月、黒柳の映画「窓ぎわのトットちゃん」の舞台あいさつではこんな発言もあった。当日は公開記念ティーチインが行われ、黒柳に「100歳まで生きてくださいね」と声をかけた参加者がいた。イベントの終盤、黒柳はその言葉を紹介し「100歳まで生きるつもりでいるのでみなさんも長生きして下さい。私が100歳まで生きて、テレビに出たりするのを見てもらえたらとってもうれしいです。わたしは長生きしますので、安心してください」と宣言した。自身のエンターテインメントの受け取り手、ファンの存在がきっと、何にも変えられない原動力なのだと思う。
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生涯夢中になれる物を見つけることは、実は難しかったりする。生活の変化で興味が離れてしまったり、娯楽が多様化した現代では選択肢の豊富さから関心が散漫になることも不思議ではない。一生涯好きでいられるもの。人生をより豊かにしてくれる何かを探してみたいと思った。【望月千草】
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