24年6月から卵巣がんなどの治療と療養のために歌手活動を休止し、今年3月に復帰した市川由紀乃(49)が6日、東京国際フォーラム ホールCで2年ぶりのリサイタル「市川由紀乃リサイタル2025『新章』」を開いた。2年ぶりのリサイタルを待ちわびたファンが列を作り、1500席は完売となった
この日は「心かさねて」「さいはて海峡」「雪恋華」の3曲を、アレンジを変えて披露。大いにリスペクトを寄せる歌手ちあきなおみ(78)のカバーニ初挑戦した「ちあきなおみの歌世界」など、全21曲を歌い上げた。市川は、自ら付けたタイトル「新章」を、大きな筆で自ら書き上げた書を前に「雪恋華」を力強く歌い上げた。雪舞う中、白の衣装を引き抜き、黒の衣装になると、ステージ上を右に、左に舞った。顔全体に広がる笑みは、歌うことがうれしい…その思いが全て表れていた。目には大粒の涙が浮かんでいた。
市川は、集まった取材陣を前に「とにかく、うれしいです」と喜びをかみしめた。5月19日に故郷の埼玉・サンシティ越谷市民ホールで、24年5月27日以来のソロ公演となった復帰後初の単独コンサート「ただいま!」を開催。大阪、名古屋でも開催したが「復帰させていただいて、お客さま、ファンの前に立つ、歌える喜びを感じさせていただく中で、2年ぶりのリサイタル…心躍る、新鮮な思い」と、格別な思いを抱いていると吐露した。
「新章」というタイトルについて聞かれると「新たな歌手人生の始まり…自分自身の決意を、リサイタルのタイトルにしたいと思っていて、これしか頭に浮かばなかった」と口にした。「女性の奥底に眠っている思いを表現する作品が好き。後半で歌ったのは、そういう楽曲。その世界を追求していきたいという思いがあります。たくさんのスタッフの皆さんのお力、ファンの皆さんのパワーをいただき。緊張もありますけど、自分の楽しさが皆さまに伝わると信じたい」と笑みを浮かべた。「前半の、ちあきなおみさんのカバーは全て、初めて挑戦させていただく曲。あえて初めての曲を選んだ。今日のために練習を重ねてきた」と胸を張った。
4日のインスタグラムで、リサイタルの稽古終わりに母と待ち合わせして2人で美容院へ行ったことをつづり、抗がん剤治療を終えて10カ月がたとうとする中、髪も順調に伸びていると報告し、写真を投稿した。取材陣から現在の体調について聞かれると「おかげさまで、少しずつ前に進んでいると思います。抗がん剤の副作用で、手足の指のしびれが残っているんですけど、いつか必ず取れると先生に伺っているので、しびれを前向きに捉えて…いつか取れるんだと思っています」と語った。
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髪については「おかげさまで順調に伸びてきて…まだボリュームが足りない。今日は全部、ウィッグを被ってお届けしますけど、被ると浮いてしまうので整えてきた」と明かした。「髪質も変わって、くせっ毛のようになって。年を重ね、いろいろな経験で、こういう状態になるんだと新しい自分の発見もあった。ショートカットにするのも病気を経験しなければ、なかった。今は短い髪を楽しんでいます」とも語った。
4日のインスタグラムには「昨年の今頃を想像するだけで涙が溢れてきます。当日、この想いを自分の言葉と歌に込めて皆さまにお届けしたいと思っています」ともつづっていた。これから、ファンに何を届けたいか? と聞かれると「去年の今ごろは、抗がん剤治療をしていたので、自分の中にも不安な気持ち、実際に戻れるんだろうか? という気持ちもあった。1年後、リサイタルを開催し、歌わせていただくのは奇跡」と口にした。目に涙を浮かべつつ「いろいろな経験があったから、届けられる歌や言葉があると思っているので。『新章』というタイトル通り、新しい市川由紀乃を、皆さんに、また感じていただきたい」と口にした。
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