Razerのロープロファイルゲーミングキーボード「BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeed」を試す 「薄型×ワイヤレス」で安定感が魅力

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2025年10月07日 17:11  ITmedia PC USER

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Razer BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedのフルサイズ/リニアスイッチ/日本語配列モデル

 Razerの「Razer BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeed」は、薄型メカニカルスイッチを搭載した新型のワイヤレスゲーミングキーボードだ。


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 本製品は、高級感のあるアルミニウム合金製ボディーに豊富な機能を備えており、ゲーミングから日常使用まで幅広く対応する。テンキーを備える「フルサイズ」モデルと、コンパクトな「テンキーレス」モデル(BlackWidow V4 Low-profile Tenkeyless HyperSpeed)があり、キースイッチは「クリッキー(グリーン)」「タクタイル(オレンジ)」「リニア(イエロー)」の3種類から、キー配列は「日本語」と「米国英語(US)」の2種類から選べる(※1)。直販価格はフルサイズモデルが3万3880円、テンキーレスモデルが2万8880円となる。


 今回、本製品のフルサイズ/リニアスイッチ/日本語配列モデルを試用する機会を得たので、実際に使いつつ特徴をチェックしていく。


(※1)サイズとキースイッチの組み合わせによっては、日本語配列を選択できない場合がある


●本体のデザインと機能をチェック!


 BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedは、ボディーサイズが約437(幅)×161(奥行き)×18.5〜24.5(高さ)mmで、重量は約1050gとなる。


 ボディーで目を見張るのが薄さだ。最薄部は約18.5mmと、1円硬貨の直径(約20mm)よりも薄い。薄型ではあるが、アルミニウム合金製のトップケースを採用することで高級感を演出しつつ、耐久性と精密さも高めている。


 また、日本語配列モデルではキートップからかな印字を排していることも特徴だ。「変換」「無変換」「半角/全角」といった日本語入力関連の機能キーも、ローマ字や記号表記に置き換えられている。


 全体としてスタイリッシュでスッキリとした印象を受ける。


 本体背面右側には電源インジケーター、USB Type-C端子と接続切り替えスイッチを備えている。本製品はいわゆるハイブリッド接続に対応しており、USB Type-C端子を介した有線接続の他、Razer独自の「HyperSpeed Wireless(2.4GHz帯無線)」またはBluetoothでの無線接続に対応している。


 HyperSpeed Wirelessはマルチデバイスに対応しており、1台のドングルでRazer製の対応ワイヤレスマウスも併せて接続可能だ。Bluetooth接続時はマルチペアリングに対応しており、本製品を最大3台のBluetoothデバイスで共有できる。


 操作系は本体上部に集約されている。本体左側にはマクロボタンが4つ(M1〜M4)が配置され、ゲームやアプリでよく使う操作を割り当てられる。本体右上にはメディアボタンとマルチファンクションローラーを備えており、音量の調整や楽曲の操作などを直感的に行える。


 さらにテンキー上部には、HyperSpeed WirelessとBluetoothを切り替えるためのボタン、「AI Prompt Master」ボタン、バッテリーレベルボタンが並んでいる。


 AI Prompt Masterボタンは「ChatGPT」または「Microsoft Copilot」をワンプッシュで呼び出せるボタンだ。Razerのユーティリティーアプリ「Razer Synapse」をインストールしておけば、「リフレーズ(文章の見直し)」「サマライズ(文章の要約)」「コンポーズ(文章の作成)」といった作業をポップアップウィンドウから行える。


 底面にはキックスタンドが内蔵されており、6度/9度の2段階で傾きを調整可能だ。また、底面にはHyperSpeed WirelessのUSBドングルの収納スペースも設けられている


●3種類の薄型メカニカルスイッチを選択可能


 BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedのキースイッチは、Razerオリジナルの薄型メカニカルスイッチを採用している。先述の通りスイッチは「クリッキー(グリーン)」「タクタイル(オレンジ)」「リニア(イエロー)」の3種類が用意されているが、ボディーとスイッチの組み合わせによってはキー配列がUS配列のみとなる。


 今回試用したのはイエロースイッチで、公称のストローク寿命は8000万回、押下圧は約40g、アクチュエーションポイントは約1.2mmとゲーミングキーボードの標準的な仕様だ。リニアタイプなのでタイピングは軽快で静音性も高く、ゲームプレイも快適だ。


 他のスイッチについても簡単にスペックをチェックしておこう。グリーンスイッチはストローク寿命6000万回、押下圧約45g、アクチュエーションポイント約1.2mmという設定で、明確なクリック感を得られる仕様だ。オレンジスイッチはストローク寿命8000万回、押下圧約45g、アクチュエーションポイント約1.6mmという設定で、タイプ感の良さと静音性のバランスを取っている。


 なお、いずれのスイッチを選んだ場合もリセットポイントがアクチュエーションポイントに追従する「ラピッドトリガー」には非対応なので注意したい。


 キーキャップは、摩耗に強いダブルショット加工のPBT(ポリブチレンテレフタレート)を採用しており、長期間使用しても文字が消えにくい。表面はマットな質感で、指先にしっかりとフィットして滑りにくいのも特徴だ。透過性のある文字部分とRGBライティングが組み合わさることで、発光の鮮やかさが際立ち、美しいライティング演出を楽しめる。


 キーは斜めに押しても真下に沈み込み、全体としてブレの少ないタイプ感を実現している。スペースキーやEnterキーといった大きなキーも、スタビライザーの効果でぐらつかずにしっかりと入力できる。


 イエロースイッチは「カチャカチャ」としたメカニカルらしい音を出しつつも、押し心地は「スコスコ」と軽快だ。二重の防音フォームにより反響音や金属的なノイズが抑えられており、タイプ音は控えめだ。


 ゲームプレイ時はもちろん、日常的なタイピングでもストレスを感じにくい仕上がりとなっている。


●ワイヤレス利用時は内蔵バッテリーを使用


 BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedをワイヤレスで使う場合、電源は内蔵バッテリーから供給される。バッテリーの残量は本体にあるバッテリーレベルボタンを押すと上段の「1」〜「0」キーの点灯(10段階表示)で確認できる。Razer Synapseからは1%単位でチェック可能で、充電は先述の通りUSB Type-C端子を介して行える。


 駆動時間は、「省電力モード」有効時で最大980時間となる。省電力モードはポーリングレートを下げ、キーボードライティングをオフにし、Razer Synapseとの接続を停止することで消費電力を抑えている。


 筆者はライティングを輝度50%で点灯させた上で、「ゲームモード」をオンにして約2時間半ゲームをプレイした。すると、バッテリー残量は100%から85%まで低下した。実際の使用環境では、この程度の消費を想定しておくとよいだろう。


●「Razer Synapse」で設定できること


 BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedの隠す設定は、Razer Synapseで行える。キーの割り当てやマクロの作成、ライティングの制御からパフォーマンス関連の調整など、詳細なカスタマイズが可能だ。


 「カスタマイズ」タブではゲームモードや有線接続時のポーリングレート、スナップタップ、キースイッチ最適化といった機能を設定できる。


 ゲームモードでは、WindowsキーやCopilotキーなどを無効化してプレイ中の誤操作を防げる。有線接続時のポーリングレートは125Hz/250Hz/500Hz/1000Hzの4種類から選択可能で、数値が高いほど入力遅延が少なくなる(その代わり、PCへの負荷は大きくなる)。


 スナップタップは、特定のキーを押しながら別のキーを入力すると後から押したキーの入力が優先される仕組みだ。例えば「A」を押したまま「D」を押すと同時押しではなく「D」に切り替わる。このため、いわゆる「レレレ撃ち」のような素早い左右移動を繰り返す操作で威力を発揮する。


 キースイッチ最適化は、タイピング向けとゲーミング向けの動作を切り替えるものだ。タイピングで使う場合は誤入力を防ぐためにあえて遅延を発生させる一方で、ゲーミング向けでは応答性を重視した設定となる。


 「ライティング」タブでは、その名の通りLEDライティングに関する設定を行える。輝度は0〜100%の範囲で調整可能で、ディスプレイがオフになった時、あるいは指定した時間アイドル状態が続いたときにライティングをオフにする設定も用意されている。


 さらに、発光効果も選択可能で、「ウェーブ」など複数のパターンから好みに合わせた演出を適用できる。


 「電源」タブでは、省電力関連の挙動を細かく制御できる。減光機能では、バッテリー駆動時に操作がない状態が続いたときにライティングを減光するまでの時間を設定できる。ワイヤレスパワーセーブでは、無操作時にスリープモードに移行するまでの時間を指定可能だ。


●「薄型×ワイヤレス」で安定感を備えた1台


 BlackWidow V4 Low-profile HyperSpeedは、全体として薄型ながらもしっかりとした操作感を備え、ゲーミングと日常使いのどちらでも快適に利用できる、完成度の高いキーボードだ。デザインも良く、Razer Synapseによる柔軟なカスタマイズも魅力的だ。


 本体重量は約1050gと、ロープロファイルキーボードにしては重めだが、据え置きで使う分にはこの重量が安定感につながる。ゲームプレイ中に本体が動くこともなかった。タイプ音は「カチャカチャ」としていて高めながら、思ったよりも静かで、イヤフォンやヘッドフォンをしていれば全く気にならない。


 FPS(一人称シューティング)ゲームで使った際は、最新のラピッドトリガー対応モデルと比べるとレスポンスでやや差を感じた。ただし、付属のUSBドングルによる2.4GHzワイヤレス接続でも1000Hzのポーリングレートを実現できるので、有線にはない自由度を享受できる点は大きなメリットである。


 仕様/機能の面で見ると細部までよく作り込まれており、据え置き環境で安定感と高い機能性を兼ね備えたワイヤレスキーボードを求めるユーザーにとって有力な選択肢となるだろう。



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