自公ギクシャクで… 高市“総理”誕生に暗雲?「総理指名」で野党統一候補? 立憲「玉木氏も有力候補」【Nスタ解説】

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2025年10月08日 19:51  TBS NEWS DIG

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7日から新たな執行部体制で本格始動した自民党。ただ、連立のパートナー・公明党との関係がギクシャクするなか、高市“総理”誕生に向けて暗雲が漂っています。

【写真で見る】立憲・安住幹事長、国民民主・椎葉幹事長 会談の様子

■自公トップ会談で合意至らず 公明党、連立離脱の可能性は?

山形純菜キャスター:
まずは自公連立の行方についてです。

7日、自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表が会談を行いました。会談は約1時間半行われたということですが、結論は出ず、継続協議ということになっています。

公明党は「政治とカネ」「歴史認識」「過度な外国人排斥」の3つについて懸念が解消できなければ、連立政権は組めないとの考えを示していました。

会談後、高市総裁は「(2点については)気持ちは共有できた」とコメントしています。8日には「靖国神社への参拝は見送る」ということで調整していると報じられています。

残る1点について協議が続くということですが、公明党が連立を離脱する可能性はあるのでしょうか?

岩田夏弥 政治部長:
ブラフ(はったり)のような形で言ってるわけではなく、かなり本気度が高いという意見が出ています。特に「歴史認識」「過度な外国人排斥」という2つは気持ちが共有できたという状況ですが、「政治とカネ」の問題について公明党はものすごくこだわっています。

元々、公明党は「平和の党」「クリーンな政党」という2つをすごく大事なものとして掲げてきた政党です。

自民党内で、裏金問題が2024年に起きて衆議院選挙、今年の参議院選挙を経て、公明党も与党の一員ということで大きく議席を減らしました。この件は決着済みではなく、しっかり対応してくれない限りは、連立を組むのは難しいという話をしていてるということです。

井上貴博キャスター:
そもそも論として感じるのが、票や選挙のための連立だったら解消してもらった方がすっきりするというか。

もともと、自民党と公明党は高市さんになる前から政策はバラバラだった気がしていて、今ようやく国会が「政策一致するものは進めていきましょうよ」という政策本位になっている。だとすると、一致しないのであれば、連立は解消してもらった方が健全で、うやむやにされることの方が不健全じゃないかなと感じるのですが。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
3つの問題で特に「政治とカネ」というのは、まだまだ国民の意識が高い課題であることは間違いないので、ここで粘るというのはわかります。

ただ、1時間半会議をして、その3つのうちの2つがある意味消えたということは、もう1点も何らかのアクションさえ起こせば何とかなるんじゃないかなと。今まで20数年間、与党だった公明党がいきなり野党になるというのは、それはそれでいろんな妨げがあると思うので、そう簡単には諦めないのではないかなと思います。

岩田夏弥 政治部長:
公明党もはっきり言っているので、中途半端な形で折り合うように見えてしまったら公明党に対する期待も下がってしまいますので、結構ギリギリの駆け引きというか、ぶつかり合いになっていると思います。

斉藤さんも「政策や理念の一致があって初めて連立政権は成り立つ」と根本的なことも話していたので、原点に立ち返って根本的なところの話をしたいということだと思います。

■経済政策で共通点 国民民主党との連立は?

山形キャスター:
また、連立を巡って気になるのは、国民民主党との連携の可能性です。

国民民主党とは、経済政策の「年収の壁の引き上げ」「ガソリン税の暫定税率の廃止」という共通点があります。

今後、公明党との連立が続き、国民民主党と連携することになると衆議院の過半数を超えますが、公明党との連立がなくなると、過半数割れしてしまうという状況です。

公明党の動き次第で連携先は変わっていくのでしょうか?

岩田夏弥 政治部長:
国民民主党は「政策を実現することが大事だ」ということを強調して、自民党との話し合いをしています。

自民党と公明党があった上で、与党のところに国民民主党が乗れば過半数を超えて政策が実現できますが、公明党がもし連立を離れるとなれば、自民党と国民民主党だけでは過半数に届かず、政策の実現が危うくなります。

ですから、公明党と自民党がどうなるのかというところに野党側もすごく注目していて、そこがはっきりしないことには、次に進まないというような状況になっています。

井上キャスター:
国民民主党としても、公明党と自民党が連立を組んでいてもらった方が話が進みやすいというのが本音なのでしょうか。

岩田夏弥 政治部長:
そこが組んでいれば、ある種自分たちがキャスティングボートを握って色々な政策を実現するという形に持っていきやすいわけですが、自公の連立が揺らいでしまうと話がしにくくなってしまいますよね。

■高市“総理”に暗雲? 総理指名選挙「野田代表にこだわらず玉木代表も有力な候補」 

山形キャスター:
そして野党の動きによっては、初の女性総理大臣の誕生に暗雲が立ち込めているかもしれません。

8日午前、立憲民主党の安住淳幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長が国会内で会談しました。

そこで総理指名選挙について安住幹事長は「野田代表にはこだわらず、玉木代表も有力な候補だ」と伝えたということです。立憲民主党の狙いはどこにあるのでしょうか?

岩田夏弥 政治部長:
1つは国民民主党が自民党に近づいているように見えるところを牽制する狙いもあるのですが、安住さん自身は「物価高対策」と「政治改革」の2本柱を立てて、早急にその結論を出すための内閣を野党3党を中心にやったらどうかという話をしています。

野党3党で責任を持って、自公政権が成り立たないのであれば自分たちが責任持ってやるべきだということを主張し始めているわけです。

期限を切ってやる。つまり、いつまでもダラダラやるのではなくて、まず「物価高対策」と「政治改革」をやろうということだけが合意できていて、そこだけをまずやる内閣と言っているので、そう考えると実現可能性もゼロではないと思います。

井上キャスター:
参議院選挙で自公政権にノーを突きつけたという結果を見れば、野党でまとまるというのは理にかなっている気がします。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
忘れてはいけないのは、連立の使い方が進化しています。海外でも「静かな連立」は結構あります。正式には表明しないけど、政策ごとに賛成・反対をする。基本合意はするといったことは海外では普通なので、日本もそういう段階に来たのかもしれませんね。

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〈プロフィール〉
岩田夏弥
TBS報道局政治部長
元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など

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