※AI生成画像を使用しています 伊藤明美さん(仮名・43歳)は2年前、9歳下の男性とマッチングアプリでの出会いをきっかけに結婚しましたが、お金に執着する義父母との関係に疲れ、半年前に離婚をしました。
ところが、離婚後、義父母はとんでもない理由から明美さんにお金を要求してきたのです。
◆お金への執着心が強い義父母にうんざり
結婚当初から、明美さんは義父母によく思われていませんでした。結婚式直後、夫との年齢が離れていることを理由に、義母から「本来なら、こんな若い夫を持ててありがたいっていう感謝の気持ちをお金という形で、息子を産んだ私に示すべきやわ」と侮辱されたそうです。
幸い義父母とは同居をせずに済みました。しかし、息子さんが生まれると、義父母はアポなしで自宅へ来るようになったそうです。
「一般的な義父母なら、孫におもちゃなどを買い与えますよね。でも、うちの義父母は私たちが購入した息子のおもちゃを手にとり、嫌味を言うんです」
義父母はおもちゃが増えるたびに、「買える余裕があっていいわね〜。私らは年金暮らしで大変。ご飯にも困ってるくらい。おもちゃを買う余裕があるなら、少しは援助してほしいくらいやわ〜」と笑いながら言うのです。
「義父母は冗談っぽく言ってくるので、余計にタチが悪くて。夫は鈍く、遠回しな嫌味に気づいていませんでした」
◆「トイレへ行く」と席を立った義父の後をつけたら…
そんな日々を送る中で、明美さんは自宅に来た時の義父母の行動に違和感を覚えるようになりました。「孫に会いたい」というのは本心ではなく、本当の目的は他にあるのでは……と思うようになったのです。
「義父母は少しだけ孫と遊んでは『トイレへ行ってくるわ』とか、『玄関先が汚れていたから掃除してあげるわ〜』とか言って、交代で席を外すようになったんです」
頻繁に席を外すことを不審に思い、明美さんはこっそり義父の後を追いました。すると、夫婦の寝室や明美さんの部屋へ勝手に入ろうとしている姿を目撃!
「さすがに、『なにしてるんですか』とは言えなくて、『トイレはそっちじゃないですよ』とやんわり注意しました。そしたら、義父は『何回も来てるのに間違えちゃったなあ〜。俺もボケはじめちゃったかあ?(笑)』と、とぼけ始めました」
お金に執着心がある義父母を、家に入れるのが怖い……。そう思い、明美さんは夫に相談しましたが、実の両親を信じ切っている夫には事の深刻さが伝わらず。
「父さんは本当にトイレの場所を間違えただけじゃない? 孫に会えないのは可哀想だし、気になるなら、俺たちが気をつけようよ」という納得できない回答が返ってきただけでした。
「実の親だからって過信しすぎでしょって思いましたが、息子が生まれたばかりの時期に夫婦関係がギクシャクするのは嫌だったので、自分の意見は飲み込みました。ただ、これまでよりも義父母への監視を強化しようと決意しました」
◆義父母の訪問後に母親の形見だった「18金の指輪」がなくなった!
そんなある日、大事件が……。孫に会いに来た義父母を見送った後、自室に入った明美さんは引き出しの中に閉まっていた、母親の形見である18金の指輪がなくなっていることに気づきました。
「その日は生理痛がひどくてあまり動けず、義父母たちを十分に監視できていませんでした。義母は3回ほどトイレに行くと言って席を外したので、その時に盗ったんだと思います」
大事な指輪を取り返すため、警察に行きたい。そう思いましたが、夫は猛反対。「うちの親が盗った証拠なんてないのに決めつけるな!」と大喧嘩になってしまいました。
警察へ行くのは、絶対に許さない。夫から毎日そう言われ続けたため、明美さんはメンタルが折れ、警察へ行くことを断念。この一件で夫婦仲は冷め切り、2人は離婚しました。
◆息子の面会日に義父と再会…ありえない「金銭の要求」にドン引き
離婚後、明美さんは月に2回と決めた息子さんの面会日にのみ、夫と顔を合わせるようになりました。
しかし、離婚から1年ほど経った面会日、嫌な再会が……。約束の面会場所に、なぜか義父もいたのです。
「なぜ……と疑問に思いましたが、もしかしたら、改心して母の形見を返してくれるのかなと一瞬、期待しました」
しかし、義父は挨拶もおざなりに、突然「数日前、うちの愛犬が亡くなったんや」と近況報告。明美さんは結婚前に数回、愛犬と会った程度だったため、「それはご愁傷様です」と一般的な受け答えをしました。
すると、義父は「普通、こういう時は『香典を用意します』だろ!」と激怒。さらに、「次の面会日でいいから、愛犬への香典を用意しろ。死を悼む気持ちは金額で示してくれればいいから」と言ってきたのです。
「本当にビックリしましたし、この人たちは愛犬の死も金儲けに利用するんだなって恐ろしくなりました」
結局、明美さんはこの要求を突っぱねました。「香典を渡さないといけないのなら、息子との面会はさせません」と夫に伝えたところ、親子間で協議がなされ、「香典はいらない」との返答が来たからです。
「そうでも言わないと、親に反論できない元夫もヤバいなと……。早いうちに縁が切れてよかったです」
家族間の窃盗は罪に問えないケースも多いものですが、配偶者や直系血族、同居していない親族による窃盗は被害者が告訴をした場合、処罰の対象になるとされています。
もし、私と似た状況で苦しんでいる人がいるなら、自分を守る戦い方ができるように弁護士などの専門家に相談してほしい。そんな明美さんの声が、当事者に届きますように。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291