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中学校の補助教員採用の際に偽造された教員免許状の写しを提出したとして、福岡県警粕屋署は13日、同県須恵町立須恵中の補助教員、近藤正仁容疑者(66)=同県宇美町=を偽造有印公文書行使容疑で逮捕した。捜査関係者などによると、過去に教員免許を失効した状態で埼玉や群馬の小中学校などでも勤務していたとみられる。同署は教員免許状が偽造された経緯についても捜査している。
逮捕容疑は1月下旬ごろ、偽造された中学校教諭1種の免許状の写しを須恵町役場に提出したとしている。「偽造されたものだと知りながら提出したことは間違いありません。ただ印鑑は偽造していません」と供述しているという。
須恵町教育委員会などによると、同町の補助教員は会計年度任用職員(1年更新)。1人で授業はせず、教員の補助や試験監督などを担当する。制度上、補助教員は教員免許がなくても採用可能だが、同町教委は採用条件で教員免許が必要としていた。ただ、原本は確認せず、写しの提出を求めていた。近藤容疑者は4月に採用され、担任は持たずに数学の授業を補助していたという。
だが、近藤容疑者が9月、ひざをついて掃除をしていた女子生徒に「エロく見える」などと発言したと聞いた保護者が調査し、学校側に「免許を持たないのではないか」と指摘。近藤容疑者があいまいな説明をしたため、町教委が同署に相談していた。
捜査関係者などによると、近藤容疑者は福岡県内の中学教諭だった2005年に児童買春の疑いで逮捕され、有罪判決が確定し教員免許を失効した。その後、再交付を受けたが、道路交通法違反で再び失効。山口や埼玉、群馬など各県で免許失効を隠して教員の仕事をしていたとみられる。
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17年には、失効した免許状に記載された旧姓「古畑」の部分を、養子縁組で改姓した「橋本」に偽造して宮崎県教委などに提出したとして、偽造有印公文書行使などの罪で宮崎地裁で実刑判決を受けた。
教委や学校法人は小中学校や高校での教員採用時、過去に性暴力により教員免許を失効していないかを国のデータベースで確認する義務がある。須恵町教委によると、検索はしたが、該当はなかったという。近藤容疑者の改姓が影響した可能性がある。
今回の逮捕を受け、須恵町教委は「大変遺憾。任用時のチェックが甘かったことが原因で教育現場に大きな不安を与え、心よりおわび申し上げます。チェック体制を見直します」とのコメントを出した。【川畑岳志、平川昌範】
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