警察官が銃撃された現場付近=2023年5月、長野県中野市 長野地裁で14日に開かれた長野4人殺害事件の判決公判。青木政憲被告(34)は坂田正史裁判長から死刑を言い渡されると、1度下を見たものの再び顔を上げるなどし、動揺した様子は見られなかった。
青木被告は、地裁の八つの法廷のうち、最も大きい第1号法廷にグレーの長袖にズボン、白いマスク姿で入廷し、弁護人の隣に座った。約1カ月前に丸刈りだった髪は、やや伸びていた。
午後1時30分すぎに開廷すると、青木被告は坂田裁判長の指示に素直に従って証言台の前に着席した。坂田裁判長が主文を後回しにし、判決理由を読み上げる30分ほどの間、ごそごそと動き、椅子に座り直すこともあった。
閉廷後、声を掛ける弁護人と1度目を合わせたが、その後は、正面や傍聴席の方向を向き、ゆっくり胸で息をしていた。
遺族らは検察官の後ろの席で、判決を見守った。時折ハンカチで涙を拭ったり、目に焼き付けようとするように青木被告をじっと見詰めたりする人もいた。
開廷前には一般傍聴席21席に対し、508人が傍聴券を求めて抽選に並んだ。