
俳人の夏井いつきさんが、15日に行われた「第三十六回 伊藤園 お〜いお茶 新俳句大賞」の授賞式に文部科学大臣賞のプレゼンターとして登壇しました。
【写真を見る】【 夏井いつき 】「俳句の種まき」で偶然の再会に驚き 文部科学大臣賞受賞者の成長を喜ぶ
同賞は伊藤園が世界初の「缶入り煎茶」を、より親しみやすい「お〜いお茶」に名称変更した平成元年(1989)に、お茶を飲むひと時をもっと楽しんでもらいたいという思いから始まった応募総数日本一の創作俳句コンテスト。応募総数は年々増加し、今回の応募総数約185万句の中から、文部科学大臣賞には大阪府高槻市の阿見果凛さん(15)が詠んだ「凍星(いてぼし)や歴史に残らない仕事」。金子兜太賞には岡山県岡山市の矢野啓介さん(45)の「感情の海に一頭くじら飼う」が選ばれました。
夏井さんは、“この選評を語れば私の務めは終わりなのですが、少しだけ脱線させてください”と前置きし、これまで「俳句の種」をまく活動を三十数年コツコツとしてきたことを説明しました。“その活動の流れの中で、私はこのお嬢さん(阿見さん)をよく知っています”と、阿見さん家族が転勤で松山に来た際に、子規博物館で行われた子どもイベントに参加した阿見果凛さんのことを回想。“一番最初に会った時は、こんな(腰の高さを示す身振りをしながら)小さなお嬢ちゃんでした。たまたま転勤先の松山で俳句の面白さに目覚め、一人で句作を始めたのです”と阿見さんが俳句をはじめたきっかけを明かしました。
さらに阿見さんが今年、松山で開催された俳句甲子園に、京都・洛南高校の1年生メンバーとして初出場し、見事準優勝に輝いたことを紹介しました。
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夏井さんは、“私たち審査員はここ(会場)に来るまで誰の作品かもまったく知らずに来ております。私のテーブルの前に阿見ちゃんが座った時は「何しに来たの?」と一瞬思いましたけど、俳句の種をまいておくと、こういう形で成果を一緒に手にできるんだなと、非常に感慨深い思いがします”と、思いがけない再会を喜んでいました。
また、会の冒頭では第2回から34回までの33年間にわたって審査員を務め、先月2日に亡くなった俳優で俳人・エッセイストの吉行和子さんの功績をたたえ、黙祷が捧げられました。
表彰式には夏井さんと共に審査員として参加した浅井愼平さん(写真家)、安西篤さん(俳人)、いとうせいこうさん(作家・クリエイター)、金田一秀穂さん(日本語学者)、神野紗希さん(俳人)、堀田季何さん(俳人・文芸家)、宮部みゆきさん(作家)、アーサー・ビナードさん(詩人)、星野恒彦さん(俳人)も出席しました。
【担当:芸能情報ステーション】