640万円「火事場泥棒」の元警官に執行猶予判決 火災捜査の責任者
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2025年10月16日 09:50 毎日新聞

東京地裁=東京都千代田区で、米田堅持撮影 火災現場の捜査中に見つけた現金計約640万円を盗んだとして、窃盗罪に問われた元警視庁捜査1課警部、政野亮二被告(51)に対し、東京地裁は16日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡した。検察側は「立場を悪用した悪質な犯行」と批判し、弁護側は被告が真摯(しんし)に反省し被害者らに弁済しているとして、執行猶予付きの判決を求めていた。
検察側は公判で、政野被告が放火などの事件性が疑われる捜査を専門的に担う火災犯係の責任者で、事件性がないと確認された現場なら詳しい捜査が入らないと考え、盗みを繰り返していたと指摘した。政野被告は起訴内容を認めて「魔が差してしまった。許されないことをした」と述べ、謝罪した。
起訴状によると、政野被告は2022年10月〜25年1月、火災犯捜査第1係長として東京都内で起きた3件の住宅火災現場に行き、捜査中に見つけた現金計約640万円を盗んだとされる。
一連の事件は、25年1月に政野被告が火災現場にあったポーチから現金1000円を抜き、ポケットに入れるのを一緒にいた消防隊員が目撃したことで発覚した。警視庁は25年7月、起訴された3件を含む8件の盗み(被害額計約900万円)をしたとして政野被告を懲戒免職処分とした。【安達恒太郎】
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