
「東京和晒」のカラフルな手ぬぐいを手にする吉田明世(左)とユージ
◆150年以上の歴史を誇る染色技法「注染」
「JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK(ジャパン トラディショナル クラフツ ウィーク)」は、日本各地で作られる「伝統的工芸品」を東京都内のライフスタイルショップで紹介・販売する14日間のイベントです。創り手と売り手、そして使い手をつなぎ、工芸品の産地を応援してくもので、今年は30の伝統的工芸品と、都内のライフスタイルショップ30店舗の参加が決定しています。
このコーナーでは、参加している伝統的工芸品の中から毎週1つずつピックアップして、その歴史や特徴、作り手の思いなどにフォーカスしていきます。まずは今回紹介する、東京都の伝統的工芸品「東京本染注染」の歴史や特徴について、創業明治22年「東京和晒 (とうきょうわざらし) 株式会社」代表取締役社長の瀧澤一郎(たきざわ・いちろう)さんにお話を伺いました。
注染(ちゅうせん)とは、染料を生地に染める染色技法で、幾重にも重ねた生地の上に染料を注いで染める独自の手法で、「注ぎ染める」工程から名付けられました。その特徴は、生地の裏表両面が均一に染め上がることで、主に浴衣や手ぬぐいの染色に取り入れられ、関東地方で染め上げたものは「東京本染注染」と呼ばれています。特に一枚の型を使い分けながら、何色も染める「差し分け染め」は、世界でも類を見ない染め技法です。
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東京本染注染の最大の特徴は、染料を布に直接注ぐことによって生まれる独特の「にじみ」や「ぼかし」、そして布の両面を均一に染め上げる「両面染め」のやわらかな風合いにあります。
瀧澤さんは「もともと東京で普及していた長板染という浴衣の染め方の代替技術として注染が発達していきました。細かな柄の緻密さと繊細なゆらぎ感こそが「東京本染注染」の浴衣・手ぬぐいの特徴となっております」と語ります。
注目してもらいたい点としては、プリント手法との明確な違い。「プリントは輪郭もはっきりしていて綺麗に染まってはいるのですが、東京本染注染は輪郭が少し曖昧であったり、ぼやけていたり、かすれていたり、そのときの染める場の条件で少しずつ変わってくる味わいのある染め方をしております。毎回の微妙な変化を手ぬぐいを含む製品から感じ取っていただければ、より楽しめるのではないかと思っております」
これを受けて「最初からヴィンテージ加工されているような感じでいいですね!」とユージも興味を示します。
◆「東京本染ストール」と「手ぬぐい」に注目
今年の「ジャパン トラディショナル クラフツ ウィーク 2025」では、「東京本染注染」の製品が、銀座のお煎餅屋さん「MATSUZAKI SHOTEN」(銀座 松崎煎餅 本店)で展示・販売されます。今回は、首に巻く「東京本染ストール」1種類と「手ぬぐい」10種類がラインナップ予定です。
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手ぬぐいは、市松模様やバラ柄、卯の月、猫づくしなど、注染の特徴である差し分け染めやぼかし染めを取り入れたバラエティ豊かな柄に出会えます。
「東京和晒」の手ぬぐいを実際に手にした吉田は、「よく見かけるネイビーっぽいものもあれば、鮮やかなピンク色や黄色とピンクのカラーの組み合わせなんかもあってすごくおしゃれ」と意外な色彩の豊かさに驚きます。一方でユージは「とにかく発色がいい。使い込んでいくうちに、なんかまた違った風合いが出てきそう」と注染ならではの独特な味にも言及していました。
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「ジャパン トラディショナル クラフツ ウィーク2025」の詳細は、公式サイトでご確認ください。
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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
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