マーク・パンサー(55歳)の現在。globe時代の“ギラギラな生活”を卒業し、体重は20kg減…「98歳まで現役で頑張る」

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2025年10月18日 09:01  日刊SPA!

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マーク・パンサーさん
1995年にデビューし、一斉を風靡した3人組音楽ユニット「globe」。小室哲哉がリーダー兼プロデューサーを務め、90年代の音楽シーンを総ナメした伝説的グループだ。そのメンバーのひとり、フランス・マルセイユ出身のアーティスト、マーク・パンサーさん(55歳)。彼は現在、globe時代の“ギラギラ”からかけ離れた生活を送っているという。
BS10で放送中の『マーク・パンサーの地球を感じる!グローブ旅』(以下、グロ旅)の撮影の合間に、本人がインタビューに応じてくれた。

◆「外人」と差別を受けた学生時代

「いまは長野県の北八ヶ岳をはじめ、地方を中心とした3拠点で生活しています。半世紀もの間、ショービジネスの世界に人生を捧げ、人を笑顔にすることだけにコミットしてきました。でも、残りの50年……“後半世紀”は、もっと自分のために生きようかなと思ったんです」

マークさんの芸能界デビューは2歳のころ。物心がつく前からモデルとして活動を始め、16歳で『MEN’S NON-NO』の初代専属モデルに選出された。

「子どものころから“外人”とからかわれ、イジメに遭っていました。70年代のハーフなんて本当に生きづらかったですよ。だから僕は、必ず日本一になって、みんなを見返してやるんだという夢を持って生きていました」

◆“globeのマーク・パンサー”を演じていた

マークさんの転機となったのは、25歳。音楽プロデューサーの小室哲哉さんと、ボーカルのKEIKOさんと3人でglobeを結成し、脚光を浴びる。デビューシングルの「Feel Like dance」でいきなり95万枚のヒットを飛ばし、4thシングルの「DEPARTURES」ではダブルミリオンを達成。歴史に残る大快挙となり、一躍スターダムに上りつめた。

「globeが本当に日本一を取ったときは、KEIKOと抱き合って泣きましたね。いま考えてみると、あの時代はとにかくイケイケでギラギラだったな。そのイメージを守るために、高価なイタリアンカジュアルを着て、ベンツやレンジローバーに乗って、“globeのマーク・パンサー”を演じていました。でも僕、本当は古着やアンティークカーが好きだったんですよ。当時は都心のタワマンに住んでいたけれど、ずっと大自然の中での暮らしに憧れがあったしね」

◆経営していた店がコロナで全滅。大きな転機に

音楽活動と並行しながら、飲食店やアパレルショップなどを経営。実業家としても成功を収め、globeの活動が縮小してもなお“ギラギラ”な日々が続いていた。

しかし、マークさんが50歳を迎えた2020年。新型コロナの蔓延により、その生活が一変する。

「僕の作ったお店が、全部コロナでダメになってしまったんです。しかも僕、それまでずっと五つ星のレストランで食事をして、シャンパンを飲んで、ラーメンやジャンクフードも好きなだけ食べて……みたいな生活をしていたので。コロナでジムに行けなくなり、体重が82〜83kgまで増えちゃったんです。

自分は2歳から芸能活動を始めたので、98歳までは現役で頑張り、100歳までの残り2年間をゆっくり過ごせたらちょうどいいと考えていました。でも、こんな暮らしを続けていたら、98歳まで現役なんて絶対に無理だろうと思ったんです。それで火がつき、東京から少し離れた土地で、健康的な生活を始めました」

身体の調子をととのえるため、野菜中心の食生活と、毎日の運動を心がけるようになったマークさん。体重はみるみるうちに減少し、あっという間に60kg台のスリムな体型を取り戻した。

◆「冗談で言った企画」が採用されてしまい…

現在はSNSで健康生活情報の発信をおこなうほか、健康旅を訴求する旅番組でメインMCを担当するなど、健康的なライフスタイルにこだわりを見せている。

「僕がいま撮影している、BS10の『グロ旅』という旅番組。この番組は、もともと僕からの持ち込み企画だったんですよ。話題のスポットをなんとなく巡るのではなく、自然の恵みや身体によい食事など、健康と安らぎの旅を楽しむ番組です」

そんなグロ旅では、とあるシーンに注目が集まっているらしく。

「実は、番組内に女性出演者さんと温泉に入るシーンがあって……。これは僕が企画段階のときに冗談で言ったことだったのですが、まさか本当に採用されるとは(笑)。でも、この番組を見てくれている人は結構いるみたいで、街でも『また美女と温泉に入ってたな、マーク!』と声をかけられることがあります(笑)」

◆「もう2025年だぜ」外国人差別に対する思い

今年10月から、久々に俳優活動も再開。現在BS-TBSで放送中のドラマ「御社の乱れ正します!2」にて、バーのマスター役を好演している。

「今回のドラマで、初めてハーフの役をもらいました。今まで演技をやるときは、必ず外国人の役を求められてきたんです。でも最近は、日本でもいたるところでハーフの人と出会うようになりました。そういう日常の中にいるハーフの役を、ハーフである僕が演じられるのは嬉しいし、今後もぜひやらせてもらいたいと思っています」

多様なルーツを持つ人が増えた現代。それでも、いまだに“ハーフ”や“外国人”への風当たりは強い。

「僕は父ちゃんがフランス人で、母ちゃんが日本人という、たったそれだけのことでイジメに遭いました。何十年経ったいまでも、宗教や肌の色が違うというだけで、ハーフや外国人への差別や揉め事が起きています。おいおい、もう2025年だぜ、と。そんなものは早く克服して、地球規模で仲良くしたほうがいいんじゃないの? と、思わざるを得ません」

◆一曲が水より安い時代…今と昔の音楽業界の違い

さまざまな障壁を乗り越えながら、50年以上芸能界を走り続けてきたマークさん。そんな彼は現在、大阪芸術大学の客員教授として、学生たちに音楽を教えている。

「僕たちの時代は、プロダクションやレコード会社があって、小室さんみたいなプロデューサーがいて、何億円もするような機材で音楽制作をしていました。でも、最近はPCひとつで音が作れて、YouTubeやSNSを使って自分を売り込むことができますよね。一方で、僕らのころは1枚1000円から2500円くらいのCDを、数百万枚売ってお金にしていた。

だけど、いまは1曲が水より安い。こういう時代の中、どうしたら目立つ音楽づくりができるのか。そういったことを、僕が持つデータを使って学生さんたちに教えています。globe時代は、まさか自分が教育に携わることになるとは思っていませんでした。昔から、警察と先生だけには絶対ならない! と思い続けてきたので(笑)」

そんなマークさんのいまのモットーは「I LOVE ME」だという。

「誰かのためじゃなく、自分が笑顔になるために、やりたい仕事を選ぶ。それでみんなも一緒に笑顔になってくれたら、それが一番幸せです。僕は、ハーフで白髪のジジイの、いまの僕が好き。残りの人生は『I LOVE ME』を大事に生きていきたいですね」

<取材・文/渡辺ありさ>

【渡辺ありさ】
1994年生まれ。フリーランスライター兼タレント。ミス東スポ2022グランプリ受賞。東京スポーツ、週刊プレイボーイ、MEN'S NON-NO WEB、bizSPA!フレッシュなどで執筆。隔月刊漫画雑誌「グランドジャンプめちゃ」にて連載中の漫画「スワイプ」の原作も務める

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