なにわ男子・長尾謙杜×山田杏奈が約3年ぶりに共演! お互いの芝居の魅力を語る【映画『恋に至る病』対談】

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2025年10月18日 09:10  クランクイン!

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(左から)長尾謙杜、山田杏奈  クランクイン! 写真:高野広美
 なにわ男子・長尾謙杜と山田杏奈がダブル主演する映画『恋に至る病』が、10月24日に公開。SNSを中心に大きな反響を呼んだ斜線堂有紀による同名小説(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)を廣木隆一監督が実写化した、サスペンスフルかつ繊細なラブストーリー。本作で長尾は内気な男子高校生・宮嶺望、山田はクラスのカリスマ的存在の少女・寄河景を演じた。10代の純粋さとそれゆえの危うさが入り混じる物語は、ラブストーリーの中でも他と一線を画す仕上がりとなっている。そんな本作の魅力や撮影秘話、自身の学生時代や心酔したものなどについて、2人が語ってくれた。

【写真】優しいまなざしを傾ける長尾謙杜の撮り下ろしソロカット

■長尾「宮嶺みたいに信じると決めたら最後まで信じ続けるかもしれない」 山田「景のような謎めいた人は魅力的。でも私自身はあまり隠せないかも」

――お二人の主演が発表される前に、声だけのシークレットティザー映像が公開されましたが、SNSなどの反響はご覧になっていましたか?

長尾:皆さん、僕だと予想していたり、ファンの方も反応したりしていたので「(声だけでも)分かるんだなぁ」と思いました。すごくうれしかったです。情報が解禁されたら、「合ってたー!」と答え合わせをしてくれている方もいたので、かわいいなと思いました。

山田:キャスト発表よりも一足早く皆さんをザワザワさせられたのは快感でした(笑)。

――周囲の皆さんの反応はいかがでしたか?

長尾:なにわ男子のメンバーはみんな、「普通のラブストーリーではなさそうやな」みたいな感じで楽しみにしてくれていました。

山田:私も、友達が「主演、やるんだね」と声をかけてくれました。

――お二人は、2022年の映画『HOMESTAY(ホームステイ)』以来、2度目の共演となりますが、今回ご一緒されて当時と印象が変わった部分はありましたか?

長尾:いい意味で山田さんの雰囲気や持っているオーラみたいなものは、あまり変わってないかなと感じました。落ち着いているという印象はずっとあります。

山田:私もいい意味で長尾さんの印象は変わらないです。お会いしたらすぐ当時の空気感が戻ってくるような居心地のよさがありました。


――本作で長尾さんは転校生の宮嶺、山田さんは宮嶺の近所に住むクラスメートの景を演じますが、ご自身の役を演じる際に意識したことは?

長尾:宮嶺はすごく“普通”の少年なのかなと思います。クラスの中でも目立たないし、ゲームでいうと初期装備の主人公のように感じたので、あまり自分でキャラクターに色を付けることはしませんでした。ただ、どこか不思議な空気をまとっていて、「何か、この子持ってるのかな?」と目を引く人物だと思うんです。だから、彼のそういう部分はどうやったら出るんだろうなと考えながら演じました。

山田:景は宮嶺とは対照的で、クラスの中で注目を集めるような人物だったので、カリスマ性はどうしたら出せるのかとずっと試行錯誤していました。クラスメートといる時は、声の抑揚だったり、ちょっと芝居がかってたりしているところがあってもいいのかなと思っていましたし、逆に宮嶺といる時は「あなたにしか見せていない顔ですよ」というお芝居をしてみました。そうした演技の違いで、彼女の人物像が立体的になっていくかなと思って演じていました。

――宮嶺も、景といる時とそうじゃない時の違いはありましたか?

長尾:そうですね。景と出会ってからどんどん彼女との関係も変わっていくし、宮嶺もまた景にしか見せてない姿があったと思います。他のクラスメートに見せる顔との違いを意識しました。

――宮嶺は繊細なキャラクターでしたが、ご自身と似ていましたか? それとも全く違いましたか?

長尾:繊細に見えないですか? 僕、繊細な部分もありますよ(笑)。でもお芝居だと経験したことがないことも演じたりするので、僕が宮嶺ならこう考えるなと思って演じました。

――宮嶺に共感できる部分はありますか?

長尾:宮嶺みたいに信じると決めたら最後まで信じ続けるかもしれないです。それが一途でピュアだからこそだとしたら、僕も好きなものに対しては一途なので、そこは共感できるかなと思います。

――景は秘密を持っていて、自分を全部は見せず隠しておきたい謎めいたところがある少女でしたが、山田さんは景をどう感じていましたか?

山田:たしかに、そういう人は魅力的だなと思ってしまいます。

長尾:じゃあ隠そう、僕も。めっちゃ秘密作ります(笑)。

山田:(笑)。謎めいた人は魅力的だなと思いますけど、私自身はあまり隠せないタイプかもしれないです(笑)。


■別バージョンもあった? 自転車シーンの撮影秘話を明かす!


――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

山田:作風もあってか、落ち着いた良い雰囲気で撮影していました。

長尾:(同事務所のAmBitious)真弓孟之と、初めてちゃんと話せました。めっちゃいい子だなと思ったし、優しくて周りのスタッフさんにも気を遣えるし、孟之と話していることが多かったかもしれないです。何かずっと話しかけちゃう、孟之には(笑)。醍醐虎汰朗くんとも、「休みの日は何してるんですか?」とか、いろいろ話をしていました。

――演じていて、お互いに刺激を受けた演技はありましたか?

山田:宮嶺の取調室のシーンに私はいなかったので、どうなってるんだろうと思っていたんですけど、映像で見た時に、すごく憔悴しきってる宮嶺がそこにいたんです。現場でパッと周りを明るくしてくれる長尾さんの姿を見ていたので、いろいろなことを経ての宮嶺のあの表情は素晴らしいなと思って見ていました。

長尾:本当にいろいろなシーンがありますけど、景がスピーチをするシーンは引き込まれました。雰囲気も感じますし、やっぱり目がすごくステキだなって思います。どのシーンもそうだけど、景に引き込まれるような感じがしますね。宮嶺の部屋で蝶々を見るシーンの太陽の当たり方とか…もう、優勝してるじゃないですか(笑)。

山田:照明さんのおかげです(笑)。

長尾:でも、醍醐くんが演じる根津原を見つめたり、笑ったりしている時もそうだけど、目がステキだなと思います。

――山田さんは目のお芝居は常に意識されていますか?

山田:そうやって言ってもらえることが多いので意識するようにはなったんですけど、芝居中はそんなに、「よし、ここは目力だ!」と思ってやっているわけではないです(笑)。ただ表情に気持ちが出るっていうことはあると思うので、今後も大事な手段の一つとして使いたいなと思っています。

――山田さんが長尾さんの芝居でステキだと思うところは?

山田:声がいいですよね。

長尾:あんまり言われたことない(笑)。

山田:何ていうんだろう…切ない声をしている。今回、宮嶺という役だったからというのも、きっとあったと思うんですけど…。

長尾:聞きました? 切ない声ですって(笑)。普段のリアクションの時とは、また別ですから(笑)。

――(笑)。

山田:振り絞るようなセリフの出し方が、宮嶺の役にとても合っていてうらやましいなと思っていました。

――廣木監督の演出で印象に残っていることは?

長尾:監督は本当に自由にというか…僕たちが考えるままに演じさせていただけたのかなと思います。僕としてはやりやすかったです。

山田:宮嶺が(モノレールと並走して)自転車で走っている姿を景がモノレールの中から見ているシーンで、小さく「頑張れ」と言っているんですけど、あれはセリフが台本にあったわけじゃなくて、その場で監督が「ちょっと言ってみようか」とおっしゃったんです。ちょっとした音で景の思いをどれだけ見せられるかという演出をしていただいて、「なるほどなぁ」と腑に落ちる部分がありました。そんなふうにすごく楽しくやらせてもらっていました。


――本作では、自転車や屋上のシーンなどを引きや長回しで撮っているのが印象的でした。

長尾:本当にそうですね。1カットとかで終わったりするので、びっくりした時もありました。

山田:長回しって言われると、ちょっとワクワクするんです。この1回にみんなが懸けてるんだという気持ちになります。長回しのシーンでいうと、私は宮嶺と景が自転車でずっと並走していくところが印象に残っています。

長尾:(並走していたのに)一旦離れるやつね! 「離れるんかーい!」って、僕も思った(笑)。それで、また近づいてくるみたいな(笑)。

山田:うん(笑)。

長尾:あの時の空気感はこの2人だからこそというのもあるし、廣木監督だからこそ…なのかもしれない。

山田:楽しかったね。

長尾:楽しかった。あのシーン、2人が大声で話しているバージョンもあるんですよ(笑)。

山田:そうそう、やったよね!(笑)


■学生時代はどんな生徒? 2人が心酔したものも明かす


――本作では、学生たちがピュアな気持ちでどんどん心が動かされていく姿が印象的だったのですが、そんなふうにお二人が心を動かされて心酔したもの、好きだったものはありますか?

山田:私は、海外ドラマが好きなんですけど、結構いろいろな作品に心酔しています。1位は決められないので、新しいシーズンが出るたびに、シーズン1から全部見返すことをやっています。

長尾:見返すの、偉いなぁ。僕は「こうだったよなぁ」って予想しながら観る(笑)。

山田:(笑)。時間が空くと物語を忘れちゃってるんですよね。全部はできないんですけど、好きな作品は見返します。

長尾:僕は…今はあまり追えてないけど、アニメの『ONE PIECE』が好きなんです。それと、収集癖があるんです。フィギュアやスニーカーも集めたりしますし。フィギュアは実家に全部置いてるんですけど、200体くらいあったんじゃないかな。

山田:えー!(驚)

長尾:UFOキャッチャーで取ったフィギュアを家に飾ってました。僕、UFOキャッチャーでフィギュアを取るの、めっちゃ上手いんですよ(笑)。毎シーズン『ONE PIECE』の新しいフィギュアが出て、いっぱい入れ替わるんです。欲しいキャラだったらUFOキャッチャーで取るということを学生の頃にやっていました。


――そんな学生時代に、お二人はどんな生徒でしたか?

長尾:宮嶺でした、僕(笑)。ちょっとは違うかもしれないけど、明るいほうではあったと思います。学校はすごく好きでした。当時から芸能の仕事もやっていたので、学校に行けない日もありましたけど、できるだけ行ってました。学校で友達と遊ぶのが好きだったんです。

山田:私は、中学時代は“お利口さん”だったんですが、高校で女子校になってからは、「もういいや」となってしまって(笑)、友人とリラックスしながら過ごしてました。キャーキャー言うタイプというよりは、どちらかというと一歩引いて周りを見ていて、たまにクラスの輪に加わるくらいでした。

――20代になった今、10代の学生役を演じてみて感じることは?

長尾:「何か10代の時ってこういうことあったよな」という、懐かしい気持ちになります。教室や学校の机とか、「リュック、背負ってたなぁ」とか思い出したりします。

山田:また違うアプローチで、学生の自分を作っていく面白さがあるなと思います。

――改めて、お二人が思う本作のポイントは?

長尾:皆さん、いろいろなラブストーリーをご覧になっていると思いますが、この作品は本当に観たことのないようなラブストーリーになっているんじゃないかなと思います。ちょっと刺激的なところが欲しいという方には、すごくおススメしたいです。

山田:いろいろな要素があるので、ラブストーリー好きの方にもちょっと違った角度から楽しめると思います。学校ではないところで巻き起こる事件や、宮嶺と景の二人だけの世界みたいなところも楽しんでもらえる作品だと思います。

(取材・文:齊藤恵 写真:高野広美)

 映画『恋に至る病』は、10月24日より全国公開。
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