木村拓哉(52)が20日、山田洋次監督(94)の新作映画「TOKYOタクシー」(11月21日公開)本編にも東京の名所として出てくる東京タワーで、自ら運転するタクシーに倍賞千恵子(84)を乗せて登場した。
「TOKYOタクシー」は、24年に日本アカデミー賞外国作品賞を受賞した22年のフランス映画「パリタクシー」(クリスチャン・カリオン監督)が原作。さえない日々を送る個人タクシー運転手が偶然、乗せた人生の終活に向かうマダムとの出会い、1日、旅をする姿を描いた。木村は個人タクシー運転手の宇佐美浩二、倍賞は85歳の高野すみれを演じた。
この日は「タクシーセレモニー」と題し、撮影で実際に使用し、劇中で旅をした「宇佐美タクシー」に乗って、黒のスーツを着た木村がさっそうと登場。倍賞をエスコートし、手をつないでピンクカーペットのど真ん中に立った。両サイドを埋め尽くした女性のファンからは黄色い歓声が巻き起こった。
倍賞は、木村の運転について聞かれ「安心しておりました。すごく真面目な方なので『前からかな、後ろからかな』と…。運転が、お上手なので安心して乗っておりました。素晴らしい運転で」と絶賛した。木村は、2月から4月まで東京近郊で行われた撮影以来の運転だと明かし「懐かしいなと。劇中は(倍賞が)後部座席でお座りになる。助手席に乗っていただくのは雰囲気が違う。皆さまの前に出ることができて、うれしかったです」と笑みを浮かべた。
その上で、木村は「(蒼井)優ちゃんからは『できるならバックでお願いします』と言われましたが、ぶっつけ本番なので、前から…」と、倍賞が演じたすみれの若き日を演じた蒼井優(40)から、この日の運転を前にツッコミが入ったと明かした。
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倍賞と木村の共演は、2004年(平16)のスタジオジブリのアニメ映画「ハウルの動く城」以来21年ぶり。山田組への参加は、倍賞は19年「男はつらいよ お帰り 寅さん」以来6年ぶり、木村は06年の主演映画「武士の一分」以来19年ぶりとなる。倍賞は「『ハウル』の時は、それぞれの仕事で、なかなか一緒にやてなかった。『1日くらい、アフレコ、一緒にさせてください』と言って、させてもらったけれど、あまりお話ししなかった。今回は木村君と毎日、毎日、せりふをやりとりして満足した。本当に真面目な方だと初めて知った。今日も『何か1つ、ぶちかまそう』とか、常に頭の中で考えている、優しいから」と木村との共演を改めて喜んだ。
木村は「それこそ、幼少の時から自分が見る側だった方。山田組の現場でお会いする倍賞さんというのは、ご本人を横にしていうのは、あれかもしれないですけど、山田組で毎日、作業させていただく…格別な思いをさせていただきました」と山田組での共演は格別だったと強調。倍賞は「そう、しっかり言われると困るな」と照れた。
この日は、若き日のすみれの夫・小川毅役の迫田孝也(48)、浩二の妻薫役の優香(45)クラリネットが得意な宇佐美家の1人娘奈菜役の中島瑠菜(19)と山田洋次監督(94)も出席した。
「TOKYOタクシー」は、27日に開幕する第38回東京国際映画祭のセンターピース作品に決定している。センターピース作品とは、37回を迎える前回の同映画祭で初めて設けられた。オープニング作品、クロージング作品と並ぶ目玉作品として映画祭の中盤を盛り上げる大作を上映し、24年は最初の作品として米映画「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」(リドリー・スコット監督)が選ばれた。
◆「TOKYOタクシー」 タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、ある日、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を、東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることに。すみれが浩二に「東京の見納めに寄りたい場所がある」と願い出たことから、2人で彼女の思い出の地を巡ることに。会話を交わし打ち解け、次第に心を許していく中で、すみれは自らの壮絶な過去を語り始める。たった1日の旅が2人の人生に想像もしなかった“奇跡”をもたらしていく。撮影は2月から4月まで東京近郊で行われ、倍賞が諏訪さくらを演じた山田監督の代表作「男はつらいよ」シリーズの舞台・柴又でも行われた。
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