木村拓哉、山田洋次監督の激怒明かす「TOKYOタクシー」撮影で最新の技術が…「背筋がピンと」

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2025年10月20日 14:54  日刊スポーツ

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タクシーセレモニーに自身の運転で登場した木村拓哉(右)は倍賞千恵子をエスコートする(撮影・足立雅史)

木村拓哉(52)が20日、山田洋次監督(94)の新作映画「TOKYOタクシー」(11月21日公開)本編にも東京の名所として出てくる東京タワーで、自ら運転するタクシーに倍賞千恵子(84)を乗せて登場した。


「タクシーセレモニー」と題したイベントのトークの中で、木村は、山田洋次監督(94)が「僕はテクノロジーじゃなく、芝居を撮りに来ているんだ!」と激怒したと告白。「倍賞さんと背筋がピンと伸びた」と明かし、会場を沸かせた。


「TOKYOタクシー」は、24年に日本アカデミー賞外国作品賞を受賞した22年のフランス映画「パリタクシー」(クリスチャン・カリオン監督)が原作。さえない日々を送る個人タクシー運転手が偶然、乗せた人生の終活に向かうマダムとの出会い、1日、旅をする姿を描いた。木村は個人タクシー運転手の宇佐美浩二、倍賞は85歳の高野すみれを演じた。


製作と撮影についてのトークの中で、山田監督は「僕の書いた脚本のせりふをしゃべり、演技をする…見ているだけで、良い気持ちになっちゃうのよね。いろいろ、あるけれど…いつも楽しみにして見ていました」と、倍賞と木村の芝居を交わす様子を、昨日のことのように振り返り、笑みを浮かべた。「昔から映画界で言われているんだけど、良い脚本ができて、気に入ったキャスティングができたら8割成功と言われる。脚本は僕なりによくできた。すてきな俳優さんがそろった時点で、かなりうまくいくと自分に言い聞かせていた」とも語った。


撮影は2月から4月まで東京近郊で行われ、倍賞が諏訪さくらを演じた山田監督の代表作「男はつらいよ」シリーズの舞台・柴又でも行われた。これまでの山田組との違いは? と聞かれ、倍賞は「年を重ねてきてはいるけど、変わらない。山田さんが、バイタリティーがあった。ご飯もよく食べ、NGも、たくさんいただいたし。山田さんは、もっと、もっとと考えている。富士山よりもすてきな山登りが、スタッフと一緒にできるんだと、ひしひしと感じた」とかみしめるように語った。


木村は「テクノロジーも撮影の手段で使わせていただいた。プログラムに時間がかかったり…でも監督は早く撮りたいと」と、最新の撮影技術を駆使したものの、うまくいかず、撮影がとどこおった場面もあったと説明。その上で「監督のエンジンが暖まって『行こう、行こう』と言って『僕はテクノロジーじゃなく、芝居を撮りにに来ているんだ!』と言葉をいただいた。聞いた瞬間、倍賞さんと背筋がピンと伸びた」と山田監督の激怒を明かした。


山田監督が「そんなこと、言ったかなぁ?」と笑うと、すかさず倍賞が「言いましたよ。(木村と)ハイタッチした。(山田監督が)元気で、元気で…」と笑いながら返すと、同監督は「そうでしたか」と照れ笑いを浮かべた。


この日は、若き日のすみれの夫・小川毅役の迫田孝也(48)浩二の妻薫役の優香(45)クラリネットが得意な宇佐美家の1人娘奈菜役の中島瑠菜(19)と山田洋次監督(94)も出席した。


「TOKYOタクシー」は、27日に開幕する第38回東京国際映画祭のセンターピース作品に決定している。センターピース作品とは、37回を迎える前回の同映画祭で初めて設けられた。オープニング作品、クロージング作品と並ぶ目玉作品として映画祭の中盤を盛り上げる大作を上映し、24年は最初の作品として米映画「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」(リドリー・スコット監督)が選ばれた。


◆「TOKYOタクシー」 タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、ある日、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を、東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることに。すみれが浩二に「東京の見納めに寄りたい場所がある」と願い出たことから、2人で彼女の思い出の地を巡ることに。会話を交わし打ち解け、次第に心を許していく中で、すみれは自らの壮絶な過去を語り始める。たった1日の旅が2人の人生に想像もしなかった“奇跡”をもたらしていく。倍賞と木村の共演は、2004年(平16)のスタジオジブリのアニメ映画「ハウルの動く城」以来21年ぶり。山田組への参加は、倍賞は19年「男はつらいよ お帰り 寅さん」以来6年ぶり、木村は06年の主演映画「武士の一分」以来19年ぶりとなる。

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