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木村拓哉(52)が20日、山田洋次監督(94)の新作映画「TOKYOタクシー」(11月21日公開)本編にも東京の名所として出てくる東京タワーに、自ら運転するタクシーに倍賞千恵子(84)を乗せて登場した。劇中で倍賞が演じるマダムの若き日を演じた蒼井優(40)は、18年の「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ三」以来、7年ぶりの山田洋次監督(94)作品への参加。「撮影が終わるのが本当に寂しくて…この映画でセルフリメークしたい」と、山田組と作品への愛を訴えた。
「TOKYOタクシー」は、24年に日本アカデミー賞外国作品賞を受賞した22年のフランス映画「パリタクシー」(クリスチャン・カリオン監督)が原作。さえない日々を送る個人タクシー運転手が偶然、乗せた人生の終活に向かうマダムとの出会い、1日、旅をする姿を描いた。木村は個人タクシー運転手の宇佐美浩二、倍賞は85歳の高野すみれ、蒼井は若かりし日のすみれを演じた。
蒼井は、10年「おとうと」で、山田組に初参加した。それから15年。「今までは、緊張の方が前に出てしまって、これで良かったのか、と1こ、殻を破り切ろう、というのは、よく考えていた。先輩方の胸を借りて、とにかく楽しんでやりたい目標が自分にはあった。とにかく楽しんでいた」と撮影を振り返った。
2人1役を演じた倍賞とは09年「ホノカアボーイ」(真田敦監督)以来、16年ぶりの共演となった。「私、まだ10代のころかな」と口にすると、倍賞は「一緒の作品だけど共演シーンはなかった。今回は一緒だと思ったけれど、会わなかった。若い頃を思い切り演じ、安心した」と口にした。蒼井は「どう演じても倍賞さんが待っていてくださる。思い切り演じることができた」と笑みを浮かべた。
若き日のすみれの夫・小川毅役の迫田孝也(48)は、夫婦を演じた蒼井とは初共演だった。「態度が豹変(ひょうへん)していく夫を演じました」と自身の役どころを評し「役の上では昭和の男、ちょっとバイオレンスの入りながらの役。迫田孝也としては、尻に敷かれながら甘えきっていた」と蒼井との共演を振り返った。
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この日は「タクシーセレモニー」と題して開催。浩二の妻薫役の優香(45)クラリネットが得意な宇佐美家の1人娘奈菜役の中島瑠菜(19)と山田洋次監督(94)も出席した。
「TOKYOタクシー」は、27日に開幕する第38回東京国際映画祭のセンターピース作品に決定している。センターピース作品とは、37回を迎える前回の同映画祭で初めて設けられた。オープニング作品、クロージング作品と並ぶ目玉作品として映画祭の中盤を盛り上げる大作を上映し、24年は最初の作品として米映画「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」(リドリー・スコット監督)が選ばれた。
◆「TOKYOタクシー」 タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、ある日、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を、東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることに。すみれが浩二に「東京の見納めに寄りたい場所がある」と願い出たことから、2人で彼女の思い出の地を巡ることに。会話を交わし打ち解け、次第に心を許していく中で、すみれは自らの壮絶な過去を語り始める。たった1日の旅が2人の人生に想像もしなかった“奇跡”をもたらしていく。撮影は2月から4月まで東京近郊で行われ、倍賞が諏訪さくらを演じた山田監督の代表作「男はつらいよ」シリーズの舞台・柴又でも行われた。
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