2025年FIA F2第11戦モンツァ スプリントレース 2位に入賞したアービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング) レッドブルの育成ドライバーであるアービッド・リンドブラッドは、F1へと向かう高速コースの旅路のなかでまた大きな一歩を踏み出そうとしている。高く評価されているこのティーンエイジャーは、F1第20戦メキシコシティGPの金曜日に、レッドブル・レーシングからフリー走行1回目に出場する予定だ。リンドブラッドのFP1出場は、これが2回目となる。
カンポス・レーシングからFIA F2に参戦中のリンドブラッドは、アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスでのFP1でマックス・フェルスタッペンのマシンをドライブし、第12戦イギリスGPに続きレッドブルで得た走行距離をさらに増やすことになる。
この走行は、シーズン中に各F1チームがマシン1台につき2回のFP1セッションをルーキードライバーに担当させるという、義務的要件の一部だ。フェルスタッペンはFP1を欠場しても、週末に大きな影響はないだろう。フェルスタッペンにとってメキシコシティGPは、9回の出走で5勝を飾った最も得意とするサーキットのひとつだ。一方でリンドブラッドにとっては、トップレベルで走行経験を獲得する貴重な機会となる。そしてレッドブルにとって、これは標高の高く難しい環境にあるサーキットにおいて、18歳のドライバーの適応力と冷静さを継続的に評価する機会だ。
■F1スーパーライセンスは取得済み。2026年の候補に上がるリンドブラッド
リンドブラッドの目覚ましい成長は、レッドブル・ジュニア・プログラムの最大のテーマのひとつとなっている。マカオGPウイナーでもあるリンドブラッドは、現在F2でのルーキーシーズンを戦っており、ランキング7位につけている。この順位は目を引くものではないかもしれないが、レッドブルの内部関係者は、チームの経験やコースへの慣れ具合の変化を考慮すると、F2の序列は実際のパフォーマンスの差を完全に反映していないと考えている。
リンドブラッドは昨年冬にフォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権を制覇するなど、これまでに一定の成績を残しており、すでにF1のスーパーライセンスを取得しているため、2026年に向けてレッドブルかレーシングブルズからオファーがあればF1に昇格する資格がある。レッドブルがジュニアチームのラインアップを再編するなかで、この若きイギリス人の名前は、来シーズンのレーシングブルズのシートの最有力候補として引き続き取り沙汰されている。
今週末のFP1では、同じくレッドブル傘下の若手である岩佐歩夢がレーシングブルズでリアム・ローソンのマシンを走らせるものと予想されており、レッドブルの育成プログラムでは次世代ドライバーの準備が全力で進められている。
今のところ、リンドブラッドの焦点は明確だ。それは、フェルスタッペンのマシンでのチャンスを最大限に活かし、彼のF1への野望が「実現するかどうか」の問題ではなく「いつ実現するか」の問題であることを証明することだ。
[オートスポーツweb 2025年10月21日]