
【写真】永瀬正敏、衝撃の90歳メイク
本作は、江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の娘であり弟子でもあった葛飾応為の、豪胆で自由、そして絵に真っ直ぐに生きた姿を描く。美人画は北斎を凌ぐと評され、数少ない女性絵師として江戸の男社会を駆け抜けた先駆的な存在である応為を、長澤まさみが熱演する。応為の父・北斎を演じたのは、名匠たちと数多くの作品を生み出し、国内外で数々の映画賞を獲得してきた永瀬正敏。脚本・監督は大森立嗣が務めた。
この度、永瀬が50代から90歳までの葛飾北斎を演じ分ける姿を捉えた場面写真4点、自ら撮影したメイキング写真12点を一挙解禁。見た目、心境、そして共演者との絆を総動員して完成させた渾身の役作りの全貌が切り取られている。
永瀬は、北斎を演じるにあたり「40年間の変化をできるだけリアルに見せたい」と自ら提案。監督やメイク、衣装スタッフと徹底的に話し合い、50代は髪を薄く見せる加工から始まり、その後は剃髪し部分カツラの長さを調整するなど、段階的に外見を変化させていった。
そして当時「年齢を重ねる役は、やりすぎると嘘になる。ある大監督に『年を取るほど、俺はまだ大丈夫と元気に見せようとするものだ』と教わったことがあって、それを意識した」と明かす。外見は小さくしぼんでいく一方、口調や動きは衰えすぎないように保ち、芝居のさじ加減に苦心した。
|
|
永瀬はさらに、クランクインから2〜3週間で8kgを落とすという過酷な減量にも挑戦。当時を振り返り、「北斎という日本を代表する絵師を演じられたことは幸せだった。クランクアップしたくなかったほど愛おしい現場。応為や善次郎たちと過ごす空間、絵を描く行為そのものも含めて、とても温かく、愛おしい時間だった」と充実感をにじませた。
メイキング写真は、永瀬が自ら撮影したもの。北斎の生を追うように捉えた京都の撮影所での光景や富士を望む小屋、愛犬サクラとの静かな時間など、一枚一枚に、北斎を生きた永瀬のまなざしが刻まれている。
大森監督は「毎回、翌日や翌々日のシーンごとに細かな髪型や見た目を確認した。永瀬さんの楽屋に行くと緊張するのですが、それ以上に映画を愛している空気にこちらも飲まれた」と振り返り、「世界で活躍し、日本映画を牽引する俳優としてのストーリー性とは関係なく、永瀬正敏という俳優そのものの凄まじさ、底力を感じた」と賛辞を贈っている。
映画『おーい、応為』は公開中。
|
|