パルクフェルメにてチーム集合
毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。今回は10月4〜5日に開催された第6戦岡山です。
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ロードレースファンの皆様、秋が深まっていますがいかがお過ごしでしょうか?MotoGP日本GPの興奮冷めやらぬ内に、全日本ロード岡山ラウンドを迎えた筆者です。
JSB1000のチャンピオンは中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、J-GP3のチャンピオンは尾野弘樹選手(P.MU 7C GALESPEED)に決まったラウンドとなりましたが、いつものごとくレース内容は編集部にお任せし、私の視点でお届けします。
では、いきましょう、カメラマンから見た全日本ロード岡山ラウンド!
岡山国際サーキットでの全日本ロードは、秋の良い光の時期に開催され、毎年楽しみにしているラウンドのひとつでしたが、このウイークは残念ながら雨模様。
金・土曜日は写真のような状況でした。このような環境で撮影していると、やはり山奥なんだなぁと、街中にある鈴鹿サーキットとは立地が異なるのを再認識します。
雨の撮影は本当に久しぶりです(オートポリスは『霧』でした……)。過去の写真を見返すと、雨は2023年10月開催のMotoGP日本GP以来でした(全日本ロードでは2023年5月開催のSUGOラウンド以来)。秋の光を堪能できず、残念ではありますが、雨を生かした撮影に頭を切り替えます。
ドライでは現れない雨のしぶきを利用してみたり……
選手の真剣なまなざしを狙ったりします。晴れるとほとんどの選手がスモーク系のスクリーンを使用しますが、雨になるとクリアスクリーンに替えるため、スクリーン越しに選手の目が見えます。ドライ時の走行写真は機械的な感じがしますが、目が見えるだけでぐっと人間味が現れてくると思いませんか?
日曜日は打って変わって晴れ間が見え、日焼け止めを持ってこなかった筆者はこんがり焼けました……
さて、今回取り上げるのは、タイトルから薄々分かるのではないかと思いますが、上記の写真に写っているこの選手。
改めての紹介は不要だと思いますが、長島哲太選手です。様々なマシンを乗りこなし、どこに行っても大人気。チーム監督まで行う多忙な選手です。
昨シーズン、タイヤについてインタビューした回のブログを覚えていますか?(https://www.as-web.jp/bike/1081463)
ダンロップタイヤの開発を担当し、3年計画でJSB1000の王座獲得を目指しています。
岡山ラウンドは中須賀克行選手のチャンピオン獲得で少し影が薄くなってしまいましたが、JSB1000初表彰台!そしてダンロップタイヤでは数年ぶりの表彰台獲得です。
余談ですが、筆者はJSB1000の表彰台でダンロップキャップを見るのは初めてになります。
レース終盤までは激しい2位争いを繰り広げていましたが、ここは野左根航汰選手(Astemo Pro Honda SI Racing)に軍配が上がり、惜しくも3位。しかしながら、挑戦2年目にしての表彰台獲得は見事です!
昨年のインタビュー以来、心の中で応援していたため、非常に感慨深いです。
ちなみに……長島哲太選手と野左根航汰選手のブーツに注目してみると???(https://www.as-web.jp/bike/1260699)
目には熱いものが???
2026年シーズンは3年計画の最終年度になり、是非ともチャンピオン争いに加わってもらいたいと思います。機会があればこれまでの開発過程や、王座獲得の意気込みを取材してみたいですね!長島哲太選手の今後の活躍に期待です。
いかがでしたでしょうか?
例年どおりであれば、岡山ラウンドの翌週にMotoGP日本GPが開催されるカレンダーであったため、当ラウンドの執筆までは手が回りませんでした。しかしながら、2025年シーズンはMotoGP日本GPの後に設定されたことに加え、感慨深いドラマが起きたので、取り上げさせてもらいました。チャンピオンシップに参戦する以上は、もちろん年間王者獲得が目標だと思いますが、出場する選手にはそれぞれ物語があり、チャンピオン獲得以外にもドラマがあります。皆さんも是非とも『推し』を見つけて、彼、彼女らの物語を追ってみてください。きっと新たな発見や感動があるはずです。
ちなみに……この岡山ラウンドでは、次のドラマの序章が始まった予感がしています。
ウエットではありますが、金曜日の練習走行のリザルトです。
次に起こるドラマを切り撮れるのでしょうか?
次回もお楽しみに!
[オートスポーツweb 2025年10月22日]