北朝鮮による拉致被害者家族会代表の横田拓也さん(左から2人目)、横田めぐみさんの母早紀江さん(左端)らと面会する高市早苗首相(右から2人目)=23日午後、首相官邸 高市早苗首相は23日、北朝鮮による日本人拉致事件の被害者家族らと首相官邸で面会し、27日に来日するトランプ米大統領に早期の問題解決に向けた協力を求める考えを伝えた。日朝首脳会談にも意欲を示した。
首相は「あらゆるチャンスを逃さない」と表明。「日本の主体的な取り組みが何より重要だ。金正恩委員長(朝鮮労働党総書記)との首脳会談に臨む覚悟もできている」と強調した。
これに対し横田めぐみさん=拉致当時(13)=の弟で拉致被害者家族連絡会(家族会)代表の拓也さんは、日朝首脳会談に向けて岸田文雄元首相が打ち出した「首相直轄のハイレベル協議」の再開を求めた。母早紀江さんは「(被害者が)日本の土を元気な間に踏んで、家族と再会できるよう解決してほしい」と訴えた。
この後、拓也さんは記者会見し、高市首相について「国家観を強く持った方だ。全幅の信頼を寄せている」と評価し、拉致問題の進展に期待を示した。
面会には、有本恵子さん=拉致当時(23)=の父明弘さんが今年2月に死去したことを受け、恵子さんの姉妹が初めて出席した。
日米首脳会談は28日に行われる見通し。トランプ氏は日本滞在中、被害者家族との面会を調整している。

拉致被害者家族と面会し、発言する高市早苗首相=23日午後、首相官邸