映画『ミーツ・ザ・ワールド』出演の注目俳優・南琴奈「話すと意外に子供っぽいねって言われます」

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2025年10月23日 16:11  週プレNEWS

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『ミーツ・ザ・ワールド』でライ役を演じる南琴奈

第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説を映画化した『ミーツ・ザ・ワールド』が、10月24日(金)より全国にて公開される。

この映画は、自分のことを好きになれない腐女子の主人公・由嘉里(杉咲花)が歌舞伎町での出会いをきっかけに、新たな世界を見つけていく物語。本作で、キャバ嬢・ライ役を演じるのは、注目作品の出演が続いている若手俳優・南琴奈(みなみ・ことな)だ。

透明感あふれる演技で、19歳とは思えないほど大人びた表情も見せる彼女にインタビュー。映画撮影の裏話のほか、俳優を目指すきっかけや10代のうちに達成したいことなどについて聞いた。

【画像】透明感あふれる若手俳優・南琴奈

――本作で演じるのは、希死念慮(きしねんりょ)を抱くキャバクラ嬢のライ役。どこか儚(はかな)げですが、役作りで意識されたことはありますか?

 役作りというより、オーディションで演じた雰囲気をそのまま出せるように意識しました。人物像をある程度かためてから撮影に臨んだほうがいいと思っていたんですけど、オーディションが終わったときに監督から「そのままでいてほしい」と言っていただけて。台本から汲み取って自分なりに想像したライのまま、作品に飛び込みました。

――主演の杉咲さんとのシーンが多いですが、印象に残っていることは?

 2人の掛け合いがメインの撮影だったので、ずっと大きな背中で受け止めていただきました。杉咲さんが由嘉里のままずっと現場にいてくださるので、その空気に後押しされて私もライとして一緒にいられたんじゃないかなと思います。

――何かお話しされたことで覚えている言葉はありますか?

 撮影前の顔合わせの段階で、杉咲さんから「連絡先を交換しようよ」と言ってくださって。そこからお話させていただいたんですけど、「いろいろなことがあると思うけど、うれしいこともイヤなことも全部を共有して、気楽にいてほしい。私はあなたの一番の味方でいたい」と言ってくださったときは衝撃的でした。その言葉のおかげで、最後までブレることなく気持ちを保つことができました。

――役のような希死念慮とまではいかないですが、どうしようもできないモヤモヤ感があるとき、南さん自身ならどうやって気持ちを切り替えますか?

 とにかく考えて考え抜いて、考えることに飽きるのを待ちます。結論を出しても納得いかないこともあるだろうし、何回も考え直すともういいやって飽きてくるじゃないですか(笑)。気持ちの切り替えは大事だと思います!

――役の切り替えはどうですか? 撮影が終わるとすぐに役が抜けるのか、それとも私生活まで影響が出てしまうタイプ?

 すぐ切り替えられると思うんですけど、自分は形から入るタイプなのかなと最近気づきました。例えば、役のために髪色を明るくしたら、普段の服装まで役に自然と近づいたりと影響を受けているなと。ちょうど『ミーツ・ザ・ワールド』の撮影期間中に高校の修学旅行に行ったんですけど、役とリアルな自分がごっちゃになってしまって。

――ライのように、ひとり離れて遠くを眺めていたみたいな?

 いや、みんなと一緒に川下りを全力で楽しみました(笑)。役は抜けているんですけど、髪色や服装が役のままだとふとしたときに思い出したりして。修学旅行先で「由嘉里は今頃どこで何をしているのかな?」って考えていました。

――役のような行動をするとかではなく、作中の気持ちを引っ張るって面白いですね。

 そうですね(笑)。でも、由嘉里=杉咲さんでもあるので、役なのか自分の気持ちなのかわからなくなるような不思議な感覚でした。

――南さんって大人っぽくて物静かなイメージでしたけど、意外とよく笑うし話しやすいですよね。

 よく言われます。話してみると意外と子供っぽいねとか、年相応だねって。母からは、大雑把とか気分屋って言われますし(笑)。

――大雑把は意外です! 中学生の頃から芸能活動を始め、現在は19歳。昨年、高校を卒業してから気持ちの変化はありますか?

 社会人としての責任感は自然とついてきたかなと思います。あとは、学生のときは学校と仕事で分かれていたんですけど、仕事一本になると熱量が集中してしまって仕事のことばかり考えるようになってきました。でも、そんな時間も含めて今のほうが楽しくて充実しています。

――女優になりたいと思ったきっかけはなんだったんですか?

 最初はモデルになりたくて事務所に入って、そこから映像作品に出させていただくようになったんです。人前で演技をするのはやっぱり難しいし恥ずかしくて自分には合わないと思っていたんですけど、素敵な方々とたくさん出会っていい機会をいただくことができて。俳優になりたいというより、諦めずに続けたいという感覚が近かったと思います。

――お芝居を続けたい思いのきっかけになった作品はありますか?

 初めて本格的なお芝居に挑戦したのは、Mr.ChildrenさんのMV『Documentary film』でした。1本の映画を撮っているくらい濃密な撮影をさせていただいたんですけど、自分が思うようなお芝居ができなかった悔しさが鮮明に残っていて。

――うまくできなかったんですか? 歌の世界観にぴったりで、透明感あふれる演技もめちゃくちゃよかったと思いますが。

 監督さんやスタッフさんたちもそう言ってくださったんですけど、自分のお芝居がうまければもっといい作品にできたんじゃないかなという。小さいときから負けず嫌いなところがあるので、その悔しさがお芝居を続けたい想いにつながったんだと思います。

――憧れの女優はいますか?

南 エマ・ワトソンさん。小さいときに『ハリー・ポッター』を見て、きれいで演技が上手なところに衝撃を受けました。

――では、今後の目標は?

 具体的な目標をあまり作らないので、このまま健康でいられたら。お芝居などのお仕事がすごく好きなので、これからも続けていけたらうれしいです。

――10代最後の年ですが、二十歳になるまでに達成したいことはありますか?

 車の運転免許を取得したいです。友達と遊ぶときは電車移動か近場になっちゃうので、車があればいろんなところに連れて行けるのになぁと思っていて。二十歳までに免許を取って、車で海沿いを走りたいです!

●南琴奈(みなみ・ことな)
2006年6月20日生まれ 埼玉県出身。
Mr.ChildrenやOfficial髭男dism、VaundyなどのMVに出演し、2023年にNetflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』でドラマデビュー。今年はドラマ『僕たちはまだその星の校則を知らない』出演でも注目され、来年も1月23日(金)公開の映画『終点のあの子』など多数出演予定。
公式Instagram【@kotona_minami】

映画『ミーツ・ザ・ワールド』は10月24日(金)より公開!

取材・文/釣本知子 撮影/渡邊りお

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