竹内有紀さん2025年12月で引退することを表明していた、セクシー女優の竹内有紀さん。しかし、突如として宣言を撤回し、引退を1年延長することを明らかにした。なんと、今年4月に警視庁の安全課を名乗る人物から詐欺被害に遭い、数百万円の貯蓄を失ってしまったというのだ!
「次にやりたいことがあったので、ポジティブに業界を去ろうと思っていたのですが……」
今回は、そんな詐欺被害の全貌、理解ある家族の話、ガチの恋愛トーク、元パーソナルトレーナーのキャリアを活かした今後の活動などを赤裸々に語ってくれた。
◆詐欺に遭ったことが現役“延長”の決定打に
——2019年にセクシー女優としてデビューした竹内さん。今年の1月に2025年12月で引退することを発表していました。
「次にやりたいことがあったので、セクシー女優は辞めておいた方がいいかな、と考えたので引退を表明しました。ポジティブに業界を去ろうと思っていたんですけど……」
——1年延長となりましたね。
「決定打になったのは、ニュースでも取り上げられた詐欺被害です。これによって数百万円の貯蓄が奪われてしまいました。ただ、引退発表した後からどんどん仕事が舞い込んできて、周りからも『今上り調子なのに何で辞めるの?』なんて言われてたのもあったんですよ。求められているし、仕事が嫌なわけじゃないし……詐欺に現役延長を後押しされた感じかもしれない(笑)」
——どういった詐欺に遭われたのでしょうか。
「4月に警視庁の安全課を名乗る人から電話がきたんですよ。私のキャッシュカードが犯罪に利用されている、と。それも私が関与しているかのような口ぶりだったんです。最初は『詐欺かな?』って思っていたんですけど、過去7、8年に遡った私の個人情報を小出しにしてきて……。『ガチの匂いがする!』に変わっていっちゃったんです」
——そこからどんな流れでお金を差し出すことに?
「その日は予定があったので電話を受けながらすごく焦っていたんです。相手は『本日付けの令状が出てる。今から署に来るか、家宅捜索させるか』と提示してきて。ただ、具体的にどういう容疑なのかは『協力をしないと教えられない』って言われちゃったんです。じゃあ、どうすればいいのか聞いたら、『金融庁に〇〇〇万円振り込め』と……」
——えっ、それで支払っちゃったんですか?
「はい。実害が出て、事務所や撮影してくれるメーカーに迷惑をかける方が怖かったんです。振り込んだらやっと解放されて、予定していた身内の会合に向かいました。そこで、さっき起こった話をしたら、みんなから『それ、絶対に詐欺じゃん!』って……。それでようやく交番に行って事情を説明しました」
——警察からの反応は?
「もう『あー……』って感じでしたね。さすがに私も『ですよね……』って言いました。冷静になればわかることだし、この手の詐欺の対策もちゃんと読んでいたのに……やりたいことのために頑張っていたのに!でも、警察の方からは、この実体験を話して注意喚起して欲しいと言われたんです。恥さらしな出来事ではありますが、他人事じゃないという説得力があるだろう、と。世の中に公開することに決めました。まさか、あんなに騒ぎになるとは(笑)」
——確かに、ものすごい反響でしたよね。
「でも、周囲からの『話してくれてありがとう』も『頑張ってね』も『応援してるよ』も、みんな追い風になってくれて、これもすべてプラスにして1年後に引退してやるわ!って気持ちになれたんです。ちなみに、ABEMAの『愛のハイエナ season4』は、この詐欺被害の1週間後に決まったんですよ。波乱万丈すぎですよね(笑)」
◆結婚を考えていた彼氏と1年半前に破局していた
——改めて辿っていくと今年の上半期、かなり目まぐるしく状況が動いていたのですね。
「もう少し遡ると、約1年半前に6年間付き合っていた彼氏と破局もしています」
——は!? いいんですか? そんな話をしても……。
「いいです(笑)」
——では遠慮なく聞かせてもらいますよ? そもそも、どういうお相手と付き合っていたのでしょうか。
「一般企業で働いていた方です。もともと大学生の時からの付き合いなんですよ。べつに大きなトラブルがあったわけでもなくて、結婚も視野に入れていました。彼は私の仕事もわかったうえで支えてくれていたんです。でも、20代後半になってから、いっしょに生きるうえでの覚悟の差が出てきたかな、と。彼に安心できなくなってしまったんです」
——具体的にはどういった点でしょうか。
「金銭的な面では、結婚の話が出てるのに大型バイクの免許を取ったり、バイクを買ったりして、貯金が10万円しかない……みたいな。それでも彼は『紙切れ一枚で結婚できるじゃん』ってスタンスだったんですよ。私だってセクシー女優として、そこまでたくさん稼いでいたわけではなかったんです。それでも、私は私なりに増やす努力はしてきたから」
——価値観のズレが生じていたのですね。
「それに、彼はもしかしたら私に引っ張られている人生なのでは?とも感じたんです。自分で何でもできるパワーがある人なのに、2人で何か挑戦しようという時も気が付いたら『私がやる!』となっていて。私は彼の成長のチャンスを奪っているのかもしれないとも思いました。もちろん彼の方にも不満があっただろうし……。結局、この人とは生きていけないかもしれないと感じて、私から別れを提案しました」
——別れの際に揉めることはなかったですか?
「あっさりと『わかった』って感じでした。私自身は未練タラタラになるかと思っていたのですが、肩の荷が下りたという感覚でしたね。同棲までしていて、彼の実家にも行ったりしていたので、親御さんにもちゃんと報告をしておきました」
——相手のご家族は竹内さんのお仕事について知っていたのですか?
「彼のお姉さんは知っていました。『現役は早く辞めた方がいいんじゃないかな』とは言われていましたが、反対されたりはしていません。彼のお母さんには結婚のタイミングで伝えるつもりでした。最後の電話でセクシー女優であることを告白したら、『そういう感じだとは思っていたけど』って、なんとなく気づいていたみたい。やっぱり『体が大変な仕事だから、早めに辞めな』と言われましたね」
◆おばあちゃんが“竹内有紀”タオルを掲げて……
——竹内さん自身のご家族は、お仕事について知っているのでしょうか。
「家族みんな知ってますよ。それどころか親戚にも未成年者以外には話をしています。妹はYouTube番組の収録に同席していたこともあるし、私がマラソンに出場した時には、おばあちゃんが “竹内有紀”って書かれたタオルを弾幕代わりにして応援に来ていましたよ(笑)」
——家族総出で応援してくれているのですね。
「今となっては、ですよ。始めた当初はやっぱり人生への影響がマイナスのイメージしかなくて不安でしたから。でも、それをプラスに変えていく姿と結果を見せたことで、みんなが認めざるを得ない状況をつくりだしたんです。私はセクシー女優は最初から応援をされる仕事ではないと思っています」
——近年、社会的にもセクシー女優への偏見は少なくなっているようには感じますが。
「やはり、住み分けは必要ですよね。とはいえ、世の中には不可欠な仕事。周囲に認めてもらうためには、まずは一人の人間として家族や大事な人と向き合わないと。たまに、周りから反対されているという女優さんもいますけど、それは自分自身がこの仕事に偏見を持っているんじゃないかと思うんです。セクシー女優であることで、家族も偏見に晒される可能性だってありますから、逃げたくなる気持ちはよくわかります。でも、認めてもらいたいのであれば、自分から『私はセクシー女優をやっていく』と発信していかないと。少なくとも私は、日常会話の中でそう言うようにしていました」
——竹内さんがそこまで腹を括れたのは、何か理由があったのですか?
「だって、娘がセクシー女優になるなんて、どう考えても心配じゃないですか。私だって、逆の立場になったらきっと反対すると思う。だからこそ、私は親を安心させるつもりで、虚勢を張るかのように言い続けたんです。一つの仕事をリスペクトして本気で頑張るって素敵なことだし、その姿を見せれば応援もしてもらえるだろうと思ったんです」
——それって、セクシー女優に限らず、あらゆる仕事にも通じる話ですよね。
「そうです。どんな仕事でも同じ。惰性で選んで惰性で続けていたら、理解を得ることなんて無理。結局のところ、生き様をどう見せるかですよね」
◆日本人にとって、性は取り扱いが難しい
——セクシー女優と並行して、すでに新しい活動も始めていますね。
「はい。『ホットネス』というフィットネスプログラムをスタートさせました。セクシー女優と元パーソナルトレーナーとしての知識を融合させて、『性』を組み込みながら、活力のある健康的な女性の生き方をサポートしています。現在はYouTubeやSNSでの発信、オンライン上での悩み相談やボディメイクのレッスンなどを主に行っています。
でも、『性をオープンに』を推奨したいわけではないんです。オープンにするべきは、シモの話ではなく自己理解の話。セクシャル的なことは、知りたい人に届けばいいんですよ。知りたくないことを知らされるのもセクハラですから」
——確かに、そこは問題点の一つですよね。
「私は性を嗜好品として楽しむことは良いと思いますが、文化にする必要はないと思っています。海外ではセクササイズもラブコミュニケーションの一環として根付いていますが、日本人は『性は秘めるもの』という特有の奥ゆかしさや美学を持っていますから。この土壌をどう耕していくかを私が提唱していければと思っています」
——そう考えると、竹内さんは本当にチャレンジングな課題に取り組んでいるのですね。
「日本人にとって、性は取り扱いが難しい。だからこそ性の業界を知る私みたいな人が、世間一般の考え方をくみ取って、さらに発信していく必要があると思うんです。将来的には、いろんな人たちがちょうどいい距離感で性に寄り添える場所をつくっていきたいですね」
——ありがとうございました!
<取材・文・撮影/もちづき千代子>