サンディエゴに位置するコロナド海軍基地で初のストリートレース実施をアナウンスしていたNASCARカップシリーズ 来季2026年カレンダーを構成する新規イベントの開催地として、サンディエゴに位置するコロナド海軍基地で初のストリートレース実施をアナウンスしていたNASCARカップシリーズは、全長3.4マイル(約5.8km)で合計16のターンを有する年間スケジュール最長のコースレイアウトを発表した。
周回距離はまだ未定ながら、カップを筆頭にエクスフィニティ・シリーズ、クラフツマン・トラックシリーズの3大ナショナル・シリーズすべてを開催する予定の海軍基地でのレースイベントは、2026年6月19日から21日にかけてカップシリーズ史上2箇所目のストリートコース戦かつ、アメリカ海軍250周年記念イベントとしても開催される。
開催発表時には、太平洋を背景にNext-Gen規定カップカーやトラックが基地周辺を疾走し「数機の空母やF-18などが滑走路で共演することになる」と明かされていたレイアウトは、世界的レーシングシミュレーター『iRacing(アイレーシング)』の協力も受け全長約3マイル(約4.8km)程度になると想定されていた。
しかしその規模を上回るレイアウトを持つスタート/フィニッシュラインは、海軍航空士官の第1号セオドア・エリソン中佐にちなんで『エリソン・スタート/フィニッシュライン』と名付けられた。ノースアイランドでは1917年に海軍航空基地付として就役し、アメリカ海軍航空隊におけるパイロット第1号となったことにより、後に同基地が「海軍航空発祥の地」として認められる礎となった。
さらに『空母コーナー』と名付けられたターン5は急角度の左コーナーとなり、空母2隻のドッキング地点中間に位置。ターン8の『コロナドシケイン』から始まる一連のコーナーは、基地内へとスピードを上げていくドライバーにとって急勾配のチャレンジとなる。そしてターン14『ランウェイロード』は、ハルシーフィールドの滑走路18/36の北端近くにあることから、その名が付けられた。
「ついにストリートコースのレイアウトを公開し、長年のファンと新しいファンに向け、初めてお披露目できることを大変うれしく思います」と語ったのは、NASCARサンディエゴ支部の会長を務めるエイミー・ルポ。
「イベントへの期待はすでに高まっており、このコースレイアウトは興奮をさらに高めてくれると確信しています。世界トップクラスのドライバーたちが、アメリカ海軍への敬意を込めつつ、この挑戦にどのように立ち向かうのか。今から本当に楽しみです」
レースウイークエンドの金曜は、基地に駐在するアメリカ海軍関係者とコロナド住民の招待客のみに開放され、土曜と日曜は一般のファンにも基地内部とスタンドへの入場が許可される。
■スパイアとトラックハウスが新ドライバーを発表
また、直近にもジャスティン・ハーレイの離脱をアナウンスしていたスパイア・モータースポーツは、その7号車に去就が注目されていたダニエル・スアレスの起用を発表した。
カップシリーズ前戦タラデガの週末を前に、復帰したばかりのチームから去ることが決まったハーレイだが、チームはその後任としてトラックハウス・レーシングで5シーズンにわたり99号車をドライブしたメキシコ出身ドライバーを迎え入れた。
「正直に言うと、僕にとっては考えるまでもなかったよ」と水曜日の発表に際して明かしたスアレス。「スパイア・モータースポーツがこの3年間で大きく成長したことはジェフ(・ディッカーソン共同オーナー)にも話したが、3年前なら選択肢に入れていなかっただろう。今、このチームはNASCARで最も急速に成長しているチームだと確信しているし、僕もその一員になりたいと思った。彼らの成長はまだ道半ばにあるし、彼らはまさに始まったばかりなんだ」
去る7月1日に双方合意の上でスアレスの離脱を発表したトラックハウスは、今季NASCARエクスフィニティを席巻した“神童”コナー・ジリッシュを満を持して昇格させる。その一方、スパイアはマイケル・マクドウェルやカーソン・ホセヴァーの戦績に対し、残る1台のパフォーマンスに不満を持っていた。
「お互いが必要なんだと思う」と応じたディッカーソン。「我々は皆、償いの物語や、疑念を抱く人たちに『間違っている』と証明する場を与えることが大好きだ。だから今回のケースは、ダニエルが今季こそ例外的な年だったことを皆に示す必要があり、我々も7号車の今季のパフォーマンスが例外的だったことを皆に示したいんだ」
今季、スパイアのマシンが自分の前にいることに、わずかな嫉妬を感じていると認めたシリーズ9年目のスアレスも「正直なところ、今はカップシリーズ1年目のような気分だ」と続ける。
「すべてが新鮮で、胸がドキドキする。もう本当にワクワクしているよ。目標はスパイア、そしてジェフとも長期的な信頼関係を築くことだ。そしてレースに勝利し、チャンピオンシップを争い、レースショップにバナーを掲げ始めるなど、ともに素晴らしい章を刻んでいけることを願っている」
[オートスポーツweb 2025年10月23日]