61歳になった90年代“高視聴率女王”が若い世代の“憧れ”であり続ける理由

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2025年10月24日 09:10  女子SPA!

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画像:山口智子さんInstagramより
1990年代に数多くの大ヒットドラマに出演し、「連ドラクイーン」や「高視聴率の女王」とも呼ばれた女優の山口智子さん。アラフォー世代以上の人にとって、山口さんは憧れの女優ではないでしょうか。

そんな山口さんですが、現在は90年代ほど女優業をこなしているわけではないものの、近年、若い世代からも高い人気を誇っています。

◆スター女優として駆け上がった90年代

1964年生まれで今年61歳の山口智子さん。モデルとして活動した後、23歳で朝ドラ『純ちゃんの応援歌』(NHK)で女優デビューを果たすと、1990年代には『29歳のクリスマス』や『ロングバケーション』(ともにフジテレビ系)など高視聴率ドラマに続々と出演し、一気にスターダムへと駆け上りました。

私生活では人気絶頂期とも言える1995年に、1つ年上の俳優の唐沢寿明さんと結婚。唐沢さんは『純ちゃんの応援歌』で山口さんの義弟役を演じました。ご夫婦にお子さんはいませんが、芸能界きってのおしどり夫婦として知られ、反町隆史さん&松嶋菜々子さん、江口洋介さん&森高千里さんらと並んで“40代以上の推し夫婦”として憧れられている人もとても多いです。

また2025年10月2日には唐沢寿明さんとともに所属事務所の研音から独立。夫婦で2026年1月に「TEAM KARASAWA」を立ち上げることを夫婦連名で発表しました。

◆「趣味は山口智子」 愛され夫婦のあり方

その仲の良さは有名で、唐沢さんは「趣味は山口智子」と発言するほどの溺愛ぶりを見せています。山口さんも自身のSNSで唐沢さんとの仲睦まじい様子を発信しているだけでなく、メディアの前でも俳優としての唐沢さんから影響を受けた話を語るなどしています。ただ好きな気持ちだけで繋がっているわけではなく、互いの仕事を尊重し、高め合いながら前に進んでいるのです。

一昔前には「鬼嫁」や「旦那を尻に敷く妻」といった妻が強い関係性や、「年上旦那と年下妻」のような年齢や収入の格差によってバランスを保つ夫婦がもてはやされていたかもしれません。しかし、現代においては山口さんと唐沢さんのような同世代で対等な関係を望む人が多いからこそ、この夫婦に憧れる人が後を絶たないのかもしれません。

また、ご夫婦は山口さんの意向から選択的に子どものいない人生を歩んでいることも知られています。「子どもを産まなければいけない」と焦るアラサー以上の女性にとって、「子どもがいなくても幸せに生きていける」というメッセージが伝わる山口さんの生き方は、大きな救いとなっているのではないでしょうか。

◆飾らない生き方が支持される時代

60歳を超えているとは思えないほど若々しい山口さんですが、お金をかけてあれこれアンチエイジングをしているような雰囲気がないことも若い世代から支持を集めている所以です。自然体でナチュラルなのに、凛とした佇まいのある山口さん。

「顔の表面にあれこれ塗りたくっても変わらない」、「一番の美容法は旅」と発言するほど、音楽や旅をライフワークとしていることから、内面の成熟や人生の豊かさが人間の美しさにつながることを身をもって発信しています。その発信の仕方も上から目線で高飛車な雰囲気はまったくなく、あくまで自然体。一時代を築いたトップ女優だからこそ醸し出せる大人の余裕は、山口さんの大きな魅力として若い世代にも映っています。

また山口さんといえば暗い髪色のロングヘアのイメージが強かったですが、最近では金髪姿が印象的。これが白髪を染めずに活かすグレイヘアともまた違う、山口さんだからこそ似合う自然で格好いいヘアスタイルに仕上がっているのです。

◆“こうありたい”を体現するロールモデル

20代から30代の女性にとって山口さんは母親と同世代であるにもかかわらず、「40代を超えたらこうなりたい」、「若くなくなったら可愛いに固執しなくても大人の魅力を出していけばいいんだ」と思わせてくれるロールモデルがいてくれることは若い世代にとってもありがたいでしょう。

現在、山口さんはかつてのようにドラマや映画に頻繁に出演するのではなく、女優業は少し抑えめです。2010年からは世界中を旅して出会った多様な民族音楽と文化を収録する企画『LISTEN.』のプロデュースを行ったり、フラメンコを学んだりすることをライフワークとしています。

また、自分が本当に気に入った商品の発表会には参加することもあり、自分の好きなことを好きなペースで取り組む様子は、現役世代にとって憧れのライフスタイルそのものです。自分の生き方と向き合い、一生涯のパートナーと人生を共にし、旅や音楽などに知的好奇心を奮い立てられながら、内面や人生を磨き続け幸せに生きる。

そんな山口さんの生き方が『ロングバケーション』放送時以上に、今の時代の女性たちに支持されるのも当然のことなのかもしれません。

<文/エタノール純子>

【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中

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