吉沢亮、『ばけばけ』で英語での芝居に奮闘 松江随一の秀才役も「第5週からはずっとヘブン先生に振り回されている」

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2025年10月24日 10:30  クランクイン!

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吉沢亮  クランクイン! 写真:高野広美
 高石あかりが主演を務め、トミー・バストウが共演する連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合ほか/毎週月曜〜土曜8時ほか ※土曜は一週間の振り返り)。ヒロインのトキを取り巻く魅力的なキャラクターが織りなす、あたたかく、ちょっぴりうらめしい物語が早くも話題を集めている。そんな本作に、いよいよ登場するのが、松江随一の秀才で「大盤石」の異名を持つ錦織友一役の吉沢亮だ。『なつぞら』以来約6年ぶりの朝ドラ出演を果たす吉沢に、『ばけばけ』撮影の裏話を聞いた。※高石あかりの「高」は「はしごだか」が正式表記

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◆英語での芝居に苦戦も、共演のトミーから「完璧!」と称賛

 本作は、松江の没落士族の娘・小泉トキと、その夫で明治時代に日本国籍を取得したラフカディオ・ハーンこと小泉八雲の夫婦をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

 吉沢が演じる錦織は、トキ(高石)と東京で出会い、のちに松江で再会。外国人教師として松江にやってきたヘブン(トミー)をサポートするなど、2人と深く関わっていく。

――『なつぞら』以来の朝ドラ出演。オファーをお聞きになった時のお気持ちはいかがでしたか?

吉沢:制作総括の橋爪(國臣)さんや演出の村橋(直樹)さんは、以前大河ドラマ『青天を衝け』でご一緒させていただいたことがあり、またそのチームの方々からお声がけいただけたのが、すごくありがたかったです。

台本を読ませていただくと言葉の掛け合いが面白いなと思いましたし、演じる錦織友一という人物は西田千太郎さんという実在の方がベースになっているのですが、資料を読ませていただいたところ、すごく魅力的な方だなと思ったので、ぜひやってみたいなと思いました。

最初オファーをいただいた時は、月に2〜3日くらいの撮影の時もあると聞いていたのですが、いま月の半分は大阪にいます。あれ?と思いつつ、頑張って英語のセリフを覚えながらやらせてもらっています(笑)。

――ヘブンをサポートし、振り回される英語教師役ということで、英語のセリフも多いのだとか。

吉沢:以前から英語を学んでみたいなという思いがぼんやりとあったので、いい機会かもしれないなと思ってやらせていただいているのですが、思った以上に英語が難しくて絶望しております(笑)。

英語のセリフは、ネイティブくらいめちゃくちゃ発音がいいところまでを目指しているわけではないんですけど、錦織は大盤石と呼ばれるくらいの男ですので、なるべく観てる方に違和感を与えないような、あんまり練習している感が出ないような感じになればいいなと。週2〜3回、英語の先生のレッスンを受けながらやらせていただいていて、完成を見たトミーさんから完璧だったと言っていただきましたので、なんとか形になっているのではないかなと思ってます。

――英語でお芝居する難しさはどんなところに感じていますか?

吉沢:英語のセリフを覚えることに関しては難しくてもやればできるんですけど、お芝居としてそこに感情が乗っかってセリフとして話すというのはまたテンション感が難しいです。錦織が話している英語というのと、通訳としての英語があったりするので、そこのテンションの違いを意識しながら演じていますが、なかなか難しいです。手ごたえがびっくりするくらいなくて(笑)。もっとしゃべれるものなのかなと思っていたんですけど…。

あとは、当時の人は日常会話の中に普通に英語が単語としてポンと出てきたりと、今の人とは全く違う英語との距離感だったというお話を聞きました。やってみるとコメディっぽくなっちゃう瞬間があったりするので、それをいかに真面目に言えるかというのを必死に頑張っています。

◆松江随一の秀才・錦織友一を演じるにあたり意識したことは?


――松江随一の秀才という錦織友一を演じる上で、何か意識されたことをありますか?

吉沢:第4週は東京に出てきたばかりで、これから自分たちで日本を動かしていく、変えていくという心意気みたいなものがすごく強い時期で、その中で自分が秀才であるという自負もあって。生い立ちが恵まれた家系ではないというのもありつつ、自分の力で日本を変えていく志みたいなものをすごく持っているので、秀才感みたいなものは意識していました。

でも第5週からはずっとヘブン先生に振り回されている男なので、あまり意識せずといったらあれですけど、ドタバタ感のほうを意識して演じていました。

――『ばけばけ』は、吉沢さんが大河ドラマ『青天を衝け』で演じた渋沢栄一が生きた明治初期と同じ時代ですね。

吉沢:意図的に何か意識しているということはないですけど、その時代を生きた人たちの空気感といいますか、渋沢栄一は時代の変化を楽しめる人でしたが、ただ世の中はそういう人ばかりではなかった。そこに取り残される人もいれば、否が応でもここに残っていくしかない人もいる中で、じゃあ錦織はどうなんだろう?と考えた時に、『青天を衝け』で経験した空気感は役作りにも活きているなと感じます。

――錦織はこれからヘブンと深く関わっていきます。錦織とヘブンの関係はどのようにご覧になられていますか?

吉沢:県知事がヘブン先生を松江にお招きして教育を変えていくという、その主役になる人ですから、彼と一緒にいれば自分自身の人生も変わるんじゃないかっていう期待を持って接しているんじゃないかなと思います。

錦織にとってヘブン先生はもっともかけがえのない存在と言っても過言ではないくらい、これから2人の間はどんどん近くなっていきますし、今の時点でももう錦織はだいぶヘブン先生に入れ込んでいるので、相当いい仲になっていくと思います。

――高石さん、トミーさんとのお芝居はいかがですか?

吉沢:高石さん、トミーさんと3人でのシーンもかなり多いのですが、目の前で起きている事象は重めな話だったりするんですけど、重く扱わずあえてコメディタッチでやらせていただくシーンが多くて。笑いの絶えない面白いシーンが多いです。

お二人ともお芝居のテンポ感やテンション感がすごいナチュラルですし、コメディではあるんだけど、そこをオーバーに演じない感じがやっていてすごく心地いいです。素敵なお二人だなと思いながらお芝居させてもらっています。

――トミーさんとはどんなやりとりをされていますか?

吉沢:「何時起き」って言葉を教えました(笑)。ロケで朝が早い日に、トミーさんが先に入っていたので、「トミー、何時起き?」って聞いたら、「“何時起き”って何?」って。それから毎日トミーさんから「何時起き?」って聞かれるようになりました(笑)。彼は学習意欲がすさまじくて、吸収がハンパじゃないんです。

逆に「“臨機応変”って英語でなんていうの?」という話になって、「Play it by ear」だと教えてもらったこともありました。

――高石さんの印象はいかがですか?

吉沢:高石さんとトミー、2人ともお芝居が自然なんです。高石さんに関しては、最初のほうはセリフなのか、素で笑っちゃってるのかわからなくて戸惑ったくらい本当に自然な方なので、刺激はもちろんもらいますし、お芝居していてもやりやすいです。めちゃくちゃコメディが好きなんだろうなっていうのが伝わってきます。

――6年ぶりの朝ドラの現場はいかがですか?

吉沢:1年近く撮影があって、スタッフさんやキャストの皆さんの空気感に、ある種家族のような温かさがあるんです。それは『なつぞら』の時も感じたんですけど、今回久々に朝ドラに出演させていただいて、大阪っていうこともあってよりそれを感じるというか。より強い絆で結ばれているような雰囲気を現場で感じています。

(取材・文:渡那拳 写真:高野広美)

 連続テレビ小説『ばけばけ』は、NHK総合ほかにて毎週月曜〜土曜8時放送。※土曜は一週間の振り返り
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