オーバードーズ対策に重点=若者の自殺高止まりで―政府

0

2025年10月24日 15:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

厚生労働省=東京都千代田区
 2025年版の自殺対策白書では、15〜29歳の若者の自殺者数が高止まりしている実態が明らかになった。自殺未遂や自傷の搬送者では市販薬など医薬品の乱用が多く、政府はオーバードーズ(過剰摂取)への対策を重点的に進めている。

 若者のオーバードーズは社会問題化しており、厚生労働省は適切な支援につなげるため薬剤師向けのマニュアルを作成。5月に成立した改正医薬品医療機器法では、18歳未満が風邪薬やせき止めなどを購入する際、小容量製品1個とする規制を盛り込み、来年5月から施行される。

 白書では、20代女性の自殺者で未遂歴がある人が4割を超えたことも判明した。政府は未遂者への対策も進めており、厚労相指定の一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」は、救急医療の従事者に対しケア研修を実施している。

 小中高生の自殺では、政府は児童生徒に1人1台配備された端末を利用して子どもの状態を把握するなど取り組みを急ぐ。6月には、子どもの自殺対策に社会全体で取り組むことを明記した改正自殺対策基本法が成立した。 
    ニュース設定