写真集『AROUND』より タレントのかとうれいこさん(56歳)が、27年ぶりとなる写真集『AROUND』をリリースしました。約30年ぶりの水着姿も披露するなど、“永遠のグラビアクイーン”として圧倒的な存在感を放っています。
かとうさんは、1969年生まれの56歳。1988年にグラビアデビュー後、第16代クラリオンガールやアサヒビールイメージガールに選出され、ポスターは通常の5万枚以上も増刷するというグラビア界を代表する存在に。
2001年の結婚を機に芸能活動をセーブするも、2012年に11年ぶりに復帰。現役時代と変わらぬ魅力で幅広く活躍中ですが、子育てがひと段落した今、第二の人生をまい進している最中と言います。お話を聞きました。
◆初めは不安のほうが大きかった
――2024年末にグラビアを26年ぶりに披露され、今年27年ぶりに写真集発売となりましたが、ご自身としてはどう受け止めていますか?
かとうれいこ(以下、かとう):まず去年グラビアのお話をいただいた時点で「無理! 無理!」って感じだったんです(苦笑)。でも写真集のお話をきっかけに出会った方々のお気持ちを聞きながら、少しずつ心が動いていきました。もちろんお話自体はうれしかったのですが、「大丈夫かな?」「できるのかな?」という不安のほうが最初は大きかったんです。
――写真集の一部カットを拝見しましたが、グラビア全盛時代をほうふつとさせるプロポーションを披露されていて、今回の仕上がりは自信を持って送り出せるのではないでしょうか。
かとう:うれしいです。ありがとうございます。ここ何年かは子育ても一段落して、もともと自分の時間を運動などに費やしていましたので、代謝や免疫力がアップするように日頃から心がけていたんです。痩せるというよりも、体重など現状を維持することに努めていました。
たとえば美味しいものをたくさん食べたら、頑張って運動をしようとか、変化ではなく健康維持を考えながら取り組みました。
――写真集のタイトルである『AROUND』には、いろいろな意味が込められているそうですね。
かとう:このタイトルは今回の撮影チームのみなさんと話し合って決めたのですが、人生はいろいろなことがあって巡っていって、いろいろなことを経験してきた積み重ねが、今の自分を支えてくれていると思うんです。そういうものが巡り巡って、今の自分を見てほしいという気持ちを込めています。ファンのみなさんも楽しみにしていただけるとうれしいです。
◆コロナ禍で気付かされた「チャレンジする気持ちの大切さ」
――今のご自身を作っている経験として、これまでで一番の経験と言いますか、価値観を変えたような出来事って何でしたか?
かとう:みなさんもご存知のようにコロナ禍ですかね。どこにも行けない、何もできないという日々が続いて。だから、たった一度の人生なので、やってみたいと思うようなことに、ダメでもチャレンジする気持ちがとても大事だなと教えてもらった数年間だったような気がします。
――あの時期を経て、よりアクティブになったような?
かとう:それはあると思います。行きたかったところに行けない、やりたかったことをやれない時期でしたよね。何が起きるか分からない人生で、こういうことがまたいつ起きるかもわからないですし、自分がやっておいてよかったなと思うこと、会えてよかったなと思う人、そういうことが今からどれだけできるのかと考えさせられた時期でした。
――ロケは海外でされたそうですが、撮影地は行きたかった場所だったのでしょうか?
かとう:そうですね。オーストラリアは今回初めて訪れたのですが、本当に素敵でした。タイトな撮影スケジュールだったので観光する時間はなかったのですが、最後にワイナリーで撮影をしたんです。全部の撮影が終わった後にみんなで美味しいワインを試飲したのですが、とても楽しかったです。日本とは違う空気感やロケーションでしたので、そういう背景の中で撮影をさせていただけたこと、本当に感謝しています。
◆運動の習慣「体調やメンタルによって柔軟に」
――子育てがひと段落してから運動をする時間が持てたとのことですが、どれくらい続けているのですか?
かとう:40代で運動を始めたので、もう10年以上今の生活をしています。できる時は毎日運動をしていますが、その日の体調やメンタルによって柔軟に変えていました。ひとつのことをやり続けることもなく、ヨガやピラティスなどいろいろなことをやって、水泳やランニングも、キックボクシングもやっているんです。いろいろな筋肉を動かしています(笑)。
――一般的には「週に何回ジムに通う」などやることを決めがちだと思いますが、フレキシブルな感じがいいですね。続けられそうな感じがします。
かとう:そうなんです。ちょっとでも汗をかくなど、運動の習慣をつけることが大事だなと思います。今日は疲れたから動けないという日ももちろんありますので、そういう時は運動ではなく、サウナに入ってゆっくり広いお風呂につかるようにする。それだけで気持ちがリフレッシュしますし、代謝もアップする。少しずつルーティーンにして習慣づけることが大事なのかなと思っています。
◆「50代は第二の人生」同世代へのメッセージ
――かとうさんの人生のモットーを聞いてもいいでしょうか?
かとう:毎年お正月におみくじを引いていて、それをその一年の座右の銘にしているのですが、今年は「笑う門には福来る」だったんですよ。しかめっ面をしていても何にもいいことはないですし、まわりにもよくないですよね。口角を上げていれば、まわりの人にも家族にもいいと書いてあったので、なるほどと思いました。今、そのおみくじはスマホの待ち受けになっています(笑)。
――福は来ましたか?
かとう:それこそ27年ぶりに写真集を出させていただきましたし、こういう宣伝活動をしていると、たくさんの懐かしい業界の方たちにも出会えているので、そういう意味では日々感謝です!
――来年は何が待ち受けになるか楽しみですね。
かとう:必ず待ち受けにしているわけじゃないのですが(笑)。よいと思ったものだけ待ち受けにさせていただいています。
――最後に同世代のみなさんへメッセージをお願いいたします。
かとう:50代は第二の人生といいますか、お子さんがいる方は子育てが一段落してくる時期だから、自分にかけられる時間が出てきた方たちがたくさんいらっしゃると思うので、「もうこの歳で」ではなく、それぞれのスタイルで自分が興味を持ったものを楽しみ、自分のために時間を費やす素敵な第二の人生を過ごしてほしいです。
わたしもたった一度の人生やらないで後悔するくらいなら、やって後悔したいと思い、写真集に挑戦しました。年齢は関係ない、そういう意味も込めて、同世代のみなさんにもこの写真集は見てほしい一冊になりました。一周回って、ここからがわたしの人生第二章。昔から応援してくださっているファンの方々、同世代の女性にもぜひ見ていただきたいです。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。