メキシコのタイヤ選択もひとつ飛ばしの3種類に。ピレリは2ストップに期待も、追い抜きの困難さから主流は1ストップか

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2025年10月24日 19:30  AUTOSPORT web

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2025年F1第20戦メキシコシティGP アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス
 最初に成功しなかったらもう一度試すもの、とは古くから言われていることだが、グランプリの週末にはさまざまなコンパウンドを試して、さまざまな戦略を駆使し、よりエキサイティングなレースを生み出すことが目的とされる。そのため、第13戦ベルギーGPと第19戦アメリカGPでの試みが失敗した後、ピレリは今週末の第20戦メキシコシティGPでコンパウンドの選択を大幅に変更することを決定した。

 先週末のアメリカGPで見られたように、ハードタイヤとして持ち込まれたC1タイヤはレースでは役に立たず、レース開始時にハードタイヤを使用したドライバーはわずか3人だった。彼らは、レースの間ずっと後方を走行することになり、行き止まりの道を走っていることにすぐに気づいた。

 よって今週末のメキシコシティGPには、ハードタイヤとしてC2を選択し、ミディアムはC4、ソフトはC5という、C3を飛ばした3種類のタイヤを持ち込むことを決断した。ピレリは、アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスのようなデグラデーションの少ないコースでは、C2は非常に保守的なタイヤになることを認めている。そのため、一部のチームがその流れに乗って、C5タイヤでレースをスタートし、その後C4タイヤを2セット使用することを期待している。これにより、2ストップと1ストップの戦略を実施する機会が生まれるが、ほとんどのチームとドライバーがC4タイヤでスタートし、レース後半により硬いタイヤに切り替えることを選ぶだろうと広く予想されている。

 ピットストレートは非常に長く、また長いDRSゾーンが設置され、ターン3と4の間にもDRSゾーンがあるが、レースペースがそれほど変わらないときに追い越しをするのは難しいことが証明されてきた。その理由は、ドライバーがコースの最後の非常に低速なふたつのコーナーで前のクルマに近づくのに苦戦すること、さらにメキシコのレースは標高が高いためダウンフォースが不足し、DRS効果が海抜に近い他のコースほど強くないからだ。

 ピレリは、次のように述べた。

「最もソフト寄りのふたつのコンパウンドの使用については、チームが燃料を満載した状態で長いスティントを走行し、タイヤの状態をチェックすることができる3回のフリー走行セッション中に慎重に評価されるだろう。歴史的に、メキシコは標高の高い場所で空気が薄いため、クルマが生み出せる空力ダウンフォースの量が減少するので、グレイニングのレベルが非常に顕著になる」

「使用頻度の少ない路面ではグリップ力が低いため、タイヤは滑りやすく、グレイニングにつながる。また、現在のコンパウンドがこの現象に対してより強い耐性を示すことで、この現象を抑制し、タイヤマネジメントが得意なドライバーに利益をもたらすかどうかを見るのも興味深いことになるだろう」

[オートスポーツweb 2025年10月24日]

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