記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=24日午後、国会内 24日に行われた高市早苗首相の就任後初となる所信表明演説を受け、野党各党からは内容が具体性を欠き、止まらぬ物価高への対応が不十分だなどとする声が相次いだ。
立憲民主党の野田佳彦代表は記者団の取材に応じ、ガソリン税暫定税率に関し、年内に廃止するとした与野党合意から演説内容は大きく後退したと強調。「先送りと後退の所信表明だ」と批判した。自民党派閥裏金事件に対する言及がないとも述べ、「言葉は前向きだが中身がさっぱり分からない。質疑を通じて明らかにしたい」と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も物価高対策について「年内に何ができるか具体像が見えなかった」と指摘。「コメ高騰対策や『政治とカネ』も一切記述がなかった」と疑問視した。
自民との連立を解消した公明党の斉藤鉄夫代表は、基本方針が矛盾しなければ各党の提案を受けるとする首相の言葉に触れ、「初めから政権の方針通りに議論しろ、ということだ。独裁ではないか」と異例の強い表現で非難した。
参政党の神谷宗幣代表は消費税減税を明言しなかった点などについて「正直がっかりした」と語った。共産党の田村智子委員長は社会保障制度の見直しや防衛力強化の方針を取り上げ、「悪政推進の宣言だった」と語気を強めた。社民党の福島瑞穂党首は実質賃金が下がった中低所得層に配慮していないと断じ、「悲しい演説だ」と述べた。
一方、自民の鈴木俊一幹事長は「政権の枠組みが変わり、新たなチャレンジ、意気込みを感じる」と高く評価。日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は、重視する社会保障見直しと「副首都」構想推進が明示されたとして、「大きな前進だ」と語った。