写真左から橋本侑芽、塩崎めいさ、安藤楓、竹越くるみ、矢吹寧々、水野瞳 10月22日(水)にアイドルグループ「Devil ANTHEM.」がニューアルバム『a story beyond』をリリースした。今作は塩崎めいさと矢吹寧々が加入した新体制として初のフルアルバムで、2025年に配信リリースした7曲に加え、新曲が3曲収録されている。
今回はDevil ANTHEM.の6人にインタビューを行い、新体制になってからの活動やアルバム収録曲について、さらに11月2日(日)から始まる「Devil ANTHEM. 11th Anniversary TOUR 2025『a story beyond』」に向けた意気込みを聞いた。
◆■「この半年は1年目くらいの新鮮な気持ちでした」
――3月に新体制として活動を再開してから約半年が過ぎました。まずは、以前からいらっしゃる4人にこの半年の活動を振り返っていただきたいと思います。
竹越くるみ(以下、竹越): 2月から新メンバーの2人とのレッスンが毎日あったり、新体制としていろいろなことがどんどん進んでいっていたので、あっという間だったなと思います。せわしなく目の前のことを1つ1つクリアしていくような半年で、私はアイドル11年目なんですけど、この半年は1年目くらいの新鮮な気持ちでした。
安藤楓(以下、安藤): 6人での立ち位置とか、新たにイチから取り組むことが多くて大変だと思うこともあったんですけど、今は6人でいることにも慣れて、立ち位置もパッと出てくるようになりました。ライブ中、見せ方にも気を配れるようになったり、ちょっとずつレベルアップできているのかなと感じています。
橋本侑芽(以下、橋本):私も6人になって立ち位置も歌割りも変わったので、ライブで毎回緊張していたし、不安もありました。でも6人になって半年しかたっていないのにいろんなフェスに出させていただいたり、ワンマンを2回もやらせていただいたり、すごく充実した半年だったと思います。
水野瞳(以下、水野):半年でフルアルバムを出したり、ツアーが決まったり、私たちだけじゃなくてファンの皆さんも「もう!?」って驚いているんじゃないですかね。でも、意味のある半年を過ごせたからこそアルバムもツアーもできたのかなって思うので、あと2カ月を大切に過ごして、新しいデビアンになった2025年を「立派な1年だったね」って言えるような形で年を越したいなって思います。
――3月に新加入した塩崎さんと矢吹さんはいかがでしょうか?
塩崎めいさ(以下、塩崎):デビューしてからは本当に目まぐるしくて、毎日明日のことをずっと考えているような感じで不安と戦っていました。でも、ちゃんとレッスンをしてきたからこそ、ライブで毎回ちゃんと緊張することができて、終わった後には「やってよかった!」「楽しかった!」って思えたので、恵まれた環境にいるなって思うと同時に、この半年で少し自信がついたかなって思います。
矢吹寧々(以下、矢吹):この前のワンマンライブで今回のフルアルバムのリリースの発表と初めてのツアーの発表があったり、加入が決まってからいろんなことが急スピードで決まっていって、私もあっという間だったなって感じています。そのスピードに置いていかれないように、もっと頑張って成長していきたいなって思っています。
◆■「ライブでファンの皆さんの目を見て歌いたい」
――今回のアルバムは表題曲「a story beyond」から始まります。どんな楽曲になっているのでしょうか。
竹越:この6人で新たに進んでいくぞっていう決意を固めて、「今までのデビアンを超えよう」っていう私たちの気持ちを表した曲になっています。作詞作曲がIMAKISASAさん、編曲がAILIさんという、私たちのメジャーデビュー曲「ar」を作ってくださったり、私たちの節目になる楽曲に関わってくださっているお二人なので、6人体制の第一歩となる決意の曲を書いていただけたのがすごくうれしいです。
――アルバムの2曲目「雷鳴」もIMAKISASAさんの作詞作曲ですね。
水野:今回の新曲の中で一番重厚感があるというか、キラキラ、爽やか、疾走感というイメージの「a story beyond」「Unleash」と対極にあるような曲です。「雷鳴」というタイトルだけど、私たちに寄り添った歌詞というか、今本気を出している私たちのことを書いてくれているなと感じています。気持ちが乗せやすい歌詞や曲調なので、この曲はライブで見てもらうのが一番なのかなって思います。
――もう1つの新曲「Unleash」についてはいかがでしょうか。
安藤:初めて聴いたときから個人的にすごく好きなんですけど、歌うのが難しい曲なので、ライブでカッコよく歌えるように頑張りたいです。「報われない夜を僕ら何度超えてきた?」とか「何度つまづいても僕らなら歩いてゆける」っていう歌詞があって、今後つまづいてしまうことがあったとしても、そういうときに聴いたら「またみんなで進んでいこう」「頑張っていこう」って思える曲だと思います。
――収録曲の中で個人的に好きな楽曲を、お一人ずつ理由と一緒に教えてもらえますでしょうか。
竹越:私は「from again」が好きです。新しい私たちを見せるという点では、技術面が昔の曲よりもはるかに難しくて細かい技術が要る曲で、デモを聴いたときからこの曲を絶対にものにしてやるという気持ちになりました。私をいつでも初心に返らせてくれる曲ですね。
塩崎:私も「from again」です。私は心配性で、パフォーマンスのときにちょっと不安な気持ちになっちゃうこともあるんですけど、「from again」はイントロを聴くと「やってやろう!」っていう気持ちになれるんです。今の自分の気持ちに一番合っている曲なので、うまくパフォーマンスできるようになりたいです。
水野:私は「Singin’」です。デビアンの曲って遠回しな言い方をするような歌詞が多いんですけど、この曲はストレートに「私たちとあなたがいて、今があるんだよ」っていうことを伝えてくれる曲なので、「みんなとこの時間を過ごすためにアイドル活動をしていて、ライブしてるんだ」っていうことを再確認できる曲なので好きです。
安藤:私は「REBUILD」がすごく好きです。フェスでこの曲をやるとグッと締まって、会場の雰囲気をガラリと変えられる曲だなって思います。私はハモリを歌うことが多いんですけど、この曲で改めて自分の歌のレベルを上げたいなと思ったので、この曲と出合えてよかったなって思っています。
橋本:私は「Unleash」が、体調を崩しているときでも聴いていたいくらい好きです。歌詞のセンテンスが他の曲に比べて短いんですけど、そのおかげで聴いていてストレートに刺さるなと思って。唯一無二な感じもあって、デモを聴いたときにすごく美しいなと思ったんですけど、デビアンのメンバーが歌ってもその美しさは変わらずに、デビアンらしさも出ていてさらに好きになりました。
矢吹:私は「a story beyond」です。初めて聴いたときから曲調が好きだなって思いましたし、歌詞がすごく素敵なので。今回のアルバムの中でも、特にファンの皆さんを思いながら歌える曲なのかなって思うので、ライブでちゃんとファンの皆さんの目を見て歌いたいです。
◆■「今年頑張ってきたことを全部出し切れるように準備して臨みたい」
――新体制として、今グループで持っている目標はありますか?
竹越:新体制になりましたけど、私たちはグループとしてはもうすぐ11周年を迎えます。ご指摘をしてくださる方も少なくなってきているなかで、先日、プロデューサーさんがワンマンライブを見た関係者の方から細かなご指摘を頂いて、まだ頑張れることがあるんだってわかりました。
今はダンスを強化するためにレッスンの回数も増やしてもらったり、個人でTikTok配信をしたりして、そこでファンになってくれた方にライブに来てもらって、ライブで心をつかむっていう、アイドルとしてすごく根本的なことですけど、今年はそこを改めてみんなで頑張ろうよって話しています。
私たちにはまだ伸びしろがあって、大きくなれるよねって思えるこの状況がすごくうれしいので、そういう根本的なところをもっと強くして、地に足をしっかり着けてコツコツと上を向いて進んでいくグループというのを継続していきたいです。
――最後に、11月から始まるツアーに向けた意気込みをお願いします。
矢吹:私は初めてのツアーなのですごく緊張するんですけど、今年頑張ってきたことを全部出し切れるように準備して臨みたいです。今はパフォーマンスの強化期間なので、もっと自分と向き合って、もっと自分の見せ方を研究して、新しくファンになってくれる方を増やしたいですし、今まで応援してくださっている方にも「応援してよかった」とか、「これからもついていきたい」と思ってもらえるパフォーマンスをしたいです。
塩崎:私も寧々ちゃんと一緒で、初めてのツアーなので怖気づいちゃうこともあるかなって思うんですけど、毎公演ステージングに関することで何か1つ新しいことに挑戦したいなって思っています。ツアーを通してもっと自分のことを知って、ファイナルまでに自信を持って「私、デビアンにいます!」って自信満々に言えるようになりたいです。
橋本:私はこのツアーを通して殻を破れるように頑張りたいなって思います。私は自分の気持ちを言わないことが多くて、溜め込んでしまうことが良くないなって思っていて、課題だと思っているので、メンバーにもファンの皆さんにも自分の気持ちや意思をちゃんと伝えられるように、殻を破れるように頑張りたいなって思います。
水野:ツアーファイナルまで5公演あるんですけど、毎公演必ず何かを持ち帰って、ファイナルのKT Zepp Yokohamaで私たちの成長した姿を皆さんにお届けしたいと思います。会いに来てくださった皆さんに「ありがとう」という気持ちを伝えて、「会えてよかった」「来てよかった」って思ってもらえるライブを各地でしっかりとやって、このツアーを無事に完走したいと思います。
安藤:当たり前なんですけど、どの公演も無駄にはできないなと思っていますし、どの公演でも「素晴らしかった」って言っていただけるライブをお届けしたいなって思います。ファイナルを終えたときに「さらにすごくなった」って言ってもらえるライブをしたいなって思っているので、たくさんの方に来ていただけたらうれしいです。
竹越:6人になって初めてのアルバムを引っ提げたツアーになるので、今年6人で頑張ってきた成果とか、自分と向き合っていろんな葛藤をした中で出した答えを皆さんに示していくライブにできたらなと思います。新体制になって不安な気持ちを抱えながら応援してくれていたファンの方もいると思うので、「不安なんてないよ」ってことをちゃんと伝えられるライブを丁寧にやっていって、ファイナル公演のKT Zepp Yokohamaでのライブは「今年も頑張ってよかった」「ついてきてよかった」って思ってもらえる素敵なライブにしたいと思います。
<取材・文/須田紫苑 撮影/安藤龍之介>