
フリーアナウンサーの青木源太(42)がMCを務めるカンテレの情報番組「とれたてっ!」(月〜金曜午後1時50分)が、今秋からフジテレビでも放送が始まった。
秋田テレビ、テレビ長崎でも放送され、全国19の放送局にエリアが拡大。「見ていただける可能性が増えるのはうれしい」と喜んでいる。「イベント司会で日本一に」と決意し20年に日本テレビを退社、恩人と立てた誓いとアナウンサーとしての矜持(きょうじ)を抱きながら歩んできた5年間を振り返った。【阪口孝志】
★20年日テレ退社 同期枡アナ
放送開始から2年。「とれたてっ!」が関東進出した。MCの青木アナは「日テレ時代の仲間とか東京の友人、知人から『見られるのを楽しみにしてるよ』という連絡はたくさん来ました。テレビですから1人でも多くの方に見ていただく気持ちで作っているので、見ていただける可能性が増えるのはうれしいことだと思ってます」と話しつつ、「私を含めて出演者はそんなに変わらない。スタッフの皆さんは大変そうですが」とエリア拡大にも気負いはない。
20年に14年務めた日テレを退社した。
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「同期の桝太一アナはずっと相談してました。結果的に、彼もその後、独立する形になりましたけど。今回の全国放送が決まって、決起集会のお祝いもしてくれましたし。そういう仲間がいるのはいいですね」
独立の際に掲げた「日本一のイベント司会者になる」という目標は、日テレ系「火曜サプライズ」で共演し、親しくなった歌手DAIGO(47)と相談して決めたという。
音楽活動をベースに、ミュージシャンとしてさまざまな番組やイベントに出演しているDAIGOから「アナウンサーであることを大事にした方がいい。アナウンサーなんだ、司会者なんだ、という軸を持て」とアドバイスされ、「『あ、なるほどな』と思いました。フリーになる時に2人で考えたのが『日本一のイベント司会者』。だから、イベント司会をベースとしてやる。それをすごく大事にしている」と心に刻む。
実は、内定式の司会や営業成績優秀者のパーティーなど企業内インナーイベントは数多い。
「世に出てないイベントっていっぱいあるんですよ。世に出てるモノだけじゃないんだよ、っていうのはちょっと言いたいですけどね。『フリーアナウンサー、冬の時代』とか『戦国時代』とも言われたりもしますけど、僕は全然そんなふうに思ってなくて仕事はいっぱいある。フリーになった先輩後輩を見ていると、みんな忙しそうにしてますよ。テレビに出るということだけ考えると、限られた席かもしれませんけど、今は配信もありますし、アナウンサーが活躍する場は実はすごく多いなと思ってます」
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★1番の喜びは「もう1回」
参加者全てが楽しもうと参加しているため雰囲気も良く、何より「『来年もまたやってください』ってオファーが来たりするとすごくうれしい。『フリーアナウンサーになって一番の喜びって何ですか?』って言われたら、1回仕事をした人に、もう1回仕事をしてくださいと言われるのがすごくうれしいですね」とやりがいを感じている。
50歳までに司会を1000本と具体的な目標も立て、年間100本以上のペースで進んできたが、23年に「とれたてっ!」が始まってからは週末のみと、半分ほどにペースは落ちた。それでも「50歳までに1000本はペース的に難しくなりましたが、時々お会いした時には『どんな司会したんだ?』って聞いてくださいますね。ペース的に1000本は無理だけど、兄さんと慕っているDAIGOさんと決めたことなので、やりきろうと思ってます」と誓いを守るつもりだ。
「とれたてっ!」の開始とともに関西に移住。帯番組の司会になったことで、家族とのコミュニケーションも気になるが「平日の朝は、息子と一緒に起きて、朝食を食べて、一緒に家を出て、子どもは学校に、僕はジムに行ってます。平日の夜は僕がご飯担当なので、平日に子どもとの時間は取れてます。『とれたてっ!』だけの日は午前10時入りの午後5時帰りですから。定時制のサラリーマンみたいですね」と笑う。
青木アナといえば、STARTO ENTERTAINMENT所属タレントのファンとしても知られている。「自分が青春時代に見てたテレビの音楽番組に出ていた人も、グループ自体がなくなったり、いろんな人生を歩んでいる。時の流れみたいなものは、特にここ数年は感じますね。僕は『諸行無常』って言葉が好きで、ずっと同じってことはあり得ないことだと思っているので、どんなことがあっても受け入れようと思ってます。熱を持って応援していた時期も含めて、そこは変わっていない」と思いを口にした。
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その上で、「とれたてっ!」で彼らを扱うコーナーを増やしてほしい、といった考えについては、「全然思わないですね。キャスティングや企画にMCが口を出し始めると、僕は番組の作り方として違うと思っている。MCのタイプっていろいろあって、口出す人もいいと思いますけど、私の矜持は『口を出さない』」ときっぱり否定した。
★打倒○○「状況じゃない」
全国放送開始後の視聴率では、TBS系「ゴゴスマ−GO GO!Smile!−」、日テレ系「情報ライブ ミヤネ屋」の前に苦戦しているが、「僕もこの業界に20年いるから、打倒ミヤネ屋、打倒ゴゴスマって言ってほしいのは重々分かるんですけど、そういう状況じゃない。関西地区もそうですし、フジテレビの編成の状況を見ても、我々の状況が対等に語るのもおかしいなって気持ちもある」と現状を冷静に分析。「でも『とれたてっ!』の2年間を振り返ると、地道に愚直にやってきた結果だと思うので、逆に言うと、それしかやり方はない」とブレはない。
規則正しい生活をしながらジムに通い、「橋下徹さんが『5年スパンで来るんだよ。45と50は違う』と体力が一気になくなるとおっしゃるんですけど、僕はまだいける。いけるうちは頑張りたい。健康管理に気をつけて、周りに迷惑かけないように走っていきたい気持ちなんです」と気力、体力ともに充実。「今は主軸は『とれたてっ!』ですから。精魂込めて、自分の人生をかけてやってますので」と熱を込めた。
真価を発揮するのはこれからだ。
▼「とれたてっ!」深田大樹チーフプロデューサー
青木さんには、好きなものがたくさんあります。アイドル、美容、健康、投資…そして「テレビ」。今日は何を伝えるべきか議論する過程も、放送中に新しいニュースが入って構成が変わる臨場感も、醍醐味(だいごみ)だと思う人です。テレビへの風当たりは厳しいですが、僕らはそんな青木さんと、誇りを持ってテレビ番組を作っていきます。
◆青木源太(あおき・げんた)
1983年(昭58)5月7日、愛知県岡崎市生まれ。慶大文学部史学科卒、06年に日本テレビに入社。「PON!」「バゲット」などでMCを務める。20年、退社しフリー転身。23年10月からカンテレ「とれたてっ!」のMCに就任を機に関西移住。趣味はエンタメ鑑賞、筋トレ。身長181センチ。
◆旬感LIVE とれたてっ!
23年10月2日にスタートしたカンテレ制作の情報番組。月〜金曜午後1時50分。曜日レギュラーとしてハイヒールリンゴ、ブラックマヨネーズ吉田敬、メッセンジャー黒田有、小籔千豊、不定期に弁護士の橋下徹氏が出演。9月からはフジテレビでも放送(第2部のみ)され、全国19の放送局で放送されている。
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