アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)/2025MotoGP第20戦マレーシアGP 10月26日、2025年MotoGP第20戦マレーシアGP MotoGPクラスの決勝レースがセパン・インターナショナル・サーキットで行われ、アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が優勝を飾った。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は10位でフィニッシュしている。
前戦に引き続き、今大会も3名のライダーが欠場。マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)の代役をミケーレ・ピロが務め、ホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)の代役にロレンツォ・サバドーリが、マーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)の代役にポル・エスパルガロが起用されている。また、アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)がワイルドカードで参戦し、V4エンジンを走らせる。
土曜日に行われた予選では、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がポールポジションを獲得。2番手はアレックス・マルケスで、3番手にはフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)が続いた。
2列目には4番手のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)、5番手のペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、スプリントでルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が並ぶ。
決勝レースはドライコンディションで行われ、気温は35度でスプリントと大差はないが、路面温度は大会中で最も高い55度まで上昇した。この条件に対し、すべてのライダーがリヤにソフトを選択。フロントタイヤはソフト勢とミディアム勢がほぼ半々に分かれた。
20周のレースがスタートし、ホールショットを奪ったのはバニャイアで、2番手がアコスタ、アレックス・マルケスの順で2コーナーに入っていく。そしてアレックス・マルケスは4コーナーでアコスタをオーバーテイクし、2番手に浮上。4番手にはクアルタラロ、5番手にアルデグエル、6番手にモルビデリが続いた。
そして2周目、フロントにソフトを履く2番手のアレックス・マルケスがフロントにミディアムを選んだバニャイアをとらえてトップに浮上。さらにバニャイアは3周目以降、アコスタとも順位を入れ替えながらのバトルとなった。
5周目、12番手を走行していたポル・エスパルガロが転倒。ライダーは無事で自力で立ち上がったが、ここでリタイアとなった。このころ先頭のアレックス・マルケスは2番手のバニャイアに対して約0.9秒のリードを築いている。そしてバニャイアの約0.3秒後方の3番手につけるアコスタまでが先頭集団を形成。
そのさらに後方は4番手のクアルタラロと5番手に上がってきたジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)がバトルを展開する。6周目、ミルはクアルタラロを抜きにかかるがオーバーランを喫してポジションは変わらず。その差は約0.4秒となった。
レース中盤、小椋はポイント獲得目前の16番手を走行し、15番手のアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)との距離を徐々に詰めている。そして9周目、小椋はリンスをかわして15番手に浮上。そのまま小椋は前を行くラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)を追う。
レース折り返しの10周目、5番手のミルが4番手を走るクアルタラロに再び挑み、4コーナーでミルが前に出た。さらにクアルタラロは強気のバトルを仕掛けてきたモルビデリにも先行を許し、6番手に後退する。
11周目、9コーナーでミゲール・オリベイラ(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)が転倒すると、翌12周目の1コーナーでは前戦で優勝を飾ったラウル・フェルナンデスが転倒。これにより小椋は14番手に上がった。
前方に動きがあったのは13周目で、ペースが上がらない2番手のバニャイアを3番手のアコスタがパス。アコスタやトップのアレックス・マルケスより硬いミディアムを履くバニャイアだが、後半に入っても苦しい展開が続く。
レース終盤となった残り5周、トップのアレックス・マルケスは2番手アコスタに約2.5秒の差をつけて独走。アコスタと3番手のバニャイアとの差は約1.5秒まで拡大しており、4番手にミル、5番手にモルビデリが続くトップ5だ。
中団ではシングルフィニッシュをかけて、9番手のエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)と10番手のヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)、11番手のルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)がバトルを展開。
残り4周の15コーナーで7番手を走行していたアルデグエルが転倒し、続く残り3周でバニャイアが突如スローダウン。コースを外れて走行し、ピットに戻ってレースを終えた。これによりミルが表彰台圏内の3番手に入っている。
残り2周、小椋はザルコをパスして11番手に浮上すると、その周の15コーナーでさらにマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)をオーバーテイク。スタートから7ポジションアップの10番手まで上り詰めた。
ラストラップも先頭はかわらずアレックス・マルケスで、独走のままトップチェッカー。第15戦カタルーニャGP以来、今季3度目の勝利を飾った。2位にはアコスタが入り、3位は第17戦日本GP以来の表彰台となるミルが続いた。
4位はモルビデリ、5位がクアルタラロ、6位がファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、7位がバスティアニーニで、8位にはマリーニが入り、ホンダワークスが2台でシングルフィニッシュを達成。小椋も最後まで順位を守り、10位でアジアラウンドを終えている。
[オートスポーツweb 2025年10月26日]