S耐岡山はseven x sevenがGr.1完勝。Gr.2はKTMSが制し、TGRR GR Yaris M conceptが衝撃のデビュー戦トップ争い

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2025年10月26日 22:20  AUTOSPORT web

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2025スーパー耐久第6戦岡山 グループ1のトップチェッカーを受けるseven x seven PORSCHE GT3R(BANKCY/渡会太一/藤波清斗)
 10月26日、岡山国際サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE第6戦『スーパー耐久レースin岡山』の決勝レースが行われ、午前のグループ2(Gr.2)は225号車KTMS GR YARIS(富下李央菜/鈴木斗輝哉/平良響)、午後のグループ1(Gr.1)は666号車seven x seven PORSCHE GT3R(BANKCY/渡会太一/藤波清斗)がトップチェッカーを受けた。

 シーズンも終盤に突入した2025年のスーパー耐久シリーズ。岡山国際サーキットが舞台となる第6戦には“お休み”となるST-4クラスを除く9クラス56台のマシンがエントリーし、台数の多さなどから、決勝は2グループに分けての3時間レースが行われた。


■グループ2:デビュー戦のミッドシップGRヤリスが快走もKTMSがウイナーに

 まず決勝日はST-2、ST-3、ST-5F、ST-5R、ST-Qの12号車MAZDA SPIRIT RACING RS Future concept、28号車TGRR GR86 Future FR concept、32号車TGRR GR Yaris M concept、104号車GR Yaris DAT Racing Conceptが出走するグループ2のレースが8時30分に開始された。

 コンディションは雨粒こそ小康状態だが、朝から降った雨の影響でコースは完全ウエット。ST-2クラスの95号車SPOON リジカラ CIVICがスリックタイヤに賭けたものの、その他の車両はレインタイヤを履いてのレースとなった。スタートはセーフティカー先導のもと、残り2時間54分からレーシングスピードでのレース開始。グループ2の最前列を独占したシンリョウレーシングチームのミツビシ・ランサーエボリューションXを先頭に31台のマシンが争っていく。

 レースは予選ワン・ツーの6号車新菱オートDXL☆ネオグローブEVO X、7号車新菱オートDXL☆MART☆VARISエボがレースをリードしていたが、その2台に割って入ったのは総合4番手からスタートしたST-Qクラスの32号車TGRR GR Yaris M concept。今大会から登場したミッドシップ四輪駆動のマシンは、6号車新菱オートDXL☆ネオグローブEVO Xもかわしてトップを快走する。

 総合トップの座は譲ったものの、ST-2首位を走行する6号車新菱オートEVO Xには、11番グリッドからスタートした225号車KTMS GR YARISが急接近。225号車はヘアピン進入で6号車新菱オートEVO Xのインを突いてST-2トップに浮上すると、その後も順調に走行を続け、レース残り2分で総合トップを走行していた32号車TGRR GR Yaris M conceptの前に出てグループ2総合優勝を飾った。

 ST-3クラスは、ウエットの序盤でクラスポールスタートの15号車岡部自動車フェアレディZ34、38号車TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWSの2台が1秒ほどで争う。しかし路面が乾いてきた後半に向けては、15号車岡部自動車フェアレディZ34が盤石のレースを披露してクラス優勝を決めた。

 ST-5Fはクラスポールの4号車THE BRIDE FITを、前戦で今季のチャンピオンを決めている67号車YAMATO FITがオーバーテイク。しかし4号車THE BRIDE FITも追いすがり、3番手の11号車SAKAE MOTOR SPORTS FITも加えた三つ巴バトルがレース全体で繰り広げられた。最終的に4号車THE BRIDE FITが逆転してST-5Fクラス優勝を飾り、67号車YAMATO FITが2位、11号車SAKAE MOTOR SPORTS FITが3位でチェッカーを受けている。

 ST-5Rは、クラスポールから88号車村上モータースMAZDAロードスターが終始レースをリードしてトップチェッカー。前戦での最終周接触という悪夢を乗り越え、ポール・トゥ・ウインで今季のST-5Rチャンピオンを決めてみせた。なお、ST-5F/Rクラスは最終戦富士がお休みとなるため、今回の第6戦が今季最終戦となった。

 開発車両が参戦するST-Qクラスは、序盤からグループ2トップを走行した32号車TGRR GR Yaris M conceptが最後はトップフィニッシュこそならなかったものの、デビュー戦で殊勲の総合3位完走を果たし、グループ2のST-Qで最上位に。また、総合5位には12号車MAZDA SPIRIT RACING RS Future conceptがクラス2位で入っている。


■小林利徠斗がグループ1序盤をリード。雨の逆転でseven x sevenが2週連続優勝


■グループ1:31号車レクサスがリードも666号車ポルシェが逆転勝利

 13時30分からはST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-1、ST-Qクラスの271号車CIVIC TYPE R HRC Conceptが出走するグループ1の決勝がスタート。午後になると雨は止み、気温も24度まで上がったドライコンディションで3時間レースが幕を開けた。

 ST-Xクラスは、スタートではポールスタートの666号車seven x seven PORSCHE GT3RのBANKCYがポジションを守るが、1周目のバックストレートで31号車DENSO LEXUS RC F GT3を駆る小林利徠斗が首位に立つ。2番手には81号車DAISHIN GT-R GT3の青木孝行が続き、666号車seven x sevenは3番手後退となる。

 トップに立った31号車DENSO LEXUS RC Fは、その後も小林が好ペースで走行を続け、中盤までレースをリードする。しかし、残り1時間を前にコース上にわずかに雨粒が落ち始め、トップ争いの間隔が詰まったところで666号車seven x sevenの渡会が31号車DENSO LEXUS RC Fの永井宏明をダブルヘアピンでオーバーテイク。

 これでトップ奪還に成功した666号車seven x sevenは最終スティントの藤波も盤石の走りでトップチェッカー。ポール・トゥ・ウインでスーパー耐久第6戦岡山を完勝し、seven x seven Racingとしては前週のスーパーGT第7戦オートポリスに続く連勝を飾った。31号車DENSO LEXUS RC Fは37.054秒差の2位、3位には777号車D'station Vantage GT3が入った。

 GT4規定車両によるST-Zは、スタートから34号車TECHNO FIRST FUNDINNO R8 LMS GT4を先頭に、26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4、52号車埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2がトップを争う。

 クラスポールから首位を快走していた34号車TECHNO FIRST R8だったが、1回目ピットストップで作業違反がありドライブスルーペナルティを科されポジションダウン。代わって26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4がクラストップに立つと、フィニッシュまで首位の座を譲らずに今季2勝目を飾った。

 ST-Zの2位には、レース終盤に大木一輝が追い上げをみせた20号車NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zが続き、ニッサンZニスモGT4がワン・ツーを飾った。そして3位には52号車埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2が入り、ランキング2位の885号車シェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2が他車との接触によりリタイアになったため、最終戦を前に52号車埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2の3年連続クラスチャンピオンが確定した。

 ST-TCRはクラスポールの97号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVICを、スタート直後に98号車WAIMARAMA Elantra N TCR、430号車エヴァRT初号機 RS3 LMSがオーバーテイク。フィニッシュまでこの3台が同一周回で優勝を争ったが、順位は変わらず98号車WAIMARAMA Elantra Nがクラス優勝、430号車エヴァRT初号機 RS3が2位、97号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが3位になっている。

 ST-1は2号車シンティアム アップル KTMがクラスポールからスタートを切るも、序盤に47号車D'station Porsche 992がオーバーテイクを決めると、そのまま優勝を飾り3連勝を達成。2号車シンティアム アップル KTMは20.856秒差の2位となった。ST-QはTeam HRCの271号車CIVIC TYPE R HRC Conceptのみの出走となったが大きなトラブルは見られず、ST-TCRを上回る総合16位で完走を果たしている。

 2025年スーパー耐久シリーズの次戦は、11月15〜16日に静岡県の富士スピードウェイで開催される第7戦『S耐ファイナル大感謝祭』でシーズン最終戦を迎える。チャンピオンがすでに決定したクラスもあるが、白熱の争いは最終戦でも繰り広げられるはずだ。

[オートスポーツweb 2025年10月26日]

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