
10月26日(日)の放送は「村上RADIO〜アナログ・レコードで、ジャズのちょっとこのあたりを…〜」をオンエア。今回は、村上DJの自宅レコード棚から味わい深いアナログ・レコードを紹介する貴重な特集。普段、あまり注目されることのないジャズの隠れた名曲を、村上DJのセレクトと絶妙な解説でお届けしました。
この記事では、前半2曲について語ったパートを紹介します。
「村上RADIO」
◆Gene Harris「Killer Joe」
ジーン・ハリスはスリー・サウンズという黒人ピアノ・トリオで長い間活動していましたが、1973年に独立して、フリーランスのピアニストとして活躍するようになります。この『Gene Harris of the Three Sounds』というタイトルのブルーノート盤は、彼のソロ名義第1作にあたります。演奏メンバーはコーネル・デュプリーとサム・ブラウンのギター、ロン・カーターのベース、フレディ・ウェイツのドラムズと、スリー・サウンズ時代とはがらっと変わった面子(めんつ)ですが、新しいフィールドに踏み出したばかりのハリスの演奏はいかにも溌剌(はつらつ)としています。ベニー・ゴルソンの名曲「キラー・ジョー」を聴いてください。バシッとかっこいいです。
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次はアール・ハインズを聴いてください。曲は「Fantastic, That's You(君はファンタスティック)」、ジミー・ハミルトンのクラリネット、アーロン・ベルのベース、エルヴィン・ジョーンズのドラムズです。エルヴィンがトラディショナル・ジャズっぽいドラミングを聴かせて、微笑ましい演奏になっています。
アール・ハインズはジャズ・ピアノの草分けと言われる人で、彼がいなかったらジャズ・ピアノの歴史は今あるものとはかなり違うものになっていただろうと言われています。1926年に吹き込まれたルイ・アームストロングの「ホット・ファイヴ」におけるハインズの演奏は歴史に残る貴重な演奏になっています。この人は1903年の生まれですが、活躍した期間は長くて、演奏スタイルも時代に合わせて微妙に変化し、1970年代まで現役としてしっかり活躍していました。
この『Once Upon A Time』というインパルスから出したレコードでは、エルヴィン・ジョーンズみたいな新世代のミュージシャンとも共演して、年齢を感じさせない闊達(かったつ)なプレイを聴かせてくれます。1966年の録音です。
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<番組概要>
番組名:村上RADIO〜アナログ・レコードで、ジャズのちょっとこのあたりを…〜
放送日時:10月26日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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