
10月26日(日)の放送は「村上RADIO〜アナログ・レコードで、ジャズのちょっとこのあたりを…〜」をオンエア。今回は、村上DJの自宅レコード棚から味わい深いアナログ・レコードを紹介する貴重な特集。普段、あまり注目されることのないジャズの隠れた名曲を、村上DJのセレクトと絶妙な解説でお届けしました。
この記事では、中盤2曲について語ったパートを紹介します。
「村上RADIO」
◆Don Randi Trio + 1「Space Odyssey: Thus Spake Zarathustra」
ドン・ランディはキーボード奏者ですが、どちらかといえば西海岸の腕利きのスタジオ・ミュージシャンとして名を知られていて、ハル・ブレインを中心とするミュージシャン集団「レッキング・クルー」の中心メンバーの1人でした。数多くのレコーディング・セッションに参加していますが、有名なところではビーチボーイズの「グッド・ヴァイブレーション」と「ゴッド・オンリー・ノウズ」でキーボードを弾いています。
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ランディさんはロサンジェルスに「ベイクト・ポテト」というライブハウスを所有していて、そこでよく自分のバンドを率いて演奏をしていました。これはその「ベイクト・ポテト」での1972年のライブ録音です。お店のカジュアルで親密な雰囲気がひしひしと感じられます。
◆Pepper Adams「Star-Crossed Lovers」
ペパー・アダムズはジェリー・マリガンと並んでバリトン・サックスの代表的なプレイヤーでした。マリガンが知的な都会風の雰囲気を漂わせているのに比べて、ペパー・アダムズは野性的な、ばりばり鋭いサウンドが売りでした。またマリガンが終始自分のバンドで演奏していたのに対して、アダムズはいろんなセッションに顔を出して、いわば他流試合で顔を売る、みたいな活動をしていました。いろんな面で2人は対照的だったんですね。
しかし、もしこの2人がいなかったら、ジャズの歴史の中でバリトン・サックスは、ただでかいだけの不器用な楽器、みたいなことで終わっていたかもしれません。ペパー・アダムズ・クインテットの演奏する「スター・クロスド・ラヴァーズ」を聴いてください。デューク・エリントンの作曲した美しいバラードです。
テナーサックスはズート・シムズ、ピアノはトミー・フラナガン、ベースはロン・カーター、ドラムズはエルヴィン・ジョーンズ。当時の最高のメンバーですね。1968年の録音です。前にも1回かけたことがあるんですけど、好きなんでもう一度かけます。しつこく。
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<番組概要>
番組名:村上RADIO〜アナログ・レコードで、ジャズのちょっとこのあたりを…〜
放送日時:10月26日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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