笹川平和財団上席フェローの渡部恒雄氏 渡部恒雄・笹川平和財団上席フェローの話 日米首脳会談では、中国が輸出を規制し対米交渉の脅しに使っているレアアース(希土類)について、日米による供給網構築で一致した。中国の「経済的威圧」を無効化しようとするもので、米側としては米中首脳会談を控える中、強固な日米関係を中国に対する圧力の一つとしたい考えだろう。
米国民がトランプ外交で一番期待していることは中国との通商交渉をうまくまとめることで、トランプ氏も今回のアジア歴訪での大きな仕事だと認識しているはずだ。仮に高市氏が首相でなかったとしても、米側は日本と同様の文書をまとめようとしただろう。
日米同盟が中国に対抗する上で有効な手段になるとトランプ氏に再認識させることができたのはよかった。トランプ氏は同盟関係を多少犠牲にしても中国との取引成立を優先させかねないところがある。日本は常にその事態を警戒し、同盟のメリットをアピールし続ける必要がある。
トランプ氏は保守的で強い指導力を持つ政治家を好む。高市氏とは良い関係が築けたようだ。