オリバー・ベアマン(ハース) 2025年F1第20戦メキシコシティGP ハースF1のオリバー・ベアマンは、10月26日に行われたメキシコシティGPで『ドライバー・オブ・ザ・デイ』に選ばれるのにふさわしいドライバーだった。この若きイギリス人ドライバーは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、メルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリ、そしてルイス・ハミルトン(フェラーリ)を抑え、ハースにとって過去最高位に並ぶ4位を獲得という素晴らしいパフォーマンスを見せたのだ。
しかし、彼は明らかにそれ以上のことを望んでおり、公然と次のように述べた。「僕は3位を目指していたし、ハース初の表彰台を目指していた。それが今日の僕のターゲットだった。でも4位も素晴らしいし、2台が得点圏内に入ったので、僕たちは多くのポイントを獲得した」
ハミルトンがふたたび苦戦したこの日、ベアマンが3戦連続でトップ10入りを果たし、さらにレース全体を通して”ビッグボーイズ”と戦い続けたことは、ハミルトンとフェラーリの契約が終了する2026年末に、二十歳のベアマンがこのベテランの後継者となる可能性を示す好材料となった。
ベアマンはスクーデリア・フェラーリ内で高く評価されている。とくに昨年のサウジアラビアGPで鮮烈なデビューを果たしてからはなおのことだ。当時ベアマンは体調を崩したカルロス・サインツに代わって土壇場でFP3から出場し、ランド・ノリス(マクラーレン)とハミルトン(メルセデス)を抑え、初陣で7位という驚異的な順位でレースを終えたのだ。
今シーズンの初めから、フレデリック・バスール(フェラーリF1チーム代表)がベアマンの進歩を注意深く見守ってきたことは明らかであり、同氏はメキシコで目にしたことに大喜びしていた。
「ある時点で、私は彼が表彰台を獲得するのではと思っていたほどで、本当によくやっていた」と、バスールはグランプリ終了後に語った。
「シーズン序盤から振り返ってみると、ベアマンは順調にやっている。彼は週末、予選でもレースでも小さな問題を抱えることがよくあったが、今週末はすべてをうまくまとめ上げた。彼はミスを一切せず、それが功を奏した」
ベアマンは先週末のレースで素晴らしいスタートを切り、6番手まで順位を上げた。その後、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がハミルトンとラッセルと争っていたことがベアマンにとってプラスとなり、彼は順位をふたつ上げることに成功する。フェラーリのドライバーがペナルティを受けたとき、二十歳のイギリス人は事実上3番手につけ、サイドミラーにはフェルスタッペンが映っていたが、ひとつのミスもなく24周目にピットインするまで世界チャンピオンの前を走り続けた。
ベアマンは、そのピットストップ後について、「ピットストップを指示されるまで、タイヤを最後まで使い続けていた」と告白した。
また彼は、2ストップを行うという遅い段階での決断に少々戸惑いながらも、次のように認めている。「僕たちのポジションでは、ピットインせずに表彰台を目指すのは少々リスクがあって、6位か7位でフィニッシュする可能性があったと思う。表彰台に立つチャンスを逃したかもしれないが、僕たちは着実に入賞圏内のポジションを固めるという正しい選択をしたと思う」
慌ただしい最初の数周については、「スタートはよかった。僕は2台のメルセデスの間に入って、その後も良いペースがあったと思う。ハミルトンとマックス(・フェルスタッペン)が近づいてきたが、僕もそこからも恩恵を受けた」
「マックスとサイド・バイ・サイドになったときは震えてしまった」と告白したベアマンはすぐに次のようにつけ加えた。
「F1を見始めた頃から注目してきた人たちとホイール・トゥ・ホイールで走るのは本当にクールだ! それに、彼がずっとミラーに映っていたから、レースではこれまでで一番のプレッシャーを感じたかもしれない」
[オートスポーツweb 2025年10月29日]