医療事故調査制度に関する厚生労働省の検討会=29日、東京都港区 予期せず患者が死亡した際に原因を調べる「医療事故調査制度」の見直しを議論してきた厚生労働省の検討会は29日、報告書を大筋で取りまとめた。死亡事例が医療事故に当たるか判断する手順について、医療機関ごとに指針に明記するよう義務付ける方針を盛り込んだ。厚労省は来年度にも省令などを改正する。
同制度は2015年10月に開始。医療機関は予期せず患者が死亡した場合、第三者機関に報告した上で、自ら原因を調査する。ただ、制度対象となる医療事故に該当するかの判断は医療機関に委ねられ、報告数の低迷などが指摘されていた。
報告書案は、医療機関が全ての死亡事例をチェックして会議を開くなど判断プロセスを整備し、医療安全管理指針に明記するよう提示。判断過程を記録、保存することも必要だとした。病院長ら判断に携わる人の研修受講も求めた。