2025年F1第20戦メキシコシティGP フランコ・コラピント(アルピーヌ) アルピーヌF1チームの関係者によると、フランコ・コラピントが2026年にチームに残留する可能性が高まっているという。アメリカGP決勝ではチームオーダーを無視したことで、彼は厳しい立場に立たされていた。
アメリカGP決勝残り2周のところで、コラピントはチームからの指示を無視して、前を行くチームメイトのピエール・ガスリーを強引に追い抜いた。チーム首脳陣はこれに憤り、レース後、コラピントに対し、次にチームオーダーを無視すれば解雇すると厳しく警告したという。
コラピントは、次のメキシコシティGPの週末の初めに、ガスリー、チーム首脳陣をはじめとするレースチーム全体に謝罪し、「チームオーダーは常に従うべきものであることを理解し、受け入れる」と明言した。
彼がこの件について反省の色を見せたこと、夏休み以降のレースで好調さを維持し、メキシコでも良好なパフォーマンスを発揮したこと、さらに南米のスポンサーから大きな支援を得ていることが、アルピーヌの2026年ドライバー選択において、コラピントに有利に働いているようだ。
コラピントの主要スポンサーであるアルゼンチンのeコマース企業メルカド・リブレは、最近アルピーヌとの契約を延長し、チームへの支払額を増やした。そう遠くない将来、メルカド・リブレがBWTに代わってタイトルスポンサーとなる可能性もある。
コラピントの支援ポートフォリオの中には、メキシコの大富豪カルロス・スリムが所有する企業を含む複数の企業が名を連ねており、その存在は、アルピーヌF1チームの財政面にとって重要な位置を占めている。それもまた、2026年のピエール・ガスリーのチームメイト候補としてコラピントを選ぶ理由になるだろう。
アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、来季ドライバー候補は、コラピントとリザーブドライバーのポール・アーロンであると述べている。しかしブリアトーレとチーム首脳陣は、スピードと一貫性の面で、コラピントとアーロンの間には大きな差はないと考えている。さらに、アーロンは完全なルーキーであるのに対し、コラピントがすでに実戦の経験を積んでいることは、彼に有利に働く。
最近ブリアトーレは、彼にしては珍しく自己批判を行い、現在のF1マシンがルーキーにとってどれほど難しいかを過小評価していたと認めた。ブリアトーレは今季初めに、ジャック・ドゥーハンをわずか6戦で降ろし、コラピントを昇格させたが、コラピントも最初は苦戦した。しかしサマーブレイク後、コラピントはパフォーマンスを向上させ、経験豊富なガスリーを予選で時折上回り、レースでも彼と互角に渡り合えるようになってきた。つまり、若手ドライバーには適応のための時間がある程度必要だということであり、それが、アーロンに対してコラピントが優勢な理由にもなっている。
[オートスポーツweb 2025年10月30日]