『爆弾』©呉勝浩/講談社 ©2025映画『爆弾』製作委員会山田裕貴の本気は、無敵である。
特撮ヒーローモノ「海賊戦隊ゴーカイジャー」が俳優デビューだから? 『東京リベンジャーズ』の“ドラケン”だから? 大河ドラマ「どうする家康」では戦国最強とも呼ばれる徳川四天王の1人、本多忠勝だったからなのか…?
この人なら何とかなるんじゃないか、何とか道を切り拓いてくれるんじゃないか。そう思わせてくれる本気、それを成し遂げられる周到な賢さと熱量を持ち合わせている。
最新映画となる極限のリアルタイムミステリー『爆弾』で演じるのは、警視庁捜査一課の刑事・類家。爆弾の存在を予告する謎の男・スズキタゴサク(佐藤二朗)に観客もろとも周囲が翻弄されていく中、スズキタゴサクに真っ向から対峙する交渉人役はこれ以上ないキャスティングだ。
これまで解禁されてきた情報や映像からも分かるように、佐藤が演じるスズキタゴサクは無邪気なうえに不気味で狡猾、底知れない怖ろしさを秘めた令和映画史上最もヤバいおじさんである。
そんな彼を“タゴちゃん”と呼ぶ類家は、もじゃもじゃの天然パーマに丸メガネ、シワの入ったスーツに似合わないスニーカーという野暮ったい姿で“猫を被り”、ずば抜けた推理力と観察力でスズキタゴサクの揺さぶりにも動じることなく、互いに一歩も引かない緊迫の心理戦を繰り広げていく。
2025年は、この『爆弾』をはじめ主演映画が3本連続公開されている山田。
『木の上の軍隊』では終戦を知らずに2年間、上官の山下(堤真一)とガジュマルの木の上で生き抜いた純朴な新兵・安慶名に。『ベートーヴェン捏造』ではベートーヴェン(古田新太)を天才音楽家に仕立てる忠実な秘書・シンドラーを演じた。
『爆弾』の類家役を選んだのは、『東京リベンジャーズ』でも組んできた本作プロデューサー・岡田翔太氏の“類家は山田で”というお墨付きがあったためだ。そのストイックなまでの役づくりと、前のめりで役に入り込んでいく姿、そして世の中を見つめる問題意識は重なるところがありそうだ。
パッと見、何を考えているか分からないが内に確固とした信念を築いてきたNHKよるドラ「ここは今から倫理です。」の高校の倫理教師・高柳の姿も思い浮かぶ。
さらに今後は、TBSとU-NEXT、クリエイティブスタジオ・THE SEVENによる「ちるらん 新撰組鎮魂歌」の主演で、青い炎のような高温度の情熱を土方歳三役にぶつける。
なお、10月26日(日)には「山田裕貴のオールナイトニッポン ドラゴンフェニックス甲子園」を横浜アリーナにて開催。ライブやトーク、企画で沸かせるエンターテイナーの心も忘れていないのだ。
☆山田裕貴
生年月日:1990年9月18日 出身地:愛知県
主な出演作:映画『ストロボ・エッジ』『闇金ドッグス』『あゝ、荒野』『万引き家族』『あの頃、君を追いかけた』『余命10年』『夜、鳥たちが啼く』『東京リベンジャーズ』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-/-決戦-』『ゴジラー1.0』『BLUE GIANT』(声優)Netflix映画『ULTRAMAN:RISING』(声優)『キングダム 運命の炎』『キングダム 大将軍の帰還』など。
ドラマ「特捜9」シリーズ、連続テレビ小説「なつぞら」「ちむどんどん」、「ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜」、大河ドラマ「どうする家康」、「ペンディングトレインー8時23分、明日 君と」「君が心をくれたから」など。
『爆弾』は10月31日(金)より全国にて公開。
『木の上の軍隊』『ベートーヴェン捏造』は順次公開中。
「ちるらん 新撰組鎮魂歌」は2026年春、スペシャルドラマがTBSにて放送、ドラマシリーズがU-NEXTにて独占配信予定。
(上原礼子)