『楓』Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会福士蒼汰と福原遥が共演する映画『楓』の新たな映像が公開された。
本作は、「スピッツ」の名曲「楓」を原案に、双子の弟・恵を失くした涼(福士蒼汰)と、亡くなった恵の恋人・亜子(福原遥)が辿る切なすぎる運命の恋の物語。
すでに、主題歌として「スピッツ」の「楓」が本編で流れることは決定していたが、今回さらに、劇中を様々な「楓」が彩るアイディアが、監督によって取り入れられたことが明らかに。いくつかの物語の重要なシーンで「楓」が流れることにより、歌詞とメロディー、そしてシーンが絶妙にリンクし、観客の記憶の奥底にある感情に語りかける。
そんな劇中歌としての「楓」のひとつ、アーティストによるスペシャルカバー第1弾として、シンガーソングライター・十明(とあか)が参加。
「TikTok」に投稿した弾き語り動画をきっかけに、野田洋次郎(RADWIMPS)に見出され、『すずめの戸締まり』の主題歌のボーカリストとして参加し、「絶対零度〜情報犯罪緊急捜査〜」の主題歌も担当している十明。「楓」を透明感あふれるまっすぐな歌声で奏でるフィーチャレット映像が公開された。
楽曲への思いを語りながら、行定勲監督と打合せをし、レコーディングに臨む様子など、前半は等身大な彼女の姿が映し出され、後半では、劇中の切なさが滲む印象的なシーンが次々と重なる。特にフォーカスされるのは、亡くなった恵の恋人・亜子(福原遥)の様々な表情。目の前に現れた兄の涼を、恵だと思い込んでしまう亜子。病室で不安そうな表情や、泣きながら涼(福士蒼汰)に駆け寄るシーン、心を落ち着けるように自分の頭に手を添えるなど、揺れ動く感情が伝わり、亜子の秘密に迫る映像となっている。
十明による「楓」を物語中盤のクライマックスシーンの導入に取り入れたという監督は、「映画の中では、運命的な楽曲『楓』が流れるたびに、登場人物たちが心の奥に隠し持っていた記憶が呼び覚まされます。十明さんの透明感のある声には、語りかけるように聴く人をいざなう力があります」と太鼓判を押し、音楽プロデューサーを務めたYaffleは「十明さんの陰を帯びた清廉な歌声が慈愛のように曲全体を優しく包んでくれています。レコーディング中もどんどん感覚を掴んでいったようでとても素晴らしかったです」と語る。
そして本作について十明は、「かつての大切な人たちと過ごした時間を思い出させてくれました。もう二度と訪れないと分かっているはずなのに、目の前の現実と重ねてしまう。心の奥にしまったはずの幸せな思い出が溢れて出てしまう。胸が苦しくいっぱいになるけれど、悲しみも切なさも、愛おしさも全て抱きしめて、今を生きていこうと思うことができる素敵な作品でした」と感想をコメントしている。
コメント全文
十明
『楓』という作品は、かつての大切な人たちと過ごした時間を思い出させてくれました。
もう二度と訪れないと分かっているはずなのに、目の前の現実と重ねてしまう。
心の奥にしまったはずの幸せな思い出が溢れて出てしまう。
胸が苦しくいっぱいになるけれど、悲しみも切なさも、愛おしさも全て抱きしめて、今を生きていこうと思うことができる素敵な作品でした。
この映画がたくさんの人の心と重なり合いますように。
行定勲 監督
この『楓』を撮るにあたり、映画の最後で流れるスピッツのフルコーラスへと繋がっていくように、
劇中で「楓」の楽曲をリフレインさせてはどうだろうかと提案しました。
それにおいては今回のカバーアーティストによる声も欠かせない存在でした。
映画の中では、運命的な楽曲「楓」が流れるたびに、登場人物たちが心の奥に隠し持っていた記憶が呼び覚まされます。
その中盤のクライマックスシーンの導入にふさわしい声として、十明さんに「楓」を歌っていただきました。十明さんの透明感のある声には、語りかけるように聴く人をいざなう力があります。
スピッツの歌、特に『楓』には“生と死の境界線”にあるような感覚が宿っていると感じています。本作で描いているのは現世を生きている人たちの姿ですが、どこか魂の目線から見つめているようでもあり、生と死、現と彼方が表裏一体になっています。
十明さんがまっすぐに「楓」を歌う姿は、まるでその境界に立って歌っているかのようで、作品の世界観に深く寄り添ってくれたと感じています。
Yaffle 音楽プロデューサー
この楽曲の構造的な強度がまた違った角度で伝わるように簡素で冗長性が高いものになるように意識しました。十明さんの陰を帯びた清廉な歌声が慈愛のように曲全体を優しく包んでくれています。
レコーディング中もどんどん感覚を掴んでいったようでとても素晴らしかったです。
『楓』は12月19日(金)より全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)