
【写真】綾野剛の“男の色気”を活写 写真家・野村佐紀子による場面写真
本作は、荒井が長年の念願だった吉行淳之介による芸術選奨文部大臣受賞作品を映画化したR18+指定の異色作。過去の離婚経験から女を愛することを恐れる一方、愛されたい願望をこじらせる40代小説家の日常を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながらつづっている。
主人公の矢添克二を演じるのは、荒井と『花腐し』でもタッグを組んだ綾野剛。これまでに見せたことのない枯れかけた男の色気を発露し、過去のトラウマから、女を愛することを恐れながらも求めてしまう、心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ないキャラクターを生み出した。
そして、矢添を取り巻く女たち―女子大生の紀子を演じるのは咲耶。女性を拒む矢添の心に無邪気に足を踏み入れる。矢添のなじみの娼婦・千枝子を演じるのは、荒井作品3作目の出演となる田中麗奈。綾野演じる矢添との駆け引きは絶妙で、俳優としての新境地を切り開く。さらには、柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子らが脇を固める。
今回解禁されたアザービジュアルには、ブランコを漕ぐ紀子(咲耶)と、それを自宅マンションから見下ろす矢添(綾野)の姿が、空気感とともに切り取られている。撮影を担当したのは写真家・野村佐紀子。荒井監督とのタッグは『身も心も』『火口のふたり』『花腐し』に続く4作目となる。
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あわせて、場面写真も一挙5点が解禁された。これらもすべて、写真家・野村佐紀子による撮影である。女性を愛することを恐れながらも求めてしまう―布団の上に座り、女の影に照らされる矢添。奇妙な関係性を映し出す矢添と紀子の2人。そして、公園でひとりブランコに乗る娼婦・千枝子…。矢添のこじらせた繊細な心情と、つかみどころのない女性たちの姿が捉えられている。
また、クラシカルな郵便ポストと紀子のファッションが印象的な1枚は、舞台である1969年当時の風俗を想起させる。さらに、憂いを帯びた表情で煙草をくゆらせる矢添のカットは、同じく作家であり、“モテ男”として知られた原作者・吉行淳之介をどこか彷彿とさせる。綾野はこれまでにない“男の色気”を漂わせている。
時代の空気や質感をスクリーンに転写したいという荒井監督の意図から全編モノクロで撮影されている本編同様、モノクロの世界を映し出す野村の写真は、本作の魅力を際立たせる。
映画『星と月は天の穴』は、12月19日より全国公開。
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