
キリンビールは11月18日、期間限定チューハイ「キリン 氷結mottainai ふじりんご」を全国で発売する。生産者が直接商品を販売できる通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンと協働し、規格外で廃棄予定だった長野・青森県産の「ふじりんご」を活用する。フードロス削減と農家支援につなげる狙いだ。
【画像】「キリン 氷結mottainai ふじりんご」(オープン価格)
さらに12月2日には、キリンビバレッジの「キリン 午後の紅茶」ブランドからも、同様に規格外のふじりんごを活用した期間限定商品「キリン 午後の紅茶 mottainai ふじりんごティー」を全国で発売する。
両ブランドが同一コンセプトの商品を発売するのは初めてで、キリングループ横断の「モッタイナイ!を、おいしい!に。プロジェクト」として展開する。
ビビッドガーデンの調査によると、近年、猛暑暖冬などの気候変動により規格外品が増加傾向にある。氷結ブランドでは2024年5月から、規格の問題で廃棄される予定の果実を「モッタイナイ果実」と位置付け、商品を展開してきた。売り上げ1本につき1円を、日本の果実農家支援のために寄付している。
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9月末までのシリーズ累計では約480人の農家が協力し、約86トンのフードロス削減を達成。寄付金総額は約2300万円に上る見込みだ。
●「氷結mottainai」シリーズは若手に人気
「キリン 氷結mottainai ふじりんご」では、色付きの悪さやサイズなどの理由で廃棄予定だった長野・青森県産のふじりんごを使用する。ビビッドガーデンの農家とのネットワークを活用し、「キリン 氷結mottainai」シリーズとして初めて複数産地の果実を利用する。
ふじりんご特有の甘みと酸味のバランスを生かし、満足感がありながらもすっきりとした味に仕上げたという。約21万ケースの販売を目標に、約480万円の寄付と、ふじりんご約2万8000個分にあたる約9.6トンのフードロス削減を目指す。
「氷結スタンダード」が30〜40代のお酒ライト層、「氷結無糖」が40〜50代のお酒好き層を中心に支持されている一方で、「氷結mottainai」シリーズは20〜30代の若年層に人気が高い。商品イメージの好感度も若年層で特に高い傾向にあるという。
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●午後の紅茶でも同じコンセプトの商品を発売
ビビッドガーデンとの協働で、想定以上に規格外の果実を集められたことから、キリンビバレッジの「キリン 午後の紅茶」からも同じコンセプトの商品「キリン 午後の紅茶 mottainai ふじりんごティー」を発売する。
担当者によると、消費者は“おいしさ”以外の価値も重視する傾向が強まっているという。購入を通じてフードロス削減や農家支援に貢献できることをアピールし、社会貢献への共感が高い若年層を取り込む狙いだ。
「キリン 午後の紅茶 mottainai ふじりんごティー」では約20万ケースの販売、約3.9万トンのフードロス削減、約480万円の寄付を目指す。
●若年層の支持高く プロジェクトに賛同して入社した新入社員が担当も
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キリングループの若い世代が中心となって企画している点も、今回のプロジェクトの大きな特徴だ。ビビッドガーデンも20〜30代社員が中心のスタートアップで、プロジェクトに参加する農家も次世代を担う若手が多いそうだ。
キリンビールで氷結ブランドを担当する當麻汐音氏は「プロジェクト発足当初から、社会課題に向き合った商品は20〜30代のお客さまから特に支持されるのではと予想していた。プロジェクトリーダーも20〜30代が多く、社内外のパートナーも若い方が中心」と説明。
キリンビバレッジのマーケティング部で午後の紅茶ブランドを担当する加藤華氏は、同プロジェクトに共感したことが入社の決め手の一つになった、2025年4月入社の新入社員だ。「今回、プロジェクトメンバーとして参加できてうれしい。若い世代で盛り上げていきたい」と意気込んだ。
同プロジェクトでは、2027年までにモッタイナイ果実の年間250トン削減を目指す。キリンビールの執行役員で、マーケティング部長を務める今村恵三氏は「志を同じくする仲間を増やしながら、より豊かで持続可能な社会の実現を目指す」と語った。
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