
幻の魚と呼ばれることもある高級魚・クエを釣り上げた海の中に潜り、海底がどうなっているのか調査する様子がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で、21万2000回以上再生されています。
動画を投稿したのは、水中の生き物を観察したり海の保全活動に取り組んだりしているYouTubeチャンネル「スイチャンネル sui-channel」。以前には、4年前に港で放流された4000匹のクエの行方を調査した様子が話題となりました。
そんなスイチャンネルさんは先日、ゴミだらけの海を清掃した場所で、人生初のクエを釣ることに成功したのだそうです! 今回はそのクエを釣った海に潜って海底がどうなっているのか、また他にもクエがいるのか調べてみます。
早速海へと潜っていくと、程なく岩の海底に到着しました。どうやら沖側が崖になっているようで、水深8メートルほどの場所で周囲を見回してみたところ、カンパチの群れを発見。幸先が良いスタートに心を躍らせつつ、一番深い場所を目指していきます。
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道中で立派なサンゴや潮通りが良い証拠であるウミトサカを発見しつつ、クエを釣った水深20メートルくらいの場所を目指していくスイチャンネルさん。やがて見えてきた海底は砂地になっていて、フルサイズのオオモンハタが泳いでいました。
水深18メートルほどの海底は思ったより岩が少なく、平坦な砂地が続いています。周囲の魚影は薄いものの、よく見てみると大量のハナハゼの姿が。この魚はハタ類の大好物で、オオモンハタは砂地でよくこの魚の出待ちをしているそうです。
ただオオモンハタと同じハタ類であるクエがいそうな岩が少なく、砂地側は魚影が薄いため、岩場との境を探索してみることに。すると不思議なことに、オオモンハタが5匹ほど集まっていました。なぜかと思って近づいてみると、そこにはクロホシイシモチの幼魚の群れが。夏はこの幼魚が群れている場所で、ハタ類をよく見かけるそうです。
その後もとてもカラフルなウミウシのフリエリイボウミウシや、イシガキダイなどさまざまな生き物を発見しますが、目的のクエにはなかなか出会えません。オオモンハタばかりだと思いながら探索を続けていると、何やら雰囲気が違う場所にたどり着きました。
岩の亀裂に沿う形で上がっていくと、カンパチの群れに遭遇。この辺りは妙に魚影が濃く、水面が暗いと思ったら……水面をキビナゴの大群が埋め尽くしていたのでした。とんでもない規模のキビナゴの群れがまとまって泳ぐ姿は、圧巻の一言。カンパチを含む魚たちは、このキビナゴを狙っていたのですね。なお水深は10メートルほどと、かなり浅い場所だったそうです。
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しかしカンパチやオオモンハタはいるものの、今回の目的であるクエにはまだ出会えていません。そこでクエを探すため、もう一度下に降りてみると……ようやくお目当てのクエを発見!しかも先日、スイチャンネルさんが釣ったクエより大きかったそうです。クエを発見した水深は13メートルほど、思ったより浅い場所にいたのですね。
警戒心が強すぎてなかなか接近はできないけれど、クエがいることが確認できてよかったと安堵しつつ、最後に水深15メートル付近を散策していると、さらに大きな2匹目のクエを発見出来ました。1時間ほどの調査で2匹のクエを発見することに成功したスイチャンネルさんですが、「正直もっといると思っていたけれど、思いのほか少なかった」とコメントしています。
なおこの後、海中を大量に泳いでいたカンパチを狙って釣りをしたそうですが……残念ながら1匹も釣れなかったそうです。狙いすぎてしまうと、釣れないものなのかもしれませんね。
動画には、「ワクワク!」「なんか感動してしまった」「キビナゴの群れキレイですね〜。それを捕食するカンパチもカッコいい!」「実際に釣れたとこの海の中(深い所)どうなってるか見れるのすごいしキレイだし、ものすごい大群とかも見れておもしろかった!」「豊かな海は見ていて気持ちがいいですね、キビナゴすごかったです」といったコメントが寄せられています。
海の生き物に関する情報は、YouTubeチャンネル「スイチャンネル sui-channel」やX(Twitter/@suichan7)で発信中。また、磯焼けを防ぐために長崎の海で実施した環境保全活動の記録をまとめた書籍『プロダイバーのウニ駆除クエスト 環境保全に取り組んでわかった海の面白い話』(KADOKAWA)が販売中です。
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画像提供:YouTubeチャンネル「スイチャンネル sui-channel」
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