映画『爆弾』名古屋舞台あいさつに登壇した山田裕貴 (C)呉勝浩/講談社(C)2025映画『爆弾』製作委員会 俳優・山田裕貴が9日、地元の愛知・名古屋市内で行われた主演映画『爆弾』(公開中)大ヒット御礼舞台あいさつに登壇した。
【写真多数】「こんなに幸せなことはない」名古屋に登場した山田裕貴
山田が永井聡監督とともに「ミッドランドスクエア シネマ」に登場すると、大歓声。「盛り上がりが凄い!」「海外プレミアか何か!?」と驚くほどの状況のなかでのトークとなった。
映画は、類家役の山田とスズキタゴサク役・佐藤二朗との対峙シーンが見どころ。山田は「二朗さんの膨大なセリフ量、波を作って観客を引き込む芝居、アドリブの妙……本当にすごい方。熱量もテンポも落とさず、新たな発見があればセッションしようとしてくれて、楽しすぎてまさに類家の気持ちでした。『はー!楽しいー!』と思える現場でした!」振り返った。
大先輩たちとの共演について、山田は「今年は『木の上の軍隊』『ベートーヴェン捏造』、そして『爆弾』と、5ヶ月間ですべて撮影していて、その間にそうそうたる先輩俳優の方々と向き合い続けてきた。天から修行させられているようで、毎日120%で挑んでいました」と俳優人生の充実ぶりを語った。
永井監督が「山田君は本当に裏表がなくて、悪口も言わないしすごくピュアで、本当にいい子だなと思いました。愛知県から生まれたんだね」と微笑むと、山田がすかさず「愛を知る県ですから!」と返し、会場は笑いと拍手に包まれた。
主演俳優として特に感謝を伝えたい相手を問われると、山田は「とてつもなく面白い原作を生み出してくださった呉勝弘先生、そして永井監督はもちろん、キャスト、スタッフ、全員に感謝しています」と感慨深げに語り、「僕のばあちゃんが別の劇場でウン十年ぶりに映画を観ているらしくて、それもすごくうれしいです。爆発のシーンとか心配ですけど…無事を祈ります!(笑)」と笑いを誘っていた。
山田は「『爆弾』は、“踏みとどまれるか、踏みとどまれないか”を描いた映画だと思っています。類家は、踏みとどまれる人。世界を、社会を、人間をあきらめていても踏みとどまれる人なんです。タゴサクは、踏みとどまれなかった人だと思う。人の優しさや孤独を思い出させてくれる作品です。だけど、悪い人が本当に悪さをしたくしているのか、そこには何かあるんじゃないかと思えるだけで、人に優しくできる気がしていて。もしタゴサクのような状況になったとき、自分は踏みとどまれるか――そう問いかけてくれる映画だと思います。この映画がどんな形でも、たくさんの人の心に届いたら嬉しいです。そしてみなさんの感想で、ぜひ『爆弾』を“爆発”させてください!」と熱くメッセージを送った。
同作は、「このミステリーがすごい!2023年版」「ミステリが読みたい 2023年版」で1位を獲得した呉勝弘氏の同名小説を実写映画化。酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された謎の中年男(佐藤二朗)が、自らを「スズキタゴサク」と名乗り、都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。彼はいったい何者なのか、そして仕掛けられた“爆弾”の正体とは。警視庁捜査一課の類家(山田)が真正面から勝負を挑む。