
11月7日に行われた衆院予算委員会。これに臨むために高市早苗首相(64)は同日午前3時に首相公邸に入り、自身の勉強会に励んでいた。
そして、同日午前9時前に始まった委員会で、立憲民主党の黒岩宇洋議員(59)から、明け方に出勤した理由を問われると、高市氏は「(省庁が作成する答弁書が)できあがる時間が概ね3時ということで、3時に公邸に行った」と説明。質疑に先立って、各党の議員が政府に事前に通告する質問が、6日夕方の時点で出揃っていなかったという。
高市氏のハードワークぶりが波紋を呼ぶ中、元厚労省職員で自民党の国光文乃衆院議員(46)は8日、Xで《元霞が関職員として言わせていただきたい》と切り出すと、《午前3時に高市総理の出勤が必要なのは、そもそも「(特に野党の)質問通告が遅い」からです。前々日の正午までという通告ルール、どれほどの野党議員が守ってますか?》と訴えた。
さらに、投稿には人事院調査のURLが添えられており、それによると、《国会対応業務に関する超過勤務の要因》として《質問通告遅い》との回答が最も多く、《質問通告2日前のルールを守っていないことが多い国会議員の所属政党》として、立憲民主党が突出していた。
国光氏が持ちだした質問通告の「2日前ルール」は’99年、当時の与野党が「前々日の正午までに質問の要旨等について通告する」と決めたものだ。ただ、これは’14年に「速やかな質問通告に努める」と変更されている。そのため、“野党が2日前ルールを守っていない”という国光氏の主張には、ユーザーからの指摘が多く寄せられることに。
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また、国光氏の投稿に端を発し、Xでは「2日前ルール」の順守をめぐって立憲民主党に対する批判が噴出し、同党の杉尾秀哉参院議員は9日、《前々日の正午が通告期限という申し合わせはありません》と投稿。10日には、質問通告に関するメールが事務所に殺到しているとし、《完全な嫌がらせです》と訴えていた。
そして、木原稔官房長官(56)は10日の記者会見で、国光氏の投稿について以下のように説明。
「前々日の正午までという質問通告ルールが続いていることを前提としていた時点で事実誤認であった」
さらに、予算委を7日に開催することは、5日正午前の同委員会理事懇談会で決定したとし、「(質問通告は)前日6日の正午頃にはすべて出されていたと聞いている」とも話した。
国光氏も10日にXを更新し、《前々日の正午までという質問通告ルールが続いていることを前提とした当方の投稿は、事実誤認であり、撤回させていただくとともに、国会でお決めいただく質問通告のルールについての発言は慎重であるべきでございました》と釈明した上で、投稿を削除した。
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いっぽう、国光氏と同様に「2日前ルール」を持ちだして野党を批判したのが、首相補佐官の松島みどり衆院議員(69)だ。松島氏は8日にXで、《7日から、衆議院予算委員会が始まり、高市総理が午前3時に総理公邸に出かけ、準備をしたことが話題になりました。仕事大好き人間の高市総理だって午前3時に出勤なんてしたいわけありません》とコメント。
続けて、衆院ではいずれの委員会でも《質問通告は2日前までに出すルール》があると主張。7日の予算委員会の野党質問者は6人ともすべて立憲民主党の議員だったが、《通告が、前日の午後6時以降になる議員がいるなど遅かった》とも綴った。
スムーズに国会を運営するため、可能な限り質問通告に余裕を持たせるべきであり、立憲民主党は内規で《質問の事前通告の適正化のため、委員会開会の前々日など適切な日時までに質問を通告する慣行を徹底します》と定めている。
とはいえ、「2日前ルール」が表向きに存在しないのは木原氏の発言からも明白であり、さらに、木原氏は「(質問通告は)前日6日の正午頃にはすべて出されていた」と話している。そのため、誤った情報を投稿に記載しながら、いまだに当該投稿を削除せず、説明もしない松島氏について、Xでは疑問の声が上がっている。
《あなたが言ってることと、木原官房長官が言ってることが全く違いますが、内閣不一致では???》
《首相補佐官までSNS でデマ?》
《この投稿もどうするのでしょう…》
《明確にデマや印象操作をしてたに等しいと思うんだけど訂正しなくていいんかね》
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