佐藤琢磨のキッズカート大会がもてぎで開催。全国から予選勝ち抜いた93名が集結、アカデミー進出の8名決まる

『TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2026 FINAL』　集まった多くの子どもたちの前で走行を披露した佐藤琢磨

　グリコ×with you Japan主催の『TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2026 FINAL』が11月15日～16日、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎ内カート場で開かれた。全国の予選を勝ち上がった小学生93名が出場し、タイムトライアルから決勝ファイナルまでを秋晴れの下で争った。

　2014年の開始以来12年目を迎える本大会は「モータースポーツの楽しさを通じて、東日本大震災の復興地を応援する」ことを趣旨としており、今年は北海道から沖縄まで21会場で延べ約1000名がタイムトライアルに挑戦。予選を経てノミネートされた100名のうち93名がもてぎでのファイナルに集まった。

　初日は希望者を対象とした練習走行会が行われ、89名が参加。大会運営側はTKKCスカラシップ生5名（濵邊誠己、小野原悠、井口雄翔、福田胡央、児玉惺七）を配置し、参加者への走行アドバイスやイベントで使用するカートの個体差を小さくするための追加走行を行うなど、子供たちが実力を発揮できるよう準備を整えた。

　大会2日目は朝8時からの練習走行で8組に分かれて各選手5周を走行した後、9時30分に開会式でイベント開幕。主宰の佐藤琢磨とスカラシップ生5名があいさつを行い、選手宣誓はカートランド四国代表の松浦昊雅が務めた。松浦は本大会への最多出場者で今年が小学6年生としての最後の出場だ。佐藤は大会での振る舞いや支えている関係者への感謝について参加者に言及した。

　10時からのタイムトライアルは11台または12台で構成する8組／各5周で実施され、予選ヒートの組み合わせが決定された。大会では体重差による有利不利を低減するためウエイトハンデ制を導入しており、本年はさらに徹底させる目的で各走行終了後に毎回体重測定を行った。11時50分の予選前ブリーフィングでは走行中の危険行為とペナルティの説明が行われ、子供たちからも具体的な質問が寄せられた。

　12時20分に始まった予選ヒートは8組に分かれて行われ、各組上位6名が決勝ヒートへ進出。ブリーフィングでの注意喚起の効果もあり、無理な追い越しやプーシングなどの危険行為は見られず大会は概ねスムーズに進行した。予選前には選手同士の応援を促すために『ポッキーシューター』が配布され、互いに声を掛け合う様子が印象に残った。

　続いて14時30分からの決勝ヒートは予選を勝ち上がった48名が4組に分かれて出走し、各組の上位3名が決勝ファイナルへ進出。各組の4位・5位は敗者復活戦へ回る形式となった。決勝ヒートでは一部でアグレッシブな展開が見られ、思うような走りができず悔し涙を見せる選手も見られるなど明暗が分かれた。15時10分に行われた敗者復活レースは8台で争われ、上位2名がファイナル進出を決めた。

　15時30分にいよいよ決勝ファイナルがスタート。当初予定されていた10周から主宰の提案により12周に変更され、体力と集中力がより問われるレースとなったが、安定した走りを示したハーバーサーキット木更津から出場した小倉千弘（5年生）が優勝。表彰式ではファイナル上位8名のTAKUMA KIDS KART ACADEMY進出が発表され、各レース上位3名にメダルとグリコの賞品が贈呈され、優勝者にはボルグワーナー・ジャパン提供のレプリカトロフィーが授与された。

　ファイナルレース終了後、佐藤は自身のレーシングカートでグリコワゴンとのデモ走行とコース上でのパフォーマンスを披露。大会後には「今日残念ながら、トップ8位に入れずアカデミーに上がれなかった子たちも来年またチャンスがあると思います。今日の自分を振り返って、自分に足りなかったところ、思ったようにできなかったところを課題として、次に向けて頑張って欲しいと思います。子供たちのこれからの活躍を我々スタッフ一同引き続き応援していきたいと思いますのでよろしくお願い致します」と、今後も子どもたちを支援していく意向を示した。

　次回のTAKUMA KIDS KART ACADEMYは12月14日に新東京サーキットで開催される予定である。

[オートスポーツweb 2025年11月18日]

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