
高市政権の経済対策が決まりました。その規模は21兆円を超え、コロナ以降、最大となっています。「国民の暮らしを守る」と意義を強調した高市総理ですが、財政悪化への懸念も広がっています。
50か月連続で物価上昇 同じ商品を購入でも総額7000円→1万円に神奈川県に住む上田和子さん。結婚してから60年以上、家計簿をつけています。
家計簿をつけて60年 上田和子さん
「例えば2021年8月、食費の1か月の予算が3万6000円」
毎月、予算を決めてやりくりしていますが、最近はそれを超えてしまうこともあるといいます。
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それもそのはず。21日に発表された、10月の消費者物価指数の伸び率は、前の月より拡大し3%に上昇。50か月連続で物価が上がり続けているのです。
その50か月前の家計簿をもとに、この日、1週間分の買い物をした上田さん。
家計簿をつけて60年 上田和子さん
「ティッシュとか、生活用品ね」
当時(50か月前)と同じ店で同じ商品を買った結果、約7000円だった総額は、今では1万円に。4割以上値上がりしていました。
「総合経済対策」が閣議決定 総額21兆超のコロナ禍以降、最大規模こうした物価高に対応するため、政府は「総合経済対策」を閣議決定しました。
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高市総理
「国民の皆さまの暮らしを守り、強い経済を作るために戦略的な財政出動を行う」
▼電気・ガス料金支援として、この冬、7000円程度を補助するほか、▼自治体向けの交付金を拡充し、「おこめ券」などで食料品の購入を支援、さらに、▼子ども1人あたり2万円の給付も決めました。
ガソリン暫定税率の廃止など減税策を含めて、経済対策の規模は総額21兆3000億円に上り、コロナ禍以降、最大となります。
【総合経済対策】
▼電気・ガス代支援
2026年1〜3月、7000円程度/1世帯
▼重点支援地方交付金
各自治体、食料品支援を原則実施
▼子育て応援手当
2万円/子ども1人、給付
▼ガソリン暫定税率廃止
▼所得税「年収の壁」見直し など
街の人からは…
街の人
「電気代が下がった、ガス代の補助が出る、車のガソリン代が下がるとかの方が、身近に物価高対策をしてもらえている実感が生まれるんじゃないかなと」
「子育てのタイミングとしては非常にありがたいが、(財政悪化で)追々税金とかが上がってしまうとなると、それもどうかと思う」
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財政悪化への懸念は為替市場でも顕著です。21日も一時1ドル=157円台半ばまで円が売られました。
高市氏が自民党の総裁になってから1か月半で、10円以上円安が進んでいます。
専門家は「今回の経済対策はかえって物価高を招いている」と指摘します。
第一生命経済研究所 熊野英生 主席エコノミスト
「物価高はこれで収まるどころか、火が燃え盛るような形でインフレ加速になりかねない。円安という火元を止めないので、本質的な解決に繋がらない」
急速な円安を受け、片山財務大臣は21日、「為替介入も考えられる」と市場をけん制しています。
